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ソラマメの生育
ソラマメは、播種から5〜7日後には発芽が始まります。発芽は根の伸長から始まり、次いで芽が地上部に現れます。子葉は地下に残り、地上には出てきません。
一般に越冬栽培では、発芽後の生育は低温期のため緩慢です。発芽後、30日ごろから分枝の発生が起こります。分枝は、1次分枝から2次分枝を生じ、さらに2次分枝から3次分枝を生じます。最終的に1株当たり10〜15本前後発生します。
播種から1番花開花までの日数は、140〜150日かかりますが、春先の気温上昇とともに生育スピードは早まり、主枝の伸長とともに盛んに開花、着莢を繰り返すようになります。着莢が増え、また気温の上昇に従い、枝の伸長が衰え芯が止まります。
開花から収穫までの日数は、おおむね50日です。 |
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ソラマメの作型
(近畿)
作型 |
播種期 |
定植期 |
収穫期 |
秋まき栽培 |
10月中旬〜11月上旬 |
11月上旬〜11月中旬 |
5月中旬〜6月中旬 |
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ソラマメはどれくらい肥料が必要か?
・根粒菌との関係
ソラマメはマメ科の植物です。マメ科植物の根には根粒菌が共生し、チッソ成分は根粒菌による固定チッソが供給されます。そのため、砂地ややせ地以外の畑ではチッソ肥料はあまり必要がありません。かえって、チッソ肥料が多すぎるとつるぼけになるので注意が必要です。
・元肥の量
チッソ成分は10a当たり7〜10Kg程度とします。リン酸、カリは10〜15Kgを基準とします。 |
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ソラマメの播種と栽植本数
畝幅1.2〜1.5m、株間40〜50cmの1条植えにします。栽植本数は10a当たり1,600〜2,000株が基準です。
ソラマメは種子が大きく、直接畑にまくと地温が低いため発芽までに時間がかかり、発芽に失敗する場合も多いので、移植栽培が基本です。特に春まきの場合は、均一な発芽をさせるために温床を準備し、地温20℃を確保します。
タネをまくときは、9cmのポットにオハグロ(種のへその部分)を下にして、土に3分の2ほど押し込むようにしてまきます。覆土は川砂かバーミキュライトを使って、種子が見えなくなる程度の量を覆土します。
播種後、種子の腐敗や立枯病予防の意味で、登録のある殺菌剤を潅注するといいでしょう。
ソラマメは花芽分化に低温を必要とするので、発芽が揃ったら屋外に出し、低温に当てます。播種後3週間を目安に畑に定植します。 |
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ソラマメの栽培管理
・追肥、潅水
追肥は開花の始めごろと着莢肥大期に、中耕、除草、土寄せをかねて行います。チッソ成分で10a当たり3Kgを基準に施します。
開花結実時期は水分を多く必要とする時期です。水分の量で着莢のよしあしや、3粒莢の割合、莢の大きさなどが変わるので、しっかりとした管理が必要です。
・整枝
枝を放任で栽培する場合が多いですが、本葉5〜7枚で主枝を摘芯する方法もあります。枝が50〜60cm伸びたころ、太い枝を1株当たり6〜7本程度残して間引くと3粒莢率が多くなり、大莢で収穫できます。また、最初の莢が大きくなり始めたころ、枝の先を摘芯して莢の充実を図ります。 |
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ソラマメの収穫適期
莢の色、子実の色の熟度で判断します。適期は、莢の包合線部分が濃緑色を呈し、莢に光沢が出てくる時期です。試しむきをする場合は、オハグロが黒変する直前が適期です。 |
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