夏秋栽培の要点(2月下旬〜5月上旬まき)
トマトの育苗
(1) 播種床
 育苗用の床土は保水性、排水性のよい無病土を使用します。播種床の保温は坪当たり200Wに電熱線を張ります。
(2) 播種
 128〜200穴のトレイまき。または条まきでは、床土の深さ8cm、条間9cm、種子間隔1〜1.5cmとします。地温は昼間28℃、夜間20〜22℃に保つようにします。発芽までの日数3〜4日です。
  幼苗接ぎ 割り接ぎ
台木播種 穂木と同時〜1日早まき 穂木より4〜5日早まき
接ぎ木時期 本葉2枚 台木本葉5〜6枚、穂木本葉4〜5枚
移植 1回移植  本葉 2〜3枚(12〜15cm鉢)
(3) 管理温度
 
(4) 接ぎ木の際の注意点
 接ぎ木は土壌病害の回避のために行います。管理のポイントとして、接ぎ木1〜2日前に台木、穂木ともに乾き気味に管理し、接ぎ木床の温度・湿度を確保するとともに、日中の高温を防ぎます。日中28〜30℃、夜間23〜25℃、湿度90〜100%とします。接ぎ木後4〜5日間はビニールで密閉、日中は遮光が必要です。接ぎ木癒着後、徐々にならし、7〜10日後には平常の管理に戻します。接ぎ木の際、穂木と台木のToMVの耐病性因子を合わせることが特に大切です。
(5) 定植適期の苗
 1段花房が、1〜2花咲きの苗を定植します。茎の太さは鉛筆からタバコの太さで、草丈25〜30cmぐらいの苗が適当です。
トマトの定植
(1) 元肥
 「ホーム桃太郎」では雨よけ栽培の場合、10a当たりチッソ成分量で15kg以下、露地栽培では12kg以下とします。一般には10a当たりチッソ10〜15kg、リン酸15〜20kg、カリ15kgぐらい、そのほか堆肥2t、苦土石灰80〜100gを施用します。
(2) 栽植株数
 10a当たり2,000株の定植が基準となります。その場合畝幅200cm、2条植えで、株間50cmとなります。
トマトの定植後の管理
(1) ホルモン処理の目的とやり方
 低温期や自然着果しにくい品種ではホルモン(トマトトーン)処理をします。ホルモン処理の適期は1房の内2〜3花が開花した時期で、晴れた日の午前中に行います。一般に温度の低い時期は濃度は濃く(100〜120倍)、気温の高い時期は薄く(150〜200倍)します。3段目以上では、トマトトーンにジベレリンを5〜10ppm混ぜて処理すると空洞果の抑制につながります。
(2) 追肥
 夏秋栽培の場合、第1回目の追肥は、3段花房が開花するころです。施肥量は化成肥料で10a当たりチッソ成分で3〜4kg(1握りで3〜4株程度)、液肥ではチッソ成分量で1〜1.5kg程度とします。それ以降、15〜20日間隔にチッソ成分量3〜4kgを施します。化成肥料は草勢が弱い場合には15日間隔、良好から強い場合には20日間隔です。液肥なら5日間隔か7日間隔が適当です。

(3)

草勢判断
 トマトの草勢は生長点から10〜15cmの節間・茎の太さ・葉巻き具合・葉色などで判断します。
栄養生長型 (過繁茂な生育);原因は多肥、若苗定植、土壌水分過多、1〜2段果房着果不良など。まず生長点近くの若い葉が内側に巻き始めます。はなはだしいと生長点の芯が止まり異常主茎となります。葉は大きく、節間が詰まり、蕾も長くなって開花がそろいにくくなります。過繁茂な場合、4〜5段開花のころに中段(3段付近)の摘葉を行ってください。通路側の2〜3枚を1/2〜1/3の長さで摘葉します。
生殖生長型 (ひ弱な生育);原因は元肥少ない。老化苗定植、活着不良。追肥・潅水の遅れ。草姿は茎の先端の展開葉が上に向かって立ち、芯が細い。花は咲いても落花します。潅水、追肥、摘果をしても草勢が弱く感じる時は、ヨーゲン強力2号の400倍液を5〜7日間隔で2〜3回葉面散布してください。それでも草勢が回復しない時には6段果房の本葉2〜3枚上で摘芯します。摘芯後は6段直下の側枝を伸ばして更新します。