作型

育苗管理

トンネルや露地栽培の場合、十分な温度が確保できる定植時期にあわせた播種を心がけ、無理な早まきはしない。
播種〜定植の管理は、普通ピーマンと同様です。
普通ピーマンより、やや高温を好むので、育苗初期の温度管理に注意してください。
普通ピーマンより節間が伸びやすいので、鉢内に余分な水分が夜間まで残らないよう、潅水量に注意します。
互いに葉が触れ合うようになれば、早めに株間を広げてがっちりとした苗に仕上げます。

畑の準備

元肥は、10a当たりの成分量で、チッソ15〜20kg、リン酸20〜25kg、カリ15〜20kgが目安です。
有機物の施肥などで土質をよくし、しっかり耕耘すれば、深く根が張り、栽培後半も草勢が安定します。

定植

定植適期は、一番花の開花直前です。
普通ピーマンより細根が少なめのため、定植時の活着にやや時間がかかります。
健全苗を定植し、栽培初期の根張りを良くすることが、上作のポイントになります。




定植後の管理

生育適温
生育適温は、昼間 25〜30℃、夜間 15〜20℃です。
15℃以下で生育が鈍り、10℃以下になると生育が停止し、短形果や曲がり果が発生しやすくなります。
仕立て方
活着後、草勢が安定したら、第1次分枝までの側枝はすべて取り除き、第2次分枝の4本を主枝とします。
露地栽培では、その後は放任栽培にできますが、ふところの枝を整理して、光が奥まで入りやすくします。
最初にしっかり株をつくるため、2番花までは早めに摘果してください。

誘引方法

ハウス栽培の場合
普通ピーマンより節間が伸びやすいので、誘引が遅れないようにしてください。
4本仕立ての場合、主枝4本をひもを使い誘引します。ひもを支える針金は重さがかかるので、しっかりと支柱にくくりつけておきます。
トンネルまたは露地栽培の場合
誘引は水平にフラワーネットを張って枝が倒れないようにするか、畝の肩に支柱を立てて枝が倒れないよう、ひもで囲むようにします。
ネット数は生育にあわせて2〜3段とします。

草勢判断と追肥

追肥開始時期は、1番果の肥大期です。
1回の施肥量はチッソ成分で化成肥料の場合 3kg/10a(液肥なら 1〜1.5kg)です。
追肥の間隔は、10〜14日が基本ですが、右図を参考に、草勢強の場合は間隔を長く、弱い場合は間隔を短くします。
普通のピーマンより果実の着果負担が大きいので、潅水・追肥・収穫の遅れで草勢が低下すると、回復に時間がかかりますので、早めの対応が必要です。
高温乾燥期は潅水チューブや畝間潅水などで十分に潅水を行ってください。

その他注意事項

出荷計画
普通ピーマンに比べて、収穫開始までの期間が長いので、後半重視の栽培・出荷計画にしてください。
病害防除
青枯病、疫病などの土壌病害対策のため、圃場排水を図り、畝は高めにします。
  ※接ぎ木できる台木は現状ないので自根栽培になります。
上記の土壌病害には十分注意してください。
生理障害対策
暑すぎると生育が低下するだけでなく、花粉稔性が低下し、短形果や曲がり果の発生原因となります。
ハウス栽培の場合は、十分な換気と遮光などの対策を行ってください。
直射日光が果実に当たると、黒あざ果が発生しやすくなります。草勢を保って葉を茂らせ、果実の日かげ作りに努めてください。黒あざは食味には影響ありません。