開花、受粉、受精、結実の段階を経て、タネは完熟し発芽力を持つようになりますが、野菜の種類によっては、普通にタネまきしただけでは発芽しない現象が見られます。これは、タネが成熟するに伴って、自然に休眠するために起こる現象で、一次休眠(きゅうみん)といいます。
これとは別に、タネがある不利な条件におかれたとき、それに耐えるために休眠に入る現象が見られる場合があり、これを二次休眠と呼び、この休眠中も発芽が抑制されます。レタス、ゴボウ、ホウレンソウなど数種の野菜が、このような性質を持ち、目覚めるのを待ってタネまきするか、休眠打破処理をしてタネまきをします。
例えばホウレンソウの夏まき栽培をするとき、採種後の経過日数が少ないので、休眠が関与して発芽がスムーズに進みません。そのため、タネを一昼夜水に漬けてから水切りをし(第1図)、1〜2mm発根させてからまく「芽出しまき」を行い、発芽をそろえます。タネを一昼夜水に漬けることによって、種皮に含まれる休眠物質を水で流し去り、発芽を促すのですが、高温はホウレンソウの休眠を二次的に誘導するので、さらに冷蔵庫に入れて発芽を促し、発根させてからタネまきします。そこまでしてやっと順調に生育を続けるようになります。 |