芝生なんでも百科

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芝生の手入れ
 
芝草の手入れ
 芝生をつくるには大体半年間あれば十分です。芝生をいかに美しく長持ちさせるかがそれからの問題です。そのためには十分な手入れが必要であり、この手入れは毎年毎年繰り返されるものです。
 芝生をつくる以上は、行き届いた手入れは最初から覚悟しておくべきです。しかし、家庭の芝生ですから、ゴルフ場の芝生のような手入れはできなくてもよいでしょう。
1.刈り込み
 芝生の手入れの中で、最も重要なものは刈り込みです。
 狭い面積や、建物や庭石周辺など芝刈り機の使用しにくいところではハサミなどで刈り込みすることがありますが、基本的には芝刈り機を使用するのが良いでしょう。
 芝刈り機は、その専門店もありますが、種苗店やホームセンターなどでも販売されています。普通の家庭では手押し式のあまり幅の広くないもので十分でしょう。広い芝生がある家庭では、自走式のものも各種あるので、庭にふさわしいものを選ぶことができます。
 最終芝生をつくり、芝草の草丈が7〜8cmに伸びたころから刈り込みを始め徐々に低くしていきます。家庭用の芝生では、刈り込みの高さは2〜3cmぐらいでよいでしょう。その高さに刈り込むには、芝刈り機の底の受け刃と、作動する刃との間隔を調節しなければなりません。この間隔が均一でなければ、一方が傾いて、低刈りと高刈りの所が生じてしまいます。この調整は自分でもできますが、芝刈り機を購入する時に業者に依頼するとよいでしょう。
 また、芝刈り機の刃は時々磨かなくてはなりませんが、これは専門店に依頼するのが無難でしょう。
 刈り込みの方法は、まず一方向に刈り込んだ後で、さらにその方向に直角になるように刈り込むと、美しく仕上がります。また、これに類似した方法もあり、これらをていねいに2回繰り返すこともあります。
 刈り込みの回数は多いほど美しい芝生をつくりますが、その手間も大変です。ですから、伸びた芝草を刈り込んだ場合に、緑色が十分に保たれ、褐色にならない程度の間隔をおけばよいでしょう。というのは、芝草が長く伸びてから1回で低く刈り込むと、芝草は茎ばかりになり、芝生が褐色になってしまうからです。
 このような注意を怠らず、刈り込みは手間を嫌わずていねいに行いましょう。芝草の生育の盛んな時は刈り込み回数も多くなり、生育が遅い時は少なくなります。慣れてくれば自分で刈り込みの時期を判断できるでしょう。
 芝刈り機には、刈りかすを同時に集める集草箱がついています。刈り込み中に、この箱がいっぱいになったら、芝生以外の地面に捨てます。この刈りかすはチッソ成分を多く含んでおり、腐熟すれば堆肥として利用できます。
 刈りかすを芝生の上に放置すると、これが後に述べるサッチ集積の一つの原因にもなるので、刈りかす除去は大切なことです。
2.施肥
 芝草は、土壌中の肥料成分を吸収して自分の栄養とし、生長するものです。これらの成分は水に溶けた形で、芝草の根から吸収されます。
 前述のように、芝草の刈りかすは芝生以外の所に運び出されるので、刈りかすに含まれている肥料成分は、芝生の土の中から奪われることになります。また、肥料成分中には、土の中で水に溶けて芝草の根の届かない所に流亡するものもあります。
 そのため、芝草をよく育てるためには、どうしても十分に肥料を施さなければなりません。肥料をやらず、芝草の生育を抑えて刈り込みの手間を少なくするなどという横着な考えを起こすと、芝生は薄くなり、たちまち雑草がはびこって芝生は荒廃します。
 家庭の場合、土を分析したり肥料試験をすることなどはできませんので、大まかな施肥の計画を立てるとよいでしょう。
 肥料は園芸店で販売されていますが、そこには、含まれているチッソやリンサン、カリの割合が示されているはずです。例えば、10:8:6とあれば、その肥料の中にはチッソ10%、リンサン8%、カリ6%が含まれているという意味です。
 そこで、まず標準としてチッソをとります。チッソは1回につき1m2当たり2〜4g与えるとよいでしょう。リンサンやカリはこれと同量か、それ以下でも大丈夫です。
 例えば、10:10:10という肥料を購入します。この肥料を1m2当たり30g施すと、チッソ、リンサン、カリはそれぞれ1m2当たり、3gずつ与えることになります。1回にこのくらいでよいでしょう。
 これを年間4〜5回与えると、その芝生は年間、チッソ、リンサン、カリを各々1m2当たり12〜15g与えられることになります。これらを標準とみてよいでしょう。
 肥料は粒形のものが均等に散布しやすいのですが、あまり粒形が大きいと、溶けないうちに芝刈り機に吸い取られてしまいます。ですから、施肥をした後には直ちに水をまいて肥料を溶かすようにします。
 家庭では、肥料の種類にそれほどこだわる必要はないでしょう。
3.目土
 芝生にはいろいろの目的で目土を施します。芝草は毎年、その地際にある成長点が上昇して、外界の影響を受けやすくなるので、それを保護するために目土は必要になります。また、芝生の造成当初は、その面が平らではなく、どうしても凹凸が生じます。それをならすためにも目土を入れます。そして、張芝をした場合、全面張りの時でもどうしても「めじ」ができるので、それを塞ぐためにも目土が必要です。さらにでき上がった芝生でも、その表面はいろいろの原因で平らではありませんので、それをならすためにも目土を入れます。また、サッチを分解させるためにも目土は有効です。
 目土は造成初年にはやや厚めに入れます。しかし、その後は1回に3〜5mmぐらいを回数多く入れた方がよいようです。目土の質は、できれば床土と同じものが望ましいでしょう。最近は砂目土といって砂ばかりのものも入れます。
 目土を入れる時期は、3〜4月ごろから9月ごろまでです。秋も遅くに厚く目土を入れると、春先に芝草の黄化が生じます。目土はショベルなどで芝生にまき、レーキや板切れなどですり込みます。家庭では年間2〜3回でよいでしょう。
4.サッチ除去
 たびたびサッチという言葉を使ってきましたが、サッチというのは、刈りかすや芝草の茎、葉、根などが枯死して、しかも分解しないで残っている有機物のことをいいます。
 サッチが芝生に集積すると、土や根へ水や空気が浸透しにくくなり、芝草が弱ります。さらに、肥料を与えたり農薬を散布しても、このサッチに吸収されて土まで届きません。
 その上、サッチは芝草に有害物質を生ずるという説もあります。しかしながら、薄い層のある程度のサッチは、芝生にクッションを与えるので望ましいことでもあります。ただ、サッチは害の方が多いので、一般にはこれを除く作業が大切とされているのです。
 前述のように、芝草の種類や品種によってサッチの集積量は異なります。生長の速やかなものほどサッチの集積量は多く、したがって、これを除く必要性も大になります。
 ゴルフ場などには、バーチカル・モアというサッチを取り除く機械がありますが、家庭の場合は、レーキや熊手などで芝生の表面を掻きます。すると、驚くほど多量のサッチが出てきます。それらは集めて芝生の外に運び去ります。
5.潅水
 わが国の1年間の降水量であれば、芝草に必要な水分は十分です。しかし、その降雨の年間の季節分布がかたよっていることが多いため、水不足の時期があるわけです。
 梅雨や台風シーズンには降雨は多いので、かえって芝生に害を与えることがありますが、8月などは雨が少なく、その上に暑さが加わるので被害が大きく、潅水の必要性が生じます。芝生が乾いて芝草の色が黒ずんできたら、それは干害の前兆と見て、直ちに水をかけることが腎心です。
 家庭用のスプリンクラーが安価で販売されているので、それを水道につないで用いてもよいでしょう。スプリンクラーの中には、自動的に移動して芝生全面に潅水ができるものもありますが、多くのものは人間が時間を見はからって移動させ、芝生全面にむらなく水をかけるようにしてあります。
 スプリンクラーがない時は、ホースの先端をしぼって細かい水滴にして潅水します。芝生での潅水のこつは、平均してむらなく散水すること、水滴はできるだけ細かい霧状にすること、一時的に多量の水がかからないよう、少しの水を長い時間かけてまくことです。
 一時的にたくさんの水をかけると、水が芝生の表面を流れて外に出てしまいます。芝生の土の中に水が染み込むのと同じ速度で潅水するのが理想的です。
 潅水を始めたら、少しの水を散布するのでなく、時間をかけて1回にかなり多くの水を与えます。間隔は2〜3日に1回ぐらいでよいでしょう。また、いったん潅水を開始したら、次の雨がくるまでは止めないようにします。
6.通気
 芝生は絶えず人間に踏み固められて土が固くなり、水や空気が土壌さらには根への補給が断たれてしまいます。また土が固くなると根が十分に伸びず、酸素不足により弱ってきます。さらに、サッチの集積は前述のように芝生の通気や通水を妨げます。
 そのため、芝生には通気作業が必要となります。前に述べたサッチ除去も通気作業の一つですが、それは土壌の表面通気であって、土壌そのものへの通気ではありません。土壌そのものに通気するため、芝生に5〜6cmの深さの小さな穴をあけてやります。
 ゴルフ場では、コアリング機という穴をあける専用の機械があります。家庭では、フォークなどを芝生に突き差して穴をあけることがありますが、同様な道具を用いたり、専用の機具を作製して穴をあけると効果があります。穴と穴との間隔は10cmぐらいでよいでしょう。この穴あけ作業は時期を問いません。
7.芝生の更新
 芝生は古くなると荒れてきて、所々裸地が見えるようになります。そうなると雑草が侵入し、芝生はますます荒れていきます。芝生が荒廃する原因には、次のようなことが考えられます。
a.排水不良
b.踏圧による土の固結
c.はなはだしいマット状(サッチ集積)
d.病害虫、その他不時の原因による害
e.芝草の選び方の誤り
f.樹木の日陰
g.水不足
h.雑草侵入
 これらの原因と、その対策については、すでに述べたところが多く、また、病害虫については後に述べる通りです。このように、原因によっていろいろの更新作業がありますが、芝草の選び方の誤りはどうにも方法がなく、やり直すことになるでしょう。
 また、芝生の荒れ方の程度によって、部分更新とか全面更新(改造)になります。部分的に芝生の一部が枯れた時は、張芝であればその部分を剥いで新しい芝を張った方が早いようです。
 タネまき芝の場合でも、苗圃で補修用に販売しているところがあります。しかし、一般家庭での入手は容易ではないでしょう。その場合は、適期にその部分に床土をつくり、適期にタネをまき、または苗を植え付けて、当分は立ち入らないようにして保護します。全面更新は改造ですから、荒廃の原因を考えて新しく床土づくりから始めます。
8.雑草防除
 芝地の大敵は雑草です。雑草のない芝生は実に美しいものです。家庭の芝生でも、できるだけ雑草をはびこらせたくないものです。
 雑草というとすぐ除草剤を思い浮かべますが、その前に考えることがあります。第一に栽培学的、または生態学的雑草防除を取り入れることです。というといかにもいかめしいのですが、実は何でもない、たやすいことなのです。チッソ肥料を十分施して頻繁に刈り込む雑草対策をいうのです。
 イネ科植物である芝草は、チッソ反応がきわめて高く、チッソを与えると直ちに伸びて、他の雑草に日陰を与えて圧倒します。そこへ刈り込みが行われても、芝草はその特性として再生がきわめて良好ですから再び雑草を圧倒します。これを繰り返しているうちに雑草は知らず知らずのうちに少なくなります。 ただし、短く刈り込まれては穂を出し、タネを芝生に落とすスズメノカタビラにはこの手法は通じません。
 また最も原始的な方法が雑草の手どりです。家庭では前者の方法と、この手どりをおすすめします。というのは、農薬を扱うことに慣れていない家庭の主婦などには、以上の方法が最も安全だからです。子供たちも一家総出で、たんねんに、芝生の中の雑草を抜き取るのも、何ともいえない楽しみの一つではないでしょうか。
 最後の手段として、除草剤を用います。それにはまず、主な雑草の種類を知ることが大切ですが、これは簡単に覚えられるものではありません。
 寒地で厄介な芝地の雑草といえば、スズメノカタビラとシロクローバがトップにあげられるでしょう。暖地では、スズメノカタビラやメヒシバ、スズメノヒエ、ヒメクグ、ハマスゲなどがあります。ヒメジョオン、ハルジオン、イヌノフグリなどの広葉の雑草の退治は比較的容易です。しかし、ジシバリやカタバミ、ノチドメなどのような、地面を這うものは簡単に根絶することはできません。