こどもピーマンの元となっているのは、メキシコで有名なハラペノ。
ハラペノトウガラシは、肉厚でジューシー、生でも熱を通しても非常に美味しい品種ですが、日本ではその強烈な辛さで有名です。この品種の美味しさを日本で紹介したいと思いましたが、この辛さでは受け入れられません。
そのような中、メキシコ向けトウガラシを育成して検定を重ねる途中で、偶然にも全く辛くない個体が見つかりました。この個体から日本に向く「こどもピーマン」の育成を開始しました。
育成者は「今の日本にはない独創的な品種を作りたい。その結果、ピーマンの消費を拡大し、豊かな食文化の一端を担っていければ、これほど幸せなことがない」という思いで品種の開発を行いました。
ちなみに「こどもピーマン」には、食べごろサインがあります。
成熟直前には糖度が高まり、果実の表面にヒビが発生します
- 全糖量が高く甘い
糖の中でも甘味度の高いフラクトースの割合が高く、従来品種よりも甘味があります。 - パプリカより酸っぱくない
クエン酸の含量が、パプリカの7分の1程度で、酸味が少ないピーマンです。 - 苦味が少ない
苦味に関与するポリフェノールの含量は、従来品種の約10分の1です。 - 辛くない
メキシコのトウガラシ‘ハラペノ’由来ですが、辛味成分のカプサイシンを全く含みません。 - 果肉が厚くジューシー
果肉の厚さが従来品種の2倍以上で、水分含量が多くジューシーな食感です。
一般的なピーマンに比べて、ビタミンCやカロテン含量が多く含まれています。
小学生を対象に実食調査を行った結果、81.5%の子供たちが生で食べてもおいしいと回答しており、一般的なピーマンとの相対評価でも79.6%の子供が「こどもピーマン」の方が好きと回答しました。また、調査対象の子供の母親からは「買いたい」という購入意向が90.7%に上り、「苦味がなく食べやすい」「子供が喜んで美味しいと言った」などの理由が挙げられました。