和名ではヒメキンギョソウと呼ばれるリナリアは、秋まき一年草です。文字通りキンギョのような形をした可憐な花を咲かせ、早春の花壇を彩るのにふさわしい草花です。
近年になり、生育が早く秋から花が咲く極矮性種の‘グッピー’シリーズが発表されたことで、家庭の花壇用だけでなく、晩秋から早春にかけての営利用ポット苗や鉢物としても広く利用されるようになりました。この‘グッピー’シリーズに黄色目入りの新花色が4品種加わりました。従来品種と合わせた9品種で、より彩りのある花苗を出荷されてはいかがでしょうか。 |
40cm以上に伸びていた従来種と比べて、約20cmという極矮性種です。花期は、従来種では咲きにくかった秋にも確実に咲くように改良されています。凍らない程度の温度管理をすると、晩秋から早春まで、長期間の出荷に対応できます。また、花壇で秋に花を咲かせた株が冬越しして、翌春さらにボリュームのある株になり、花を咲かせ続けます。 |
2〜4月ごろに出荷する場合は、10〜11月にタネまきをします。また、10〜11月出荷であれば、8月〜9月上旬にタネまきをします。タネは細かいのですが、タネまきはそれほど難しくありません。288穴または406穴のプラグトレイに3〜5粒まきにします。好光性種子なので覆土はしませんが、するときはごく薄く行います。発芽の適温は15〜20℃程度で、7〜10日で発芽します。
播種後25〜30日でポットに植え替えます。苗物としては9cmポットで1セル苗植え、10.5〜12cmポットで2〜3セル苗植えを基本とします。また、15pポットで4〜5セル苗を植え、鉢物として作ることもできます。
春出荷の場合は、低温期間に生育するので株がしまり、ポット苗としてまとまりのよいものに仕上がります。秋出荷の場合は、高温期での生育のため、間延びした草姿になりがちなので、間引かずに複数本のままで植えるとよりボリュームが出ます。また本葉3〜4枚で摘芯し、わき芽を多く伸ばしてボリュームを出すこともできます。
高温多湿には弱いので、日中の温度をできるだけ下げるよう換気に努めます。また、株間を広げ、光を十分に当てて徒長を防ぎます。さらにコンパクトに仕上げたい場合は、幼苗期に矮化剤を散布します。また、肥料切れを起こすと、うどんこ病が発生しやすくなるので、肥培管理を十分に行って定期的に薬剤散布をします。
苗物・鉢物ともに、数本の枝が開花した状態で出荷します。間延びしてしまったり、出荷時期を遅らせたいときは、草丈の2分の1〜3分の1程度切りつめると、2〜3週間後にはまた花を咲かせることができます。 |
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