秋まきタマネギの作型と品種
作 型 栽 培 品 種 収穫期 貯蔵性 主産地
極早生〜早生 早出し マッハ
ソニック
4月上〜4月下 青切り 静岡
佐賀
愛知
中早生〜中生 普通 オメガ
ターボ
アトン
O・K黄
O・L黄
O・P黄
5月上〜5月下 青切り〜年内貯蔵〜3月まで 兵庫
愛知
佐賀
中晩生 貯蔵 パワー
ネオアース
猩々赤
5月下〜6月上 2〜3月までの長期貯蔵
猩々赤(青切り〜9月)
兵庫
佐賀
香川
  2月植え ネオアース 5月中〜6月中 青切り 兵庫
秋まきタマネギの栽培
(1) 播種期
収量と抽苔に関係するので栽培地と品種とによって厳密に適期を選びます。
播種期が遅れると小苗になり、定植期が遅くなると減収します。逆に播種期が早すぎ、苗が過大になると、抽苔・分球が多くなります。
年平均気温14〜15℃の地帯では、普通中生種(「ターボ」)の播種期を9月25日前後とし、中早生品種(「ソニック」)はやや早く9月16〜17日ごろ、早生品種は約20日程度早く、極早生品種は約30日早くまかれています。
(2) 苗床
日当たりがよく、管理しやすい場所で、無病虫土で有機質豊富な保水性・排水性・通気性のすぐれた土を選びます。
土壌pHは6.5〜6.9に調整。肥料は速効性を中心に、チッソ成分で7〜10kg程度を目安とします。
(3) 播種
播種量は10a当たり4〜6dl、本圃10aに対し50m2の苗床を準備します。
条まきで条間6〜8cm、播種溝の深さは6〜8mm、種子間隔は5mm程度に播種します。
(4) 管理
間引き1回目は本葉1〜2枚、2回目は本葉2〜3枚ごろ。中耕、土入れ、除草などの管理をします。
(5) 定植
い苗(育苗日数55日前後、葉鞘径5〜6mm程度、苗重100本重400〜500g程度で、根張りよく徒長していない、しかも根の本数多く長いもの…図参照
栽植本数は早出し栽培で約25,000本/10a。貯蔵栽培では約30,000本/10a。
(6) 元肥
総量は10a当たりチッソ成分で20〜25kgを目安とし、元肥は早出し栽培では、その2/3〜全量を施用。貯蔵栽培では元肥半量、追肥半量とします。
(7) 追肥
早出し栽培での1回目は12月下旬〜1月上旬、止め肥2月上中旬。
貯蔵栽培では1回目1月上中旬、2回目2月上中旬、止め肥は3月上中旬とし、貯蔵性を高めるには多肥・遅肥を避けます。
(8) 収穫
収穫適期は倒伏がそろった(圃場全体の約8割が倒伏した)1週間後くらいで、晴天の続く日を見計らって抜きとり、2〜3日地干しした後に収納します。
 
北海道向け春まき栽培
日本最大の産地である北海道(2010年12,500ha)では、春まき秋どり栽培が行われています。北海道の春まき品種は、府県の秋まきの品種より、肥大開始のため長い日長を必要とするので、まったく異なる品種が使われます。北海道の品種を府県での秋まき栽培に使用すると、抽苔が多発し、また十分に肥大できず腐敗が多くなります。