ニンジンの根部異常症…生理障害
異 状 症 原    因 対    策
裂根 木部の肥大に篩部の肥大が追いつかぬために生じます。根の初期生育が不良で組織が老化した場合、収穫前の肥大が急激になされる環境下で発生します。 保水と排水のよい圃場を選び、有機質を多く施し、土壌の物理性を改善します。追肥は早めに行い、生育後半の急激な肥効は避けます。
岐根 ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウが主根を侵したり、主根の直下に多量の未熟有機質や化学肥料が残っていると発生します。ガス害や砕土の不充分も原因となります。 殺線虫植物を輪作します。
整地方法(堆肥などの有機質の施用は、播種の1〜2カ月前に行い、よく分解しておく)。
青首 抽根 土作り、適期播種、順調な初期生育を心がけ土寄せを行います。
白斑症 篩部組織に多数の空隙が固まって発生し、表面から白斑状に見える症状です。 地温が低いと根の肥大にカロテンの生成が追いつかないためで、春どりのトンネル栽培で発生しやすくなります。播種期の検討が必要です。
ミミズバレ症 周皮組織の内側に帯状に白くなった部分ができ、表面が盛り上がりミミズバレ状になる。根の肥大に地上部での物質生産が追いつかないために起きると思われます。 夏の早まきで発生が多く、播種期の検討が必要です。