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良質なニンジンとは…
・鮮紅色で色が濃い…カロテン含量が高い(カロテンは体内に摂取されるとビタミンAとなる)。
・尻詰まりがよく、クサビ形、胴細とならない。
・首が細い…芯が細く、肉部が多い。肉重率85%。
・日焼け、青首が出ないもの…吸い込み型。
・皮目(ヒモク)が細かく滑らかで凹凸がない。皮目が縦に並ぶ。
・肌が滑らかでツヤがある。
・根形がそろい、クズが少ない。
・芯が紅色。
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ニンジンの着色をよくするには?
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ニンジンの色の主成分はカロテンで、この色素の生成温度は生育適温よりやや低く16〜20℃です。そのため低温では着色が悪くなり、12℃以下の低温になると着色が著しく阻害されます。7℃以下で生育するとその後温度が上昇して、根が肥大しても着色はよくなりません。また25℃以上になるとカロテンの生成が阻害されるため色ぼけとなります。
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土壌水分は多湿より乾燥気味のほうがカロテン含量は多くなります。根の肥大も悪くなく、カロテン含量もやや多い70%内外の土壌水分が最適です。
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チッソやカリの不足は一般に生育不良となり、リン酸の過剰な施肥は色を淡くする傾向があります。
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ニンジンのトウ立ち(抽苔)はなぜ起きるか?
…緑植物感応型(グリーンプラントバーナリゼーション)
ニンジンはある程度の大きさに達した株が10℃以下の低温にあうことによって花芽を分化し(茎の先端にある成長点が発育して、将来花芽となる新しい組織を作ること)、その後の高温長日で抽苔します。
低温感応性は品種によって異なり、一般的に東洋系は敏感で欧州系は鈍感です。東洋系の金時は最も抽苔しやすく、西洋ニンジンのうちでも、暖地に順化した「黒田五寸」などは比較的抽苔しやすい品種です。
植物体の大きさ(第1要因)+ 低温(第2要因)+ 抽苔適温(第3要因)+ 長日(第4要因)
(1)第1要因……早期抽苔株の花芽分化ステージ
展開葉数(枚)
根重(g)
総葉数(枚)
金時
3〜4
3
12〜13
黒田五寸
4〜9
7
16〜20
チャンテネー
11
15
19〜22
中村鮮紅五寸
13
41
21〜25
(2)第2要因……10℃以下の低温
(3)第3、第4要因……長日で、10〜25℃で抽苔促進
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ニンジンの作型と品種
作 型
栽 培 法
適 品 種
夏どり栽培
北海道、東北冷涼地の栽培で4〜6月に播種し、8〜9月に収穫します。品種としては晩抽性で耐暑・耐病性が大切です。
向陽二号、夏蒔鮮紅五寸、Dr.カロテン5
秋冬どり栽培
7〜8月に播種し、10月から翌年3月ごろまで収穫します。播種から生育初期は高温乾燥期に当たりますが、比較的作りやすい安定した作型です。品種は耐暑・耐病性で形状・色・肥大性にすぐれた多収のものや、耐寒性があり在圃性のあるものが使われます。
京くれない、向陽二号、夏蒔鮮紅五寸、Dr.カロテン5、陽明五寸、陽州五寸、グランプリ、恋ごころ
春どり栽培
11月中下旬から1〜2月に播種するトンネル栽培。
晩抽で低温肥大性と低温着色性にすぐれ、しみ症などの根部病害に強いと安心です。
向陽二号、いなり五寸