● エンドウの家系図（出身地） 一次原産地は中東のメソポタミア辺りとされ、紀元前7000年ごろにはすでに栽培が始まっていたことが確認されています。これらの地域から東西へ伝播し、中国西域と地中海沿岸地域が二次原産地となり、さらに中国、日本方面とヨーロッパ北部方面へと伝播していきました。 ヨーロッパでは紀元前3000年ごろの栽培のこん跡が見つかっており、非常に古い栽培作物の一つです。 近代的品種の成立は16世紀ごろで、さまざまなタイプの品種が栽培されていたようです。 アジアへはインドを経由して、中国へ３世紀ごろ伝播し、その後日本へと伝播しました。 ● エンドウが日本に上陸したのは？ わが国に渡来した時期は明らかではありません。11世紀ごろに「のらまめ」という名で、初めて記載がなされています。 明治以降、欧米より多数導入された品種のうちのいくつかが定着し、わが国の品種の主体となりました。また、太平洋戦争後にも多数の品種が導入され、わが国の気候条件に適応した品種の育成に利用されています。 ● エンドウの種類 エンドウは利用方法の違いや、莢の形状によって、次のように分類されます。 利用法 莢の形状 代表品種 莢エンドウ品種 大莢種 絹莢種 スナップ種 仏国大莢、オランダ、ニムラ大莢オランダ 成駒三十日、美笹、ニムラ赤花きぬさや２号 グルメ、スナック、ホルンスナック 実エンドウ品種 糖質型 中間型 でんぷん質型 南海緑、久留米豊、 ウスイ、白竜 滋賀改良白花１号 ● わが国のエンドウの栽培面積と収穫量 平成22年（2010年）　さやえんどう　農林水産省統計   栽培面積（ha） 収穫量（ｔ）   栽培面積（ha） 収穫量（ｔ） 全国 4,130 26,200 北海道 122 770 鹿児島県 463 4,500 岩手県 119 368 福島県 355 1,480 兵庫県 114 529 和歌山県 332 3,650 岡山県 112 426 愛知県 156 1,590 徳島県 112 641 千葉県 153 734 静岡県 105 736 ● 世界のエンドウの収穫面積と生産量 2010年　ＦＡＯ統計（Area harvested, Production）（String beans：さやえんどう）   収穫面積（ha） 生産量（ｔ）   収穫面積（ha） 生産量（ｔ） 世界 227,128 261,578,498 ペルー 9,000 27,300 アメリカ 114,520 926,600 トルコ 8,200 60,051 フランス 28,141 318,200 モロッコ 8,000 160,000 フィリピン 14,670 118,454 ポーランド 7,725 64,614 イラク 11,400 41,300 日本 7,000 48,300 メキシコ 9,700 101,900 アルゼンチン 6,100 46,200 2010年　ＦＡＯ統計（Area harvested, Production）（Peas, dry：乾燥えんどう）   収穫面積（ha） 生産量（ｔ）   収穫面積（ha） 生産量（ｔ） 世界 6,313,839 10,208,812 ウクライナ 278,500 452,400 カナダ 1,322,100 2,862,400 オーストラリア 277,000 280,000 中国 882,000 990,500 フランス 249,965 1,098,120 ロシア 820,100 1,217,840 エチオピア 226,533 231,600 インド 650,000 700,000 スペイン 201,700 194,200 アメリカ 305,950 645,050 パキスタン 82,800 54,000 2010年　ＦＡＯ統計（Area harvested, Production）（Peas, green：グリーンピース）   収穫面積（ha） 生産量（ｔ）   収穫面積（ha） 生産量（ｔ） 世界 2,030,898 15,075,678 エジプト 29,500 300,000 中国 1,121,636 8,982,082 コロンビア 28,000 38,000 インド 365,000 3,029,000 アルジェリア 27,000 96,600 アメリカ 70,980 325,430 フランス 23,740 406,100 イギリス 35,837 325,430 モロッコ 17,547 140,319 ペルー 30,255 102,279 ボリビア 16,000 25,000