タキイ優良品種 産地ルポ 鹿児島県大崎町キャベツ出荷組合 キャベツ 端境期の5月上旬まで収穫できる「夢舞妓(ゆめまいこ)」で量質ともに安定出荷を目指す! 大崎町キャベツ出荷組合 専務 梶田 大幹

地域概況〜大隅半島の中央に位置する大規模な畑作地帯〜

鹿児島県の曽於(そお)地区は大隅半島の中央に位置し、シラス台地の土壌ですが大隅畑かん大規模産地育成事業により畑作地でも潅水設備が整っています。冬でも温暖な気候を利用してハクサイ、キャベツ、ダイコン、唐いも(焼酎の原料になるサツマイモ)などが盛んに栽培されています。

平成20年に設立の大崎町キャベツ出荷組合では、鹿児島県の農林水産物認証制度(K-GAP)を取得。安心安全な作物の出荷に取り組む。
※K-GAP
鹿児島県独自の認証制度。生産者の安心・安全な農林水産物を生産する取り組みを消費者に伝える制度で、
審査して認証された生産者に出荷時にマークの使用が許可される。

加工用キャベツをメインに出荷する大崎町キャベツ出荷組合

大崎町キャベツ出荷組合は曽於地区の大崎町にて、60haを超える面積で11月〜6月の期間キャベツを栽培、出荷しています。

当出荷組合は大崎町が平成15年に冬キャベツの野菜指定産地に選ばれた後、この地域の法人や個人の生産者が集まって平成20年に「大崎町キャベツ出荷組合」を設立。現在では3法人、2個人の生産者で加工用キャベツをメインに出荷しています。

設立時に鹿児島県の農林水産物認証制度(K-GAP)を取得し、安心・安全な作物の生産を行っています。ほかにも、加工・業務用野菜生産基盤強化事業にも取り組み、圃場の整備や野菜の安定供給も図っています。

片平農産での出荷風景。品質管理の行き届いたキャベツが出荷されている。

メインの取引先である太陽ファーム様とは、品種の選定から年間の栽培面積などを打合せ、出荷が始まってからは毎週1回合同会議を開くなど密な連携をとっています。週刊単位の出荷量に対する組合メンバー内での収穫量の配分を決め、翌週と翌々週の出荷予定圃場の生育状況を確認し、取引先に情報提供をしたり、病気などの問題が出れば現地で検討したりするなど、組合全員で対策を出し合って安定出荷を心掛けています。

週1回行われる太陽ファームとの合同会議。組合員全員が課題解決のための意見を持ち寄る。
大崎町キャベツ出荷組合長の(有)片平農産片平正春会長(左)と取引先の太陽ファーム吉田専務。お二人とも高品質の4月どりキャベツとして「夢舞妓」を高く評価されている。

端境期の4月に新鮮なキャベツを出荷できる「夢舞妓」

「夢舞妓」の圃場(撮影2017年4月7日)。4月どりの高品質寒玉キャベツ。
左:他社品種、右:「夢舞妓」。同時期どりの他品種に比べて葉色が濃くみずみずしい。

大崎町キャベツ出荷組合の1法人である(有)片平農産では、これまで4月出荷のキャベツについては、3月末に収穫したものを冷蔵貯蔵することで対応してきました。片平農産の片平正春会長も、これまで加工用に向く4月どり寒玉キャベツを探してさまざまな品種や栽培方法を試してきましたが、この時期に栽培できるキャベツ品種を見出せずにいました。

ところが昨年、9月まきで「夢舞妓」を試験栽培したところ、4月どりで品質の高いものがとれ、一部5月のGW明けまで圃場に残したものも色が濃く品質の高いキャベツが収穫できたのです。
「4月どりはこの品種だ!」と皆が期待を向けました。太陽ファームの吉田専務とも「『夢舞妓』は芯の直径が小さく、意外とやわらかいので、カット出荷する際に歩どまりがよい。色も濃いのでサラダ用にも使いたい品種だ」と意見が合い、今シーズンは8haもの面積で経済試作することになりました。

冷蔵貯蔵することなく、5月上旬まで収穫、出荷できる「夢舞妓」は、よりよいキャベツを出荷したいと考える大崎町キャベツ出荷組合の期待にかなう品種だと思いました。

冷蔵貯蔵することなく端境期に出荷できる「夢舞妓」に期待をかける筆者。
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