家庭菜園コーナー
↑「早太り聖護院」はウイルス病などに強く、太りが早くて作りやすい品種なので、年内どりに適している。

 秋から冬の食卓に欠かせないのは何といってもおでんではないでしょうか。だしの風味と大根の食感が絶妙にマッチして、「冬はやっぱり、おでんに限るなあ」という気持ちにさせてくれます。
 今年の冬は、自家栽培の大根で、おでんに挑戦してみてはいかがでしょうか。今回は、多数ある大根の品種の中でも、特に味に定評のある4 品種を紹介します。
【品種の特性と栽培のポイント】
煮物だけでなく、浅漬けやサラダ、刺し身のツマなど、幅広い用途に使える青首大根を2 点紹介します。

Y R くらま    

↑肉質が緻密で、甘みがある「YR くらま」。ウイルス病や萎黄病に強く、8月下旬から9月中旬の播種に適している。
産地でも品質の良さが注目されている品種です。肉質が緻ち密みつで、甘みがあります。ウイルス病や萎黄病に強く、8 月下旬から9 月中旬の播種に適しています。収穫は10 月下旬から12 月となります。

★肥料の遅効きに注意!
 本種は生育の中後半にかけての根の肥大が旺盛で、肥効が生育後半に傾きすぎると裂根を伴うことがあります。従来の品種に比べて元肥を2〜3 割減らし、追肥も遅効きにならないように注意します。

↑「Y R くらま」は、生育中後半の根の肥大が旺盛なので、追肥が遅効きにならないように注意する。

耐病総太り  
 大根の品質を落とす最大のものはス入りです。本種はス入りが極めて遅く、少々大きくなりすぎても心配ないため、家庭菜園に最適です。また、葉が旺盛で冬場の寒さに強く、年明けの冬どり栽培でも作りやすい品種です。9 月中下旬の播種で、収穫は11 月下旬から2 月中旬ごろとなります。
★年内どりは肥料を控えめに!

 本種も生育は旺盛ですから、年内どりを考えた播種期では、多肥栽培にすると葉勝ちになったり、根のまとまりが悪くなったり、軟なん腐ぷ病の発生にもつながるため留意します。
 冬どりをねらう場合は、初期生育を順調に促し、年内までに7〜8 割方の肥大をさせることが肝要です。また、12 月以降は「タフベル」や「テクテク」などの被覆資材での防寒が良品づくりのコツといえます。
「耐病総太り」はス入りが極めて遅く、→
少々大きくなりすぎても心配ないため、家庭菜園に最適。 


●聖護院大根しょうごいん
 次に紹介する聖護院大根は、九条ネギや壬み生ぶ菜ななどとともに京野菜の一つで、関西では古くからなじみのある丸大根です。土質を選ばず、比較的耕土の浅い畑でも栽培しやすいので、自家菜園にピッタリです。煮物やふろふきなどに好適する肉質です。

早太り聖護院  
 ウイルス病などの病害に強く、太りが早く作りやすい品種で、年内どりに適しています。播種は8 月下旬から9 月上旬ごろとなります。収穫の目安は、根径が15cm程度になったころです。
★適期播種でスム-ズな生育
 青首大根の夏まき品種ほどの耐暑性は持っていないので、早まきしすぎないことと、一般の青首大根よりはやや広めの株間とします。

↑「早太り聖護院」はウイルス病などに強く、太りが早くて作りやすい品種なので、年内どりに適している。 
聖護院大根は、土質を選ばず、比較的耕土の浅い畑でも栽培しやすく、自家菜園にピッタリ。煮物やふろふきにも好適な肉質。

冬どり聖護院  
 寒さに強く、ス入りが遅いので、12 月下旬以降の冬どり栽培が特に適しています。8 月末から9 月中旬が播種期になります。
★冬どりでは肥料切れに注意
 特に冬どり栽培では生育後半の肥料切れが、寒さによる傷みを助長しますので、早めの追肥を心掛けます。
「冬どり聖護院」は寒さに強く、ス入りが遅いので、→
12 月下旬以降の冬どり栽培に特に適している。 


【品種の特性と栽培のポイント】
(1) 土づくり
 大根に限らず、根菜類の上作のポイントは、深くよく耕すことです。最低20cm程度はしっかりと耕します。
 土づくりには堆肥などの有機物を畑に入れることが大切ですが、腐熟の不十分な堆肥が生育途中の大根の根に触れると、又また根ねやヒゲ根の発生の原因になりますから、播種の1 ヵ月以上前には有機物を入れるようにし、播種時には十分土になじむようにします。堆肥は10m2当たり20kgから40kg程度施します。

↑大根は、本葉5〜6枚までの生育初期を適湿に管理し、順調に肥効を進めることで、かなりの良作が期待できる。



↑株間は青首大根で25cm程度、聖護院大根で30〜35cm程度とする。



↑1 回目の間引きは、子葉がハ-ト型をしたしっかりとしたものを残す。
(2)

施肥
 化成肥料は播種の10 日から1 週間前に施し、よく耕して耕土全体になじませておきます。
 苦土石灰は10m2当たり400〜600g程度、化成肥料はチッソ成分量で10m2当たり80〜150g程度が目安となりますが、畑の土質や肥よく度、品種や播種期によっても大きく異なるため注意します。大根は元肥主体の作物です。本葉5〜6 枚までの生育初期を適湿に管理し、順調に肥効を進めることで、かなりの良作が期待できます。気温の高い8 月下旬から9 月上旬の播種では、一般的に葉勝ちになりやすいため、やや控えめの施肥量にします。

(3)

畝立て、株間
 畝は土質に応じて高さを変えます。排水がよく乾きやすいところでは、10cm程度にし、悪いところでは20cmぐらいの高畝にします。また、8 月下旬の播種では、生育初期が高温で乾燥しやすいため、保水性のある場所を選ぶようにします。畝幅は60〜90cmで、1〜2 条栽培にします。株間は青首大根で25cm程度、聖護院大根で30〜35cm程度とします。

(4) タネまき、間引き
 播種は、1 ヵ所に4〜5粒まきます。播種の深さは1cm程度で、乾燥しやすい砂地などの畑は軽く押さえて鎮ちん圧あつします。本葉2〜3 枚のころになると、1 回目の間引きをして子し葉ようがハ-ト型をしたしっかりとしたものを残し2 本にします。9 月上旬まきでは、播種から約2 週間で本葉5枚くらいになるので、このころに遅れないように1 本にします。
(5) 中耕、土寄せ、追肥
 雨後の乾燥などで、畝の表面がかたくしまった時などは、条間を浅く中耕し、根に空気を送ることも大切です。また、大根が徒と長ちょうして株が安定しない時や、台風などの強風の前には、株元に土を軽く寄せます。追肥は生育の様子を見ながら、間引きの終わる時期までに行います。追肥の遅れは、裂根や葉の出来具合につながりやすいので注意します。
(6) 病害虫の対策
家庭菜園では、できるだけ農薬の使用は控えたいものですが、完全に無農薬で栽培するのは大変です。ネキリムシなどに対しては播種時にカルホス粉剤を土に混ぜておくと効果的です。また、コナガは一度発生すると防除の難しい害虫ですから、早め早めの薬剤散布を心がけます。


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