ピーマンの病害
病害 特徴 発生要因 対策
PMMoV
(トウガラシマイルドモットルウイルス)
成長点付近の葉のモザイク症状、果実のモザイク症状。 圃場伝染、接触伝染、種子伝染。 栽培後の植物残さの片づけ、土壌消毒、ハサミの消毒、発病株の抜き取り、消毒済の種子を使う、耐病性品種の使用。
CMV(キュウリモザイクウイルス) 成長点付近の葉のモザイク症状、新葉の葉脈透化、株の萎縮、葉の小型・肉厚化。 アブラムシによる伝染、接触伝染。 アブラムシの防除、シルバーマルチ、ハサミの消毒、発病株の抜き取り。
TSWV(トマト黄化えそウイルス) 成長点付近の葉の黄化、成長点・茎のえそ。 アザミウマ類による伝染、接触伝染。 アザミウマ類の防除、ハサミの消毒、発病株の抜き取り。
疫病 茎葉では暗褐色、果実では暗緑色の病斑、地際部が侵されると暗褐色となり、萎凋枯死する。 水分の多いところに発生しやすい。土壌伝染、水媒伝染。 連作を避ける、圃場の排水の改善、マルチなどで泥のはねあがりを防ぐ。耐病性台木の利用。
青枯病 初期は、成長点付近の葉が水分を失ったように萎凋し、数日間しおれと回復を繰り返すが、次第に株全体がしおれ青枯状態で枯死する。 温度の高い時期に発生しやすく、地温20℃以上になると病状の進展が早い。土壌伝染。 連作を避ける、土壌消毒、堆肥などの有機質を豊富に施す。耐病性台木の利用。
斑点細菌病 葉・葉柄・果実など地上部のあらゆる部分を侵す。
葉では緑褐色の隆起した斑点を生じ、拡大して落葉する。
排水不良、雨(泥)のはね返り、種子伝染、水媒伝染。 圃場の排水の改善、マルチなどで泥のはねあがりを防ぐ。無病種子を使う。
   
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ピーマンの害虫
害虫 特徴 対策
ミカンキイロアザミウマ 雌成虫の体長は、1.3〜1.7mmで、体色は夏は黄色、冬は茶褐色。花を好んで寄生しTSWVを媒介する。 薬剤散布。
ミナミキイロアザミウマ 雌成虫の体長は1.2〜1.4mm、体色は淡黄ないし橙黄色で、成虫は主に芽に寄生し、幼虫は主に葉脈に沿って加害する。 ハウス栽培では近紫外線除去フィルムが有効。薬剤散布。
チャノホコリダニ 成長点付近の新葉が著しく萎縮し、展開葉がウイルス症状のように萎縮し波打つ。 被害が進むと成長点が止まる。成虫は半透明、体長0.2mmで肉眼では見えない。 薬剤散布。
ハダニ類 ナミハダニ、カンザワハダニ、ニセナミハダニなどがある。3種とも体長は0.4mm前後で葉裏を中心に寄生する。初期は下葉からかすり状に緑が抜け、被害が進むと緑がなくなり落葉する。 高温乾燥条件下で、草勢が低下すると発生しやすいので、追肥・潅水が大切。薬剤散布。
タバコガ 成虫の体長約17mm、前翅は黄褐色である。老熟した幼虫は、薄い緑色で側線に白いスジがある。 ハウス栽培では、防虫網を張り飛来を防止。薬剤散布。
アブラムシ モモアカアブラムシ、ワタアブラムシなどがある。直接吸汁の被害のほか、排泄物による「すす病」も問題。CMVなどのウイルスを媒介する。 育苗期間中の防除が重要。粒剤の株元散布など有効。シルバーマルチによる有翅虫の飛来抑制。薬剤散布。
   
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ピーマンの生理障害
生理障害 原因 対策
尻腐果 高温乾燥、多肥、チッソ過多、カリ過多、カルシウム不足 十分な潅水、マルチ、敷きわらの利用、適正な施肥、カルシウムの葉面散布
黒アザ果
(アントシアン果)
低温下での直射日光(紫外線)、極端な乾燥 保温、品種間差大
石果 低温、高温乾燥、水分不足、チッソ過多、栄養不良 保温、潅水、草勢の安定化
日焼け果 高温下での直射日光(強光)、水分不足 果実に直接日光が当たらないような整枝、十分な潅水、換気、遮光
白果 光線不足、過繁茂 整枝
先尖り果 低温少日照、高温乾燥での草勢低下 保温、草勢回復
辛み果
(中型種では辛み果は発生しないが「ししとう」「甘とう美人」では出ることがある。)
高温乾燥、肥大不良による収穫遅れ、草勢低下 乾燥防止と十分な潅水、追肥、適期収穫
   
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