メロンの特性
 メロンは果菜類の中でも根の酸素要求度が高い作物で、床土や畑土は通気性と排水性がよいものでなければなりません。また、特にネットメロンでは、着果後からネット入り前後の温度と水管理が非常に大切です。
  収穫は同じ果菜類のナス科作物やキュウリと異なり、同一時期、短期間の収穫になるため、一発勝負の感が強くなります。

メロンの住みやすい環境
発芽適温
 
15~42℃の範囲で発芽はしますが、発芽適温は25~30℃で一斉発芽を心掛けます。
生育適温
 メロンの根は浅根性で、数本の太根から多数の細根が深さ10~15cmのところに張ります。適地温は20~25℃で、根毛発生の最低温度は14℃、最高は40℃です。地上部の日中の適温は25~28℃、夜間18~20℃です。

メロンの生育と肥料の関係
 メロンの栽培は比較的短期で、収穫前の糖度上昇期はほとんど肥料吸収しなくてよく、この時期に養水分の吸収が活発だと糖度不足や裂果の原因となります。逆に、肥料不足になれば生産力の低下、生育後半の草勢の衰えによる品質低下を招くことになるため、施肥量だけでなく、肥料の種類も重要です。
  肥料の吸収は、チッソ、カリはネットの出始めに最高となり、ネット終わりごろから急に少なくなります。リン酸、石灰はネット終わりに最高となり、生育期間吸収され、これが品質に影響します。品質を高めるには、石灰、リン酸の吸収をよくすることが大切です。石灰は、チッソ、カリ、苦土が増加すると吸収が抑制されるため、酸性土壌やチッソの多用は吸収を悪くします。
メロンの花芽分化
 メロンの雌花は側枝の第1節に、雄花は主枝に着生します。雌花の花芽分化時期は、最上の展開葉の6~7節上、すなわち第5葉の展開時には、11~12節の側枝の第1節の雌花分化が始まっていることになります。よって、定植時の植え傷みなどにより、雌花の着生が不安定になったり、雌花の大きさが小さくなったりすることがあります。
メロンの着果節位による果実への影響
 メロンの着果節位は、タイプや品種により多少の違いはありますが、11~15節を基本とします。低節位着果は、株が十分できていない時期の着果になりますので、小玉で偏平果になりやすくなり、高節位着果は大玉にはなりますが、長玉で糖度が低くなる傾向があります。
メロンのネットはなぜできるのか?
 果実が肥大する過程で表皮部分の生育が止まり、果肉のみが肥大する時期(硬化期)があります。このときに表皮にヒビが生じ、このヒビ割れをふさぐためにできたのがネットです。交配後、18日目ごろからネットが縦に入り始め、次に横ネットが入り、10日ほどで全体に回ります。
メロンの効能
 メロンにはカリウムが多く含まれています。この成分は体から排出されるとき、ナトリウムを道連れにする性質をもっているため、体内の塩分調整に効果があり、高血圧や動脈硬化、心臓病によいとされています。また、アミノ酸も豊富に含まれていて、体内で尿をつくる効果があり、利尿効果があるため、二日酔いや急性腎臓炎にもよいとされています。