タキイ最前線WEB2017秋種号 HOTニュース 産地ルポ 愛知県JAあいち海部 良食味のTY耐病性トマト「桃太郎ピース」
味で勝負するトマト栽培

地域概況

JAあいち海部管内は、愛知県の西部にある、津島市、愛西市、弥富市、海部郡に位置しています。北は岐阜県、西は三重県に隣接し、木曽川下流に形成された沖積デルタの平坦地です。豊かな水と肥沃(ひよく)な土壌に恵まれ、野菜は冬春トマト、いちご、冬春ナス、ネギなど、花きは、カラーなどの切り花、ベゴニア、ポインセチアなどの鉢花のほか果樹など多岐にわたります。特に、水稲作が全作付面積の6割以上を占め、県下でも有数の水田地帯となっています。

JAあいち海部トマト部会

海部トマト部会は部会員数38名(平成29年5月現在)。管内は用水のパイプライン化と排水対策により乾田化が進むとともに、栽培技術の改良も進み、水耕栽培や土耕栽培が取り入れられています。作型は主に10月定植の促成栽培と12月定植の半促成栽培で、年間をとおして関東・関西・中京市場へ出荷されています。
  • 弥冨市にあるトマトセンター(トマト選果場)では、熟練のスタッフによるトマトの選果作業が行われている。

黄化葉巻対策に「桃太郎ピース」を導入

「今年は今までの中で一番できがいいですね」
と収穫した「桃太郎ピース」を手にお話しくださったのは、愛西市佐屋町の加藤晴久さんです。加藤さんは海部トマト部会38名の一人で45歳の若手生産者。18連棟(47a)ハウスでの大玉トマトの水耕栽培に取り組まれています。

作型は7月下旬〜8月中旬定植、10月中下旬〜翌7月上旬収穫の長段どり1作で、反収17〜20tを上げる実力者。
栽培品種は「CF桃太郎はるか」を中心に「CFハウス桃太郎」などをこれまで栽培。黄化葉巻病対策のため、平成25年に当時試作品種だった「桃太郎ピース」を導入されて4年目になります。また、今年より黄化葉巻耐病性で低温伸長性があり促成向きの「桃太郎ホープ」も試作されています。

↑愛西市で「CF桃太郎はるか」を中心にトマト栽培に取り組まれる加藤晴久さん。
黄葉巻病対策のため「桃太郎ピース」を導入して今年で4年目。

↑18連棟ハウスでトマトを栽培される加藤さんの圃場。右側が「桃太郎ピース」。

加藤さんが「桃太郎ピース」を評価されている理由の一つは玉伸びのよさです。終盤の玉伸びがよく平均反収20tを上げています。今年は特に冬場でも生育が止まることなく、花落ちや穴あき、尻腐れも少なく、4年間で最高の出来でした。なお、今年試作導入した「ホープ」は甲高で秀品率は高いものの、「ピース」と比べると小玉傾向かなとの印象です。「ピース」は「ホープ」に比べるとやや扁平傾向の玉ですが、その分平均以上に収量が上がっています。

  • 作型は7月下旬〜8月中旬定植、10月中下旬〜翌7月初旬収穫の長段どり1作の水耕栽培。

味のよい「桃太郎」の血を受け継ぐ「桃太郎ピース」

管内の指定品種は「CF桃太郎はるか」「CFハウス桃太郎」「桃太郎ピース」「りんか」「麗容」「麗月」の6品種ですが、TY品種(黄化葉巻病耐病性)に関しては指定品種以外の使用も例外的に認められています。栽培は管内全体で1割程度とのことです。

↑食味のよさに定評のある「桃太郎ピース」。「味のよさを求める市場の声に応えられるレベルにある」と加藤さん。

↑加藤さんの圃場で収穫されたトマト。反収17〜20tもの収量を上げながらも品質にこだわった栽培に取り組まれている。

「市場からは味のよいトマトが求められているからです。TY品種はこれまでどうしても食味が劣っていました。『桃太郎ピース』はTY品種の中でも食味がよく、市場の求めるレベルにも応えられる品種ですね」と加藤さん。
耐病性と味のよさを兼ね備えた「桃太郎ピース」で、品質にこだわった栽培に取り組まれています。

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