ニンジンの圃場の準備
(1) 排水良好で耕土の深い圃場を選ぶことが大切です。
(2) 計画的な作付け(2〜3年に1回イネ科、緑肥などの作付け)を行い連作を避けます。
(3) 畝立てにより排水を図り、有効土層を深くすることが良品生産につながるため、畑作りに努めます。
適性酸度(pH6.0〜6.6)を保つ。
リン酸肥料は土壌中のトルオーグリン酸(有効態)20〜70mg/100gくらいが適当です。
有機質(完熟堆肥)を2t以上施用。(前作もしくは、播種の1〜2カ月前に施用する)
有効土層30cmを確保するために、必要に応じて深耕(プラウ耕・サブソイラー)する。
土壌消毒、緑肥栽培。
ニンジンの栽培にはどれくらい肥料が必要か?
施肥量の決め方はニンジン1tの生産で吸収される養分の量で、N;3.6〜4kg、P2O5;0.6〜1.6kg、K2O;4.8〜7.4kg、CaO;1.2〜2kg、Mg;0.3〜0.8kgといわれ、この量を供給できる施肥量が必要となりますが、作型、品種、地域、土質、前作などによって異なってきます。
一応の目安としては10a当たり成分でN;10〜12kg、P2O5;15kg、K2O;10kg程度です。元肥6割、追肥4割くらいとし、追肥は間引き直後1〜2回施します。なお前作がネギ、ハクサイ、バレイショなどでは残肥が多く、元肥だけを施す少肥栽培とします。落花生の後は元肥は普通に施し、様子を見て追肥をします。
ニンジンの播種…畝幅と株間
確実に発芽すれば7分作です。
一般に畝幅60〜90cmに畝立てし、2〜4条まき、条間20cm、株間8〜12cmに播種します。
播種量は10a当たりコーティング種子で6〜12万粒程度とします。
土壌が乾燥すると発芽が悪くなります。軽しょう土では播種後に十分鎮圧をします。
早まきは避け、年内どりは7月下旬〜8月上旬ごろ、冬どりは8月上中旬ごろ、春のトンネル栽培は1月に入ってから播種します。
ニンジンの間引き
生育の旺盛すぎる株と草勢の弱い株を間引き、中位にそろえます。等間隔(年内どり8cm前後、冬どり6〜8cm)。
・第1回間引き…本葉2〜3枚ごろ(播種後25〜30日ごろ)
・第2回間引き…本葉5〜6枚ごろ(播種後45〜50日ごろ)
ニンジンの追肥と土寄せ
第2回目の間引き後に速効性肥料を施肥量全体の1/4程度追肥として施し、軽く中耕して土寄せをします。
越冬させる作型では凍霜害を防ぐために12月中旬までにもう一度土寄せ、培土を行います。(「向陽二号」なら吸い込みタイプのため1回の土寄せで十分越冬可能)