キュウリの家系図(出身地)
 ヒマラヤ山麓からネパール辺りにかけて分布した野生種が、長い年月で栽培品種に進化したものと推定されます。西部アジアでは3000年以上前から栽培されていたと考えられていますが、ヨーロッパへの伝播は紀元前数世紀のことです。中国はアジアにおけるキュウリの改良の中心地で「胡瓜」と書き、シルクロードを経て紀元前120年ごろに入っています。
キュウリが日本に上陸したのは?
 10世紀以前に中国から入りました。
わが国のキュウリの栽培面積と収穫量
平成22年(2010年) 農林水産省統計
  栽培面積 (ha) 収穫量 (t)   栽培面積 (ha) 収穫量 (t)
全国 12,100 587,800 新潟県 529 14,000
群馬県 969 58,600 千葉県 516 32,600
福島県 887 49,400 宮城県 483 15,800
宮崎県 758 59,900 山形県 433 15,300
埼玉県 715 48,100 長野県 425 16,200
茨城県 576 29,600 熊本県 314 12,800
世界のキュウリの収穫面積と生産量
2010年 FAO統計(Area harvested, Production)
  収穫面積 (ha) 生産量 (t)   収穫面積 (ha) 生産量 (t)
世界 1,903,926 57,559,836 アメリカ 53,460 883,360
中国 988,545 40,709,556 インドネシア 53,400 547,141
カメルーン 157,000 145,800 ウクライナ 51,700 860,100
イラン 75,119 1,811,630 イラク 39,100 432,500
ロシア 66,300 1,161,870 エジプト 28,238 631,408
トルコ 59,000 1,739,190 インド 23,900 151,700
キュウリの分類
英国温室型 植物体は大型、果実も長大。トゲは小さく果面は鮮緑平滑、果肉厚く、肉質やわらかく一般にスライス用です。温度適応性は春キュウリに似ています。単為結果性もあるので施設栽培に適します。
スライス型 ヨーロッパやアメリカなどで一般に栽培されてきましたが、露地用品種群で地這い作りに適します。果実は短いものが多く、果面シワ少なく主にスライス用です。  
ピクルス型 葉は小型で節間長く、分枝性強い早生種。果実短小で肉質は緻密です。
華南型 茎太く、葉も大型、根群密で移植に強いタイプです。高温高湿期での栽培が可能で、わが国の栽培暦は古いものです。
華北型 茎が細く、節間や葉柄長く、繊細な感じ。低温に弱いが、高温・長日でも比較的安定して雌花を着生します。わが国では夏栽培に多く取り入れられました。
わが国のキュウリの品種分類
(藤枝)
タイプ 代表品種
華南型 半白 早生節成り、相模半白、高井戸、淀節成り、白疵
青節成 青節成、針ヶ谷、落合、日向2号
青長 青長、青台
地這い 土田、霜知らず
春型雑種   毛馬、刈羽、金沢、聖護院、泉春、彼岸節句
夏型雑種   台湾毛馬、芯止、平和、夏節成り
華北   四葉、山東、北京、支那三尺
ピクルス   酒田