ソラマメの家系図(出身地)
ソラマメの原産地は、一般的に中央アジア〜地中海沿岸地方とされています。
エンドウとともに非常に古くから利用がなされており、紀元前5000年ごろの新石器時代には栽培の形跡が確認されています。
ソラマメが日本に上陸したのは?
わが国へは、奈良時代の聖武天皇のころにインドの僧が中国を経て伝えたといわれています。
明治時代に欧米系の品種が多数導入されました。
わが国のソラマメの栽培面積と収穫量
平成22年(2010年) 農林水産省統計
  栽培面積(ha) 収穫量(t)   栽培面積(ha) 収穫量(t)
全国 2,290 19,600 宮城県 86 626
千葉県 404 2,630 新潟県 80 633
鹿児島県 392 5,410 鳥取県 63 401
愛媛県 170 1,320 徳島県 59 391
茨城県 158 1,740 福岡県 59 484
香川県 146 548 長崎県 59 838
世界のソラマメの収穫面積と生産量
2010年 FAO統計 (Area harvested, Production)(Broad beans, horse beans, dry)
  収穫面積(ha) 生産量(t)   収穫面積(ha) 生産量(t)
世界 2,559,773 261,578,498 エジプト 9,000 27,300
中国 114,520 926,600 スーダン 8,200 60,051
エチオピア 28,141 318,200 チュニジア 8,000 160,000
モロッコ 14,670 118,454 ペルー 7,725 64,614
オーストラリア 11,400 41,300 イタリア 7,000 48,300
フランス 9,700 101,900 ブラジル 6,100 46,200
ソラマメの旬
ソラマメは、旬を味わう代表的な野菜で、我々日本人にはなじみの深い古い野菜です。初夏のころ、タンパク質と炭水化物に富んだ未成熟子実を食用として利用します。
ソラマメの種類
ソラマメは利用法の違いや、莢の形状によって、次のように分類されます。
利用法 代表品種
種実用品種 在来小粒、中粒種
早生種 房州早生
長莢種 さぬき長莢早生
大粒種 仁徳一寸、河内一寸、陵西一寸
ソラマメの住みやすい環境
ソラマメは冷涼な気候を好む作物で、幼植物の耐寒性は強く、かなりの低温に耐えられます。
発芽適温
15〜25℃で、10℃以下と35℃以上では発芽率が著しく低下します。
生育適温
16〜20℃で、耐暑性は弱く、25℃以上では生育が衰えます。
土壌適応性
ソラマメは多くの土壌水分を必要とするので、乾燥の被害を受けやすい野菜です。このため耕土の深い壌土や粘質土壌が適し、火山灰土壌には適しません。
土壌酸度
酸性土壌に対しては特に弱いので、土壌pHは6〜6.5になるように、石灰を10a当たり80〜100Kgを基準に施します。ソラマメは根の酸素要求量が多いので、過湿は厳禁です。特に、水田裏作では排水対策を十分に心掛ける必要があります。
豆類の連作障害
豆類を同一の畑で連作すると、しだいに生育が不良となり、ついにはほとんど生育しなくなります。この現象はいや地と呼ばれ、3〜5年の間隔で輪作を行う必要があります。ソラマメは豆類の中でも連作障害が最も激しく起こる作物の一つです。やむを得ず連作を行う場合は、土壌消毒を入念に行う必要があります。