ピーマンとは?
 ピーマンは英語でSWEET PEPPERと呼ばれるようにトウガラシの一種で、辛みのない種類に対してつけられた名前と理解するのが一般的です。
ピーマンの家系図(出身地)
 ピーマンを含めたトウガラシ類の原産地は、中央アメリカから南アメリカの熱帯地方といわれています。このトウガラシをコロンブスが1493年にスペインに持ち帰り、ヨーロッパに広まりました。その後、ポルトガル人やイギリス人によってインドに伝わり、17世紀に中国、朝鮮半島へ伝わりました。
ピーマンが日本に上陸したのは?
 トウガラシの日本への渡来については、いくつかの説がありますが、16世紀から17世紀にかけて、ポルトガルや中国、朝鮮から何回かにわたって持ち込まれたと考えられます。今食べられているピーマンの渡来は遅く、本格的に栽培されたのは明治以降です。
わが国のピーマンの栽培面積と収穫量
平成22年(2010年) 農林水産省統計
  栽培面積(ha) 収穫量(t)   栽培面積(ha) 収穫量(t)
全国 3,430 137,300 福島県 110 3,550
茨城県 549 33,700 熊本県 110 3,270
宮崎県 313 25,900 北海道 105 5,390
岩手県 188 7,190 長野県 102 2,230
高知県 177 11,900 兵庫県 102 2,240
鹿児島県 148 10,400 大分県 96 4,070
世界のピーマンの収穫面積と生産量
2010年 FAO統計(Area harvested, Production)(Chillies and peppers, green)
  収穫面積(ha) 生産量(t)   収穫面積(ha) 生産量(t)
世界 1,859,597 27,552,507 ガーナ 73,500 294,100
中国 656,030 13,189,303 ナイジェリア 60,000 500,000
インドネシア 237,520 1,332,360 韓国 49,976 310,462
メキシコ 143,979 2,335,560 エジプト 38,390 655,841
トルコ 99,000 1,986,700 アメリカ 30,440 918,120
エチオピア 97,712 237,700 北朝鮮 22,500 47,400
ピーマンの分類
 ピーマンとトウガラシの違いを問われたら、一般的に辛みの有無で判別し、辛みのないものがピーマンとされますが、学問的にはピーマンはカプシカム・アニューム、トウガラシはカプシカム・アニューム、ほかカプシカム・フルテッセンス(その他の種もあるが)などの学名のものが含まれます。
 果形については、大小、長短、各種見られますが、ピーマンは栽培上、下表に示すような品種群に分けられます。わが国では「ししとうがらし」に代表される小型種が古くから栽培されていましたが、「カリフォルニア・ワンダー」の導入により、F1品種の育成が盛んに行われるようになりました。1960年代からは、小型獅子種由来の親と中国種由来の親とのF1品種(中型ピーマン)が主流になっています。

 近年多く見られるようになった赤や黄、橙色などのピーマンはカラーピーマンと呼ばれています。その中で肉厚のベル形ピーマンは、パプリカと呼ばれていますが、それはハンガリー語のトウガラシが転用された呼び名です。

品種群 果実の大きさ 果形 代表品種
伏見甘群   細長形 伏見甘長
在来獅子群 大果 丸形 大獅子、在来獅子
小果 長形 在来小獅子、田中
ベル群 大果 丸形 カリフォルニア・ワンダー
長形 ルビーキング
中果 丸形 ヨロワンダー、メリマック・ワンダー、チャイニーズ・ジャイアント
長形 ラージ・アーリー・ネオポリタン
小果 丸形 アーリー・カル・ワンダー
長形 ハンガリアン・パプリカ