メロンの育苗
(1)育苗中の温度管理
苗齢 夜間地温 備考
播種 28〜30℃ 地温を確保し、一斉発芽を心掛ける。
移植前 22〜25℃ 発芽後は徐々に温度を下げて徒長を防ぐ。
移植床 22〜25℃ 移植床のポットは、移植前に25℃以上に温めておき、植え傷みを防ぐ。
活着後は徐々に温度を下げる。
本葉2枚まで 20〜22℃ 本葉どうしが重ならないうちに苗のずらしを行う。
定植1週間前まで 18〜20℃  
定植前 16〜18℃ 本圃の条件にあうように苗の慣らしを行う。
 ※気温は、昼間の最高が28℃、夜間の最低気温は、地温より5度前後低い程度に管理します。

(2)徒長を防ぐ管理
 潅水は鉢の水分が夜までに残らないよう、晴天日の午前中に行います。また、本葉が重ならないうちに必ず「苗のずらし」を行い徒長を防ぎます。

(3)定植苗のステージ
 春作の場合3.5〜4寸ポットを使用し、育苗日数30〜35日で本葉3〜3.5枚の苗に仕上げます。
 秋作では高温期の育苗になるため、特に徒長に注意して、育苗日数15日で本葉2枚の苗にします。
メロンの本圃の準備
(1)定植時の地温
 定植後まもなく着果節位の雌花が分化してくるため、活着を順調に進めることが大切で、定植時の地温を18℃以上(最低でも16℃)確保できるように、畝立ては遅くとも定植の2週間前には済ませ、ハウス・トンネルを密閉にして地温確保に努めます。

(2)施肥量
 10a当たりチッソ10〜12kg、リン酸15〜18kg、カリ12〜15kg、完熟堆肥2〜3tを基本に圃場の肥よく度や前作の残肥に注意して施肥量を決定します。

(3)栽植密度
 地這い栽培で、子づる2本仕立て(片方誘引)の場合、畝幅250cmで株間50〜70cm、10a当たり600〜800株。
  アールス種のように立体栽培で親づる1本仕立ての場合は、畝幅120cm、株間40〜45cm、10a当たり1,800〜2,100株とします。
メロンの定植後の管理
(1)仕立て方
 メロンの仕立て方には「地這い栽培」と「立体栽培」の2種類があります。地這い栽培では子づる2本仕立ての4果どり、立体栽培では親づる1本仕立ての1果どりが基本です。
  着果節位(11〜15節)までの側枝は早めに除去して雌花の充実を図ります。また、交配2〜3日前に先端摘芯(地這い栽培は24〜25節、立体栽培は20〜22節)を行い、このとき、着果節位以降の側枝についても、交配までに整枝できるものは済ませます。特に肥大期以降の極端な整枝は、根の活力を弱め、株の老化を早めます。地這い栽培の場合、先端に3〜5本の「遊びづる」を残して、根の活性を保つとともに、草勢の判断のポイントにします。「アリス」などネットなし型のメロンの場合、草勢が弱いため着果節位以降の側枝は元からとらず、1葉残して摘芯するとよいでしょう。

(2)温度管理の目安
 地這い栽培の場合
生育ステージ 昼間 夜間
つる伸長期 28〜30℃ 12℃
開花、着果期 28〜30℃ 15℃以上
初期肥大期 30℃ 16〜18℃
生育後期 25〜28℃ 14℃

(3)潅水管理
 定植後交配までは、潅水を控えめにして根を十分張らせ、雌花の充実を図ります。交配期前後は潅水を控えて乾かし気味に管理し、着果確認後潅水を開始して初期肥大を促進します。ただし、ネット発生期に水分が残らないように注意します。ネット発生期は大割れネットの発生を防ぐため、潅水は控えめにします。横ネットが出始めたころより、肥大を促進するため、果実の緩みを確認して潅水を開始し、ムラのない潅水を心掛けます。開花後30〜35日くらいでほぼ肥大が完了したころより、潅水を徐々に減らし、収穫1週間前からは水切りを行って糖度の上昇を図ります。

(4)着果
 ミツバチ交配を基本にします。低温のためミツバチの飛来が鈍い場合などは、「トマトトーン」によるホルモン処理をする場合もありますが、ネット、品質が悪化する傾向にあるため極力避けます。
メロンの収穫適期
 着果枝の葉枯れ状況、ヘタ部へのネット上がり、花落ち部のヒビの状態などを参考に総合的に判断し、必ず試し割りを行って、糖度の上昇を確認したうえで収穫を行います。「アリス」などネットなし型のメロンの場合は、果皮の色上がりも参考になります。