家庭菜園コーナー

 最近は非常に品質が高い物が多くなりましたが、スイートコーンは収穫後の品質の低下が早く、鮮度が非常に重要な作物のひとつです。高い鮮度を提供できる直売所としては、目玉となる魅力のある商品であるといえます。高品質の物を作り、収益アップにつなげていきましょう。
直売出荷向きの品種選定
 スイートコーンは、直播栽培が中心であるため、発芽率がよく、高い秀品率と収量性を持っている品種を選ぶことが大切です。また、直売所では、品揃えのよさが重要なので、バラエティーに富んだ品種選びをするとよいでしょう。
(1)黄色種
 「おひさまコーン」は、生で食べられるほど粒皮がやわらかい極良質種です。甘味が強く良質な割に、発芽・初期生育がよく、栽培がしやすい中早生種で、特におすすめの品種です。また、粒色も濃い黄色で見た目も鮮やかです。
 「キャンベラ86」は86日タイプの中早生種で、甘味の強い高品質黄色種です。栽培がしやすく、420g程度(苞付き)の大穂とボリューム感がある上に、秀品率が高く、おすすめです。
(2)白色種
 「ルーシー90」は白のモノカラーの中生種です。粒皮は白色ときれいな上に、食味もよい中生品種なので直売所向きといえます。ただし、黄色種、バイカラー種の近くで栽培しますと黄色の粒が混じる可能性(キセニアという現象)がありますので、注意しましょう。
(3)バイカラー種
 「カクテル600」は86日タイプの中早生のバイカラー種で、先端不稔が少なく、条揃いのよい欠品の出にくい品種です。苞付きで420gほどの大穂になり、見栄えします。
おひさまコーン
甘味が特に強く、
粒皮もやわらかい。
ルーシー90
ひと目で差別化のできる
粒色を持つ。
カクテル600
条揃えのよいバイカラーコーン。先づまりもよく、大穂いなる。

差別化を図るポイント
(1) 播種期をずらして連続出荷
 スイートコーンは播種から収穫までの日数が品種によって大体決まっています。収穫期の幅が短い作物なので、播種期をずらすことにより長期にわたる出荷を行いましょう。
 一般地ですと、トンネル栽培で3月中旬〜4月中旬、マルチ栽培で4月中旬〜5月中旬の播種がよいでしょう。
 大産地の出荷が終わった後の抑制栽培もおすすめです。7月上旬〜8月上旬の播種で栽培を行いましょう。抑制栽培には中生種の「キャンベラ90」がおすすめです。
(2) 欠株をなくして収益アップ
 スイートコーンは直根性の作物であり、移植を嫌います。そのため、基本的には直播を行います。欠株を防ぐために1穴3〜4粒播種し、本葉3〜4枚の時に1株に間引きます。甘味の強い良質種ほど発芽が劣る傾向があるため、地温14℃以上を守って播種を行います。
 地温14℃を保てない場合は、移植栽培とします。この場合はトンネルを張る、マルチングを行うなどして地温の確保に努めましょう。
(3) 品質アップのコツ
 先づまりのよい大穂を作るためには、雄穂出穂期までにある程度旺盛な株を作ることが大切です。そのためには、本葉6〜8枚ごろと雄穂が見え始めた時の2回、どちらも10a当たりチッソ成分量5kgを速効性の化成肥料で追肥します。
 また、開花期〜収穫期までの潅水が十分でないと先端不稔が起こりがちです。この時期に適湿を保つことで、先端不稔の少ない大穂を作りましょう。
(4) 新鮮さをアピール
 直売所では何といっても新鮮さが命です。特にスイートコーンは収穫後、急速に甘味が低下します。産地と違い、直売所は畑と近いため、収穫した商品を即座に売り場に提供できる、というメリットがあります。直売所内に予冷庫を持つなどして鮮度保持に努め、「とれたて」を前面に出して新鮮さのアピールを行うとよいでしょう。
↑先づまりのよい大穂を作るためには、雄穂出穂期までに旺盛な株を作るのがポイント。 ↑スイートコーンは基本的に直播(1穴に3〜4粒播種)し、本葉3〜4枚で1株に間引く。
↑間引きの適期。このような状態から1株にする。
↑開花期〜収穫期までの潅水は十分に行い、品質のよい大穂を作りたい。

よくある失敗
 スイートコーンは、デントコーンやポップコーンの花粉で受粉すると粒がかたくなり、甘味が低下して出荷でできなくなります。また、白色種が黄色種の花粉で受粉すると黄色の粒になります。このように、花粉の影響が当代に直接表れる現象をキセニアといいます。キセニアにより商品価値がなくなる恐れがある場合は、それらを50m以上離して栽培を行うか、開花期があわないように播種を行います。


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