ファイトリッチライフ

カネマサ流通グループの取り組み〜生産者と消費者双方にメリットのあるファイトリッチタマネギ「ケルたま」〜(編集部)

機能性成分ケルセチンを豊富に含むファイトリッチタマネギ「ケルたま」。その機能性成分の高さに注目し商品ラインアップの一つとして扱われている企業があります。この度は、関西を中心に、全国で青果物の卸販売並びに野菜・果物のカット加工・販売を手がけるカネマサ流通グループの商品調達・開発部門、株式会社カネマサ流通 商品部の羽部さんのご案内で「ケルたま」を栽培されている生産者を訪問しました。

徳島県阿波町【有限会社柴生(しぼう)農園】

左から(株)カネマサ流通 商品部羽部氏、(有)柴生農園小川社長と小川牧さん。

「今年はタマネギが全体的にいいね」とお話いただいたのは、徳島県の生産法人有限会社柴生農園の小川博司社長です。春夏はタマネギとスイートコーン、秋冬はキャベツ、レタス、サニーレタス、周年で葉ネギを栽培されています。
総面積18haのうちタマネギの栽培面積は約4.8ha、栽培品種は早生、中生の他社品種、中晩生種「ネオアース」晩生種「ケルたま」などです。カネマサ流通さんからの紹介で2年前から「ケルたま」を栽培いただいています。播種は昨年(平成28年)の10月7日、定植は翌1月中旬。

昨年は10月の長雨で定植に遅れがあったものの、本年の5月は少雨で湿気が少なかったこともあって、例年になくタマネギ全体の品質がよく、「ケルたま」も抽苔はなく昨年よりよい出来になっています。

柴生農園の「ケルたま」圃場。
すべてマルチ栽培で行われている。今年は5月の雨が少なく、例年以上にタマネギの品質がよい。

取材に訪れた6月8日はちょうど「ケルたま」の倒伏を待っている所でした。晩生種の「ケルたま」は梅雨入りしてから収穫をスタートし、様子をみながら7月上旬ごろまで続ける予定です。
柴生農園ではタマネギの定植、収穫など作業の機械化を図り省力化を進めておられます。「ケルたま」も含めて今後もタマネギ栽培を続けていきたいとのことでした。

機械収穫の導入で省力化を図っている。

兵庫県南あわじ市【高川商店】

高川商店の高川社長。淡路玉葱商業協同組合の組合長を務められたこともあり、「淡路島たまねぎ」のブランド化にも中心となって取り組まれている。

次に伺ったのは、淡路島の高川商店 高川元太郎社長です。野菜生産と商品の買い入れを行う高川商店の代表取締役である高川社長は、淡路玉葱商業協同組合の元組合長で、「淡路島たまねぎ」の商標登録に尽力されるなど、産地のブランド化にも中心となって取り組まれています。
高川商店の栽培品目は、主にキャベツとタマネギで、中嶋農法によるミネラル栽培に取り組まれています。タマネギの総栽培面積は約3.2ha、「ケルたま」はそのうち約50〜60aで3年前より導入いただいています。

「機能性が高いという特殊な性質をもつタマネギとしては、反収も一般的な品種と同様に上がる。逆に反収がもっと上がれば栽培する農家も増えるかもしれないですね」と高川社長は「ケルたま」のもっているポテンシャルに注目されています。やはり差別化できる品種でも収量が上がらないと、生産者は導入しにくいものです。ほかには貯蔵性の高さと、加熱することによって甘みの増す食味のよさも評価されています。
「健康によくおいしい、そして収量もとれれば、作る側にとっても励みになりますね」と高川社長。収穫は6月中旬からスタートとのことですが、現在のところ生育もよく、来年は1ha程度面積を増やすことも検討されており、「ケルたま」に対する期待の高さがうかがえました。

高川商店の「ケルたま」圃場。昨年1月16日定植。
ミネラル栽培で作られた「ケルたま」は辛みがまろやかになり食味がよくなる。

消費者と生産者双方にメリットのある「ケルたま」

「健康志向の高い消費者の方に喜んでいただけることは生産者さんも、小職もうれしい限りです。また収穫量が通常の品種に比べ遜色がないので生産者さんの栽培リスクも少ないようです。農産物をマッチングする立場としては取り組みがいのある商品です」と羽部さんは「ケルたま」の商品価値についてこう語られます。
カネマサ流通さんでは「ケルたま」を取り扱い始めて4年目。現在、関西のスーパーなど量販店を中心に取り扱いされています。取引産地は徳島、兵庫、淡路島、愛知県など、西日本を中心に多岐にわたっています。
羽部さんは「ケルたま」は、昨今の健康志向の中で消費者への貢献度は高いと考えておられます。しかし、平成28年の機能性食品表示制度の導入の影響で、逆に量販店からは「高ケルセチン」「高機能性」などの表記を出しづらくなり慎重になる動きが続いているといいます。そこで、カネマサ流通では「高機能性」ではなく、おいしく体によい「ファイトリッチ」シリーズの一つとして「ケルたま」をアピール。パッケージに「ファイトリッチ」のシールを貼り、QRコードをつけてタキイの「ファイトリッチ」ブランドサイトにリンクをはるなど、消費者に向けて「ファイトリッチ」のPRも行われています。
「PRが功を奏しても物量がないと供給ができない、しかし、需要がなければ生産も増えないというのが難しいところ。どうやって販売の成功例をつくるかが今後の課題ですね」と羽部さん。今後もスーパーを中心に外食などにも販路を広げたいと意欲を燃やされています。

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