ダイコンの学名
Raphanus sativus L.
容易に生え育つ、栽培されているの意。
ダイコンの家系図(出身地)
ダイコンの原産地ははっきりしませんが、中央アジアを中心に中国からコーカサス、インド辺りの地域が中心地だと思われます。ダイコンの栽培・利用の歴史は野菜の中でも古いものの一つになっており、エジプトや古代ギリシャでの栽培が知られています。
ダイコンが日本に上陸したのは?
中国には2400年前、日本には1250年以前に導入されたようです。日本のダイコンは南支系ダイコンの影響を大きく受け、北支系ダイコンの影響も若干受けています。世界的にも珍しい大型のタイプで、江戸時代には、主要な品種群が成立したものと思われます。
わが国のダイコンの栽培面積と収穫量
平成22年(2010年) 農林水産省統計
  栽培面積 (ha) 収穫量 (t)   栽培面積 (ha) 収穫量 (t)
全国 35,700 1,496,000 新潟県 1,590 50,000
北海道 3,900 162,000 茨城県 1,370 65,000
青森県 3,180 125,900 神奈川県 1,180 95,400
千葉県 3,110 163,500 岩手県 993 28,300
宮崎県 2,100 104,800 群馬県 976 35,400
鹿児島県 2,020 96,700 熊本県 938 29,900
わが国のダイコン分類
品種群 特  性
四十日群 夏ダイコン。根は細長くて抽出し、肉質はやわらかい。抽苔早い。現在カイワレや葉ダイコン用として使用されています。
亀戸群 小型春ダイコン。葉はやや短く、幅広で裂片が少ない。根は肩が張り、尻細、根長25cm程度。肉質緻密で食味のよいグループです。
みの早生群 耐暑・耐病性強く、50〜60日で成熟。「夏みの早生三号」「四月早生」などのF1種があります。
練馬群 関東で発達した最大の品種群です。「秋づまり」「大蔵」「三浦」「理想」「練馬尻細」「練馬尻丸」などがあります。
方領群 愛知県産。根は首部が張り、長円錐形で湾曲します。肉質はやわらかく煮食に適します。
守口 根長細長く1mを超え、直径は3cm程度。肉質はかたく粕漬けや切干しに使われます。
白上り群 近畿地方で成立しました。「白上り京」「天満」「桃山」「田辺」。
宮重群 愛知県産。葉にテリが強く、根は青首で抽出します。「耐病総太り」(昭和49年)「耐病宮重」(昭和53年)。
阿波晩生群 宮重群と練馬群との交雑から白首の抽根性品種が成立しました。「阿波中生」「御薗」「小田部」「八州」。
聖護院群 京都府産。煮食に適した丸形の良質ダイコン。改良種では「早太り聖護院」「冬どり聖護院」が代表品種。
東北地大根 秋田中心。たくあん用。砲弾形で赤筋が入ります。肉質はかたくしまります。
信州地大根 長野中心に北陸に分布。根身は尻の詰まった円筒形から扁球形まで見られます。肉質緻密ででんぷん質のものが多く貯蔵性に富みます。
南九州地大根 鹿児島中心。晩生大型の地ダイコンです。
春福群 抽苔の遅い春ダイコン。長円錐形の小型ダイコンで白首で煮食に適します。
二年子群 種子小さく、花成の低温要求度が極端に大きく、抽苔に長日条件を必要とします。ヒゲ根が発達しやすく、肉質のかたい種類です。「二年子」「時無」「夏」「春若」
北支大根群 「衛青」(ウェイチヌ)天津原産で緑皮緑肉短円筒形。でんぷん質で貯蔵性があります。
「心里美」(シンリメイ)北京原産。短円筒形で600〜700g柔組織が放射状に紅紫色をしています。
華北小大根群 「アルタリ大根」肉質緻密。晩抽性で春まき。