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よい土がよい野菜を育てる

土づくりの第一歩は「深く耕すこと」

 植物は土の中に根を張り、養水分を吸収して生長します。野菜でも、ダイコンやゴボウなど根を利用するものはもちろんのこと、果菜類や葉菜類でも、根を土中に広く伸ばすようにしてやれば、地上部のよい生育を約束してくれます。

 したがって、深く耕すことは大切な作業です。深く耕すと土はやわらかくなりますが、これは土中に大きな透き間が増えるためです。耕さない土でも透き間はたくさんあるのですが、大きな透き間は潰(つぶ)れて、小さな透き間ばかりになってしまっています。このような土では、根は十分に働くことができません。

 空気を含む大きな透き間部分を「気相」、水を含む小さな透き間部分を「液相」と呼び、土の本体部分「固相」と併せて「土の三相」と呼んでいます。

 第1図のような三相の状態が野菜作りには理想的ですが、このような状態を維持するためには、堆肥(たいひ)など有機物を継続的に投入する必要があります。

【第1図】野菜作りに適した土の三相分布
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有機物の効果

(1) 土の団粒化を促し、土のやわらかさ(保水性・排水性)を持続させます。
(2) 土中の微生物の活動エネルギーとなって、有機物が分解され、チッソ・リン酸・カリなどの元素になって野菜に吸収されます。しかし、吸収されずに余った養分は、土中の微生物が吸収して一時的に貯蔵されます。
(3) 万が一肥料をやりすぎた時、肥あたりを和らげる働きをします。また、有機物から出る有機酸や腐植酸といったものが、野菜の生育を促してくれます。
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堆肥の作り方、施し方、畝の立て方

 ワラや落ち葉・枯れ草・生ゴミなどが堆肥の材料になります。まとめて大量につくる時は、ワラ・落ち葉などを十分湿らせて積み重ね、発酵させます。発酵菌の養分としてチッソが必要なので、石灰チッソや尿素、家畜糞などを混ぜておきます。生ゴミが主体になる時は、水分が多いのでコンポスターなどを利用し、乾いた落ち葉や土などを混ぜて発酵しやすいようにします。

 堆肥づくりができない場合は、市販のバーク堆肥・腐葉土・ピートモスなど、入手しやすい資材を利用します。

【第2図】コンポスターで上手に堆肥をつくろう
【第3図】有機物の施し方
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有機物施用とpH調整

 堆肥などの有機物は毎作施し、土全体によく混ぜておくのがポイントです。耕す前に1m2当たり2〜3kgの堆肥を畑全面にバラまき、スコップで30cm程度まで深く耕し、風化した上層部の土を下層部へ、下層部の土を上層部へと入れ替えて、空気に触れさせてやります。この時、苦土石灰(消石灰でもよい)を一緒に施して土のpH(ピーエッチ)調整をします。苦土石灰の施用量は1m2当たり100〜120gを目安としますが、土壌酸度を調べて調整してみるのも楽しいかもしれません。

 土の酸度はpH値で表し、pH4〜6は酸性土、pH8〜9をアルカリ土と呼びます。一般的に野菜を作る場合、pH6.0〜6.5程度が理想的な土であると考えられます。

【第1表】pH調整に必要な石灰量(g/m2)
【第4図】主な野菜の好適土壌酸度
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計画的な輪作で障害回避

 トマトやナス、キュウリやスイカ、エンドウなどを連続して同じ場所で作ると、生育が極端に悪くなったり、枯れてしまったりします。このような現象を「連作障害」と呼んでいます。

 この障害を起こす原因は、前作の野菜に寄生していた病害虫が土の中に残り、次に植えた同じ種類の野菜に害を加えるからです。また、前作の野菜の根から分泌される特殊な物質が土中に残り、それが次に植えた同じ種類の野菜に悪い影響を与える場合、つまり自家中毒(忌地(いやち))による場合も考えられます。ほかにも、土の中の肥料成分の均衡が崩れる場合など、種々の原因が単独に、あるいは複合的に作用して障害を引き起こすわけです。いずれにせよ、同じ種類の野菜を毎年同じ場所で作ることは避けたほうが好ましいと言えます。しかし、第2表のように、連作してもそれほど大きなトラブルを起こさない野菜もありますので、参考にしてください。

【第2表】連作障害の出にくい野菜と出やすい野菜
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10m2を想定した輪作体系と太陽熱利用の土壌消毒

 第5図に10m2の広さの菜園を想定して、できるだけ連作障害を起こさないような輪作を計画してみました。2m2の畝を5本立てて、可能な限り接ぎ木苗を利用することを前提とします。すると、最低でも1年に12種類の野菜作りができますし、同じ畝に2種類の野菜も作れますので、数多くの種類の野菜を作ることができます。1区の畝の作物の収穫が終わったら、次は5区の畝で同じ作物を育て、5区の畝が終わったら4区の畝へ、と毎年順番に畝を変えていけば、同じ野菜が同じ畝にくるのは6年目になります。管理作業の少ない冬に、楽しみながら次の菜園計画を立てておくことをお勧めします。

また輪作の合間には、太陽熱による土壌消毒なども適宜行いましょう。

【第5図】10m2を想定した輪作体系
【第6図】太陽熱利用の土壌消毒(適期は梅雨明け〜8月)
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土づくりの第一歩は「深く耕すこと」 有機物の効果 堆肥の作り方、施し方、畝の立て方有機物施用とpH調整 計画的な輪作で障害回避 10m2を想定した輪作体系と太陽熱利用の土壌消毒