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病害虫・生理障害

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トマト灰色かび病

データ作成年月日:2017/1/20

写真1

▲果実に形成されたゴーストスポット

症状(診断)

 地上部のあらゆる部位に発生する。特に果実の被害が最も大きい。育苗期や定植後の幼植物では、葉・茎・葉柄に発生する。葉には褐色の大型円形病斑を生じ、茎や葉柄には暗褐色水浸状の円形病斑を生じる。病勢の激しい時には、被害部より上の茎葉が枯死する。生育後期には、これら組織のほか、花弁・果梗・果実に発生する。古い花弁やがく片などが褐変し、その後、果頂部やへたの付近から果実へ病原菌が侵入し、開花前後のものでは褐変枯死して落果する。親指大以上の果実では、水浸状暗褐色の小型円形病斑を形成し、次第に拡大して果実を軟化腐敗させる。葉や茎には被害花弁や果梗が落下し、葉上や枝の分岐部などに付着すると、その部分から発病する。これら病斑上には、灰褐色のかびを密生し、たたくとほこりのように胞子が飛散する。
 ある程度生長した果実には、径1〜2mmの黄白色円形の中心のある小斑点(ゴーストスポットと呼ばれる)を多数生じることがある。

発生の仕組み

 病原:糸状菌(かび) ボトリチス シネレア
 ほとんどすべての野菜、花きを含めて、極めて多くの植物を侵す。20℃前後の比較的冷涼な気温と多湿条件で発生する。これは晩秋から早春の施設栽培の環境に当たり、被害作物残さや被害組織上に無数の胞子を形成して空気伝染する。

防ぎ方

 灰色かび病は、施設栽培特有の病害で、冬季に多重被覆栽培し、施設内が多湿で太陽光線が少なくなくなることで多発する。密植したり、チッソ過多で茎葉が繁茂すると発生を助長する。施設栽培では、換気を十分とり、乾燥条件にすることで被害を軽減できる。多発すると防除が難しくなるので、発病初期に防除することが大切。花弁に付着した病原菌から感染が始まり、花弁を除去すると被害は少なくなる。ハウスなどでは、紫外線カットフィルムを使うことで発生を抑制できる。
 防除薬剤は、トマト・ミニトマトに対して、ベルクートフロアブル、セイビアーフロアブル20、アフェットフロアブル、ピクシオDF、ファンタジスタ顆粒水和剤が利用できる。生物薬剤としては、エコショット、バイオワーク水和剤、アグロケア水和剤がトマト、ミニトマトで利用できる。同一薬剤の散布は、薬剤耐性菌発生の恐れがあるので、同一薬剤の散布を避け、異なる薬剤を散布する。

 注.2003年の改正農薬取締法施行に伴い、「トマト」と「ミニトマト(直径3cm以下のもの)」とは、農薬登録にかかる薬効・薬害の取り扱い上、別個の作物分類に属することになりました。したがって、「トマト」に登録のある農薬を「ミニトマト」に使用される場合は、予め「ミニトマト」に対する登録の有無をご確認ください。

ご注意

文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。

農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。

農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。

本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。

病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。