インゲンの住みやすい環境
発芽適温
インゲンは比較的温暖な気候を好み、発芽適温は23〜25℃です。
生育適温
生育の適温は15〜25℃です。栽培可能な気温の範囲は10〜30℃で、10℃以下では生育が停滞し、5℃以下では枯死してしまいます。25℃以上では花粉の稔性が悪くなり、着莢率が低下します。
土壌適応性
土壌の適応範囲は広く、栽培は容易です。排水良好で耕土の深い肥よくな埴壌土で最も良好な生育を示します。ただし、砂土は乾燥と過湿を繰り返すことでストレスを与えやすいので適しません。
土壌酸度
酸性土壌に対しては特に弱く、pH6前後が適当とされています。また豆類の中で、塩分には最も弱い種類です。耐湿性は強くないので、水田土壌などでは排水対策を十分に行ってください。
インゲンの連作障害と対策
インゲンは、エンドウほどではありませんが、連作すると生育が劣り、収量も低下します。このため、2〜3年の間隔で輪作を行うのが望ましい方法です。連作する場合は、土壌消毒を定期的に行うと栽培が安定します。
インゲンの生育
適温下の栽培では、播種後4〜5日で発芽します。つるなし種は本葉が5〜6枚展開すると、主枝と側枝に一斉に花芽が分化します。つるあり種は6〜7節目に花芽分化が起こり、生育とともに上部節位へと移行します。播種後、開花までの日数はつるなし種で30〜40日、つるあり種は35〜45日かかります。開花後、10〜15日で若莢を収穫します。収穫期間はつるなし種で2週間程度と比較的短期間ですが、つるあり種は30〜60日にもおよびます。
インゲンの作型
(近畿)
作型 播種期 収穫期
ハウス栽培 1月下旬〜3月中旬 4月中旬〜7月中旬
露地栽培 4月中旬〜5月中旬 6月中旬〜8月中旬
露地栽培 8月上旬〜9月上旬 9月下旬〜11月上旬
インゲンはどれくらい肥料が必要か?
つるなし種は、10a当たりの成分量でチッソ15kg、リン酸20kg、カリ20kgが基準です。肥料は全量元肥で施します。
つるあり種はチッソ成分を20kgにして、6割を元肥で、4割を追肥という目安で施してください。
※他のマメ類より根粒菌の着性が悪いので、チッソの控えすぎはよくありません。