芝生なんでも百科

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2.寒地型芝草(冬芝)
(1)ケンタッキーブルーグラス
 北海道では最も古くから家庭の芝生に用いられてきた芝草で、札幌の大通公園もこの草種です。タネの発芽や初期生育の遅いのが欠点ですが、造成された芝草は美しくて丈夫です。地下茎で拡がります。
 最近、芝草用に改良された耐暑性や耐陰性、耐塩性が強い品種「ムーンライトSLT」ができました。牧草用のものは主としてコモン型です。芝生用には草丈が低く改良されています。

ケンタッキーブルーグラス「ムーンライトSLT」
ケンタッキーブルーグラス「ニューグレード」

(2)コロニアルベントグラス
 株型の芝草で、ほふく茎は出ません。タネ繁殖で美しい芝地をつくり、冬芝の混播によく用いられます。

コロニアルベントグラス「ハイランド」

(3)クリーピングベントグラス
 タネから施工するのが普通です。ベントグラス類は最も美しい芝地をつくり、ゴルフ場のグリーンによく用いられます。クリーピングベントグラスはほふく茎を持っていますので、すき間ができても間もなく埋めてしまいます。近年「A-1」等、かなりの低刈に耐える品種ができています。

クリーピングベントグラス「クリスタルブルーリンクス」
クリーピングベントグラス「A-1」
クリーピングベントグラス「ペンクロス」

(4)トールフェスク
 株型で、草丈は高く茎葉も粗剛です。性質も強健で刈り込み抵抗性も強い草種です。芝生用に改良された品種は葉のキメが細かく、分けつ数も多く葉もきわめて濃緑です。踏み付けにも強く、スポーツターフにもよく利用されます。耐暑性が改良された「ターヒールII」などの品種があります。

トールフェスク「ターヒールII」
トールフェスク「エンデバー」
トールフェスク「ジャガーIV 」
※注 オニウシノケグサ(トールフェスク)は、佐賀県では条例により栽培が禁止されています。

(5)クリーピングレッドフェスク
 以下、(5)〜(7)のフェスクを、ファインフェスク(細葉フェスク)ともいい、いずれも耐陰性が強い草種です。
 クリーピングレッドフェスクは、短いほふく茎を持っています。葉は細く肉厚で、かたい感じがします。これは主に冬芝の混播に用いられます。「ナビゲーター」は耐暑性が強いです。

クリーピングレッドフェスク「ナビゲーター」

(6)チューイングフェスク
 株型でクリーピングレッドフェスクと類似しており、やはり混播に用いられます。また、冬季の暖地型芝草へのオーバーシーディングに用いられることがあります。「シャドウII」などがあります。

チューイングフェスク「シャドウII」


(7)ハードフェスク
 株型でクリーピングレッドフェスクと類似しています。耐陰性が強く、混播に用いられます。「チャリオット」は耐暑性も比較的強いです。

ハードフェスク「チャリオット」



(8)ペレニアルライグラス
 本州では短年生で短期利用に適し、草丈は高くなります。最近の品種では「サイテーションIV」等、耐暑性が飛躍的に向上した品種があり、関西でも十分に越夏するものがあります。また逆に、わざと耐暑性の弱い品種(「カタリナII」等)を暖地型芝草の上に播種し、冬季に暖地型芝草が茶色く休眠している間の緑を保たせ、翌年の初夏に枯れさせて暖地型芝草がその下から萌芽してくるといった使い方(ウィンターオーバーシーディング)もあります。国立競技場などの芝が冬季グリーンなのはこの方法によります。

ペレニアルライグラス「アフィニティ」
ペレニアルライグラス「マンハッタンIV」
ペレニアルライグラス「カタリナII」
ペレニアルライグラス「サイテーションIV」

(9)イタリアンライグラス
 アニュアルライグラスとも呼ばれます。一年生で、発芽・初期生育が早いので、一時的に速やかに芝生をつくる時に用いられます。芝質はペレニアルライグラスよりも劣り、色も淡いです。品種としては「ワセフドウ」等があります。
 伸びる量が多いので、競馬場など草丈の長い暖地型芝草へのウィンターオーバーシードにも利用されます。耐暑性はペレニアルライグラスよりも弱いものが多く、初夏にはペレニアルライグラスよりも早く枯れますので、ベースとなる暖地型芝草へのダメージは少なくなります。

イタリアンライグラス「ワセフドウ」

(10)インターメディエイトライグラス
 ペレニアルライグラスとイタリアンライグラスを交雑して得られたもので、両者の短所をカバーしています。ペレニアルライグラスからは優れた芝質と環境ストレス耐性を、イタリアンライグラスからは春の移行のスムースさを併せ持つ品種が発表されました。これにより、バミューダグラスやティフトンのほか、コウライシバなどへのウィンターオーバーシードが可能になりました。

インターメディエイトライグラス「サツキワセ」

(11)ジューングラス
 従来の芝草とは違う新しい草種で、やせ地にも比較的よく耐え、省力管理に適します。株型で、草丈は低い品種です。
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