ハクサイの最初のF1
昭和25年(1950年)長岡交配「一号」白菜、自家不和合性を利用したF1種(一代雑種)をタキイ種苗が発表しました。
ハクサイの種子
種子粒数は裸種子で20ml当たり3,500〜5,000粒前後、10a当たりの播種量が直まきで1.4万〜2万粒になります。
ハクサイの住みやすい環境
冷涼な気候が適します。
発芽適温
20〜25℃。発芽は4〜35℃で可能、播種後3〜5日で発芽します。
生育適温
20℃前後。比較的冷涼な気候がよいでしょう。
結球適温
15〜16℃。4℃以下では生育・結球は停止し、23℃以上になると病害の発生が多くなります。
ハクサイを良作するには根を作れ!
ハクサイの根は細くて弱いが、非常に多く、広く、深く張り広がります。耕土が深く条件に恵まれると1立坪にもおよぶといわれています。最適土壌は耕土が深く、団粒構造で肥よくな排水良好土壌が望まれます。
ハクサイはどのようにして結球するか?
播種後45日までは葉の分化が遅く、1日当たり1〜1.5枚の分化速度。これを過ぎると急激に分化が進み、播種後70〜80日で最高に達します。
結球が始まると株の中心の若い葉は立ち上がり内側に屈曲した姿勢となります。この芯葉の立ち上がりの見られる時期は播種後30日ごろで分化葉数は30枚以上確認できます。
結球体制に入るのは葉の分化が急激に進む播種後45日ごろで、結球態勢をとるころになると葉長/葉幅がほとんど1.2〜1.5になり、葉身が広く、葉柄の短い大きい丸い葉が現れます。この屈曲した若い葉を囲んでいる外葉を取り去って、葉球に強い光線を当てると抱き合っていた葉は次第に展開して、葉球がほぐれます。反対に結球の始まらない株を若干遮光して光線を弱くすると、葉は立ち上がり結球始めの姿勢になります。この屈曲包合は生長ホルモンの働きによりますが、この光に対する反応は成熟葉が最も光を感じやすく、未熟葉や老化葉では鈍感で、光が弱くなっても立ち上がりません。
葉の先端ほど、葉の裏面が表面よりも光に感応しやすくなります。日照が弱かったり、高夜温だと葉が細くなります。
ハクサイの葉数型と葉重型
葉数の多いことが、玉の肥大充実に役立つ場合、葉数型の品種という…芝罘(チーフ)系品種
葉数よりむしろ個々の葉の大きい性質による場合、葉重型品種という…包頭連系品種
ハクサイの包合型と包被型
結球葉が互いに重なり合っているものを包被型といい、包頭連系の品種が多く、この型の結球は最外葉がまず結球の態勢に入って、中から結球が充実してきます。
結球葉が互いに重なり合わず、頭の部分でかち合う程度の結球のものを包合型といい、芝罘系の品種が多く、結球の外葉も内葉も一緒に発育しながら結球を充実させます。
中間型は二者を混在するもの、または結球の最外葉は包合で内葉は包被型を示します。
ハクサイのトウ立ち(抽苔)はなぜ起きるか?
……種子春化型(シードプラントバーナリゼーション)
種子のころから低温に感応して花芽を分化する種子感応型。低温の範囲は3〜13℃で、低温の程度が強いほど花芽分化期は早まります。また生育が進むほど低温に対して敏感に感応します。
花芽分化すると新葉の分化が停止し、それ以上葉数が増えないので、充実した玉を形成できません。したがって生育の極初期から低温にあわせない栽培が要求されます。
花芽分化後に抽苔が起きますが高温と長日条件で促進されます。