−4月 宇治川 桜−
今年も桜の季節が間近となりました。花の都・京都も多くの観光客で賑わうことでしょう。今月は京都市の南に隣接する宇治市の桜を紹介します。京都駅から宇治駅まではJRで20分ほど。ひと足のばしてみてはいかがでしょう。 |
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宇治川(塔の島・橘島) −JR京都駅より「宇治駅」下車徒歩10分−
上流を見れば深い山々が折り重なり、下流を向けば大阪平野へと続く広々とした景色。平安時代、宇治川に架かる宇治橋近辺は貴族の別荘地として人気でした。今は宇治橋の東に「塔の島」と「橘島」と呼ばれる二つの中洲があり、約2000本の桜が咲く花の名所。近くには平等院と宇治上神社(共に世界遺産)があり、人気観光スポットの一つです。また、今年は源義経が初陣を飾った舞台としても注目です。木曽義仲軍との「宇治川の合戦」として知られ、このときの佐々木四郎高綱と梶原源太景季の先陣争いは『平家物語』の名シーン。橘島にはその故事にちなむ「宇治川先陣之碑」が立っています。激流に馬を進め、高らかに名乗りを上げる武者。そんな場面に思いをはせるなら花吹雪の頃が一番ではないでしょうか。 |
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桜の話
「桜の咲き乱れたるを見る心地す」(『源氏物語』)とは、夕霧が紫の上を見たときの印象です。はっと目を引く美しさと存在感を持った女性だったのでしょう。「桜」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは染井吉野。最もポピュラーな品種です。一木全体を覆うように花が咲き、若葉が出るよりも先に満開となって花一色に染まる姿は、まさしく雲か霞かと見紛うばかり。そして一気の落花は花吹雪。江戸時代に誕生し、あっという間に全国に広まりました。
それまでは「桜」と言えば山桜のことでした。夕霧が紫の上に重ねた桜も山桜です。花は葉と共に開き、行く春を惜しむようにはらりはらりと散ります。ゴージャスさと潔さでは染井吉野に及びませんが、自然種ならでは情趣があり、山桜の方を好む人も少なくありません。染井吉野と山桜のほかにも、枝垂れ桜や彼岸桜、大島桜など、桜には多くの品種があります。今年はあちこちに出かけて、それぞれの趣の違いを楽しむ花見というのもいいですね。
ちなみに京都で多種類の桜が楽しめるのは洛北の平野神社。山桜の名所なら、鎌倉時代に後嵯峨上皇が吉野から移植したのが始まりという嵐山が有名です。
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