夏秋雨よけトマトの栽培管理(栽培初期)
(1)3〜4段開花までの栽培管理

●3〜4段花房の開花時期までは栄養生長期で、草勢がつきやすくなります。
(1) 潅水
・定植後、活着までの水は手潅水で行います。
・活着後は、成長点がしおれない限りは、潅水を行いません。上水はできる限り少なくし、深層に根を張らせるようにします。
・成長点が傾くほどにしおれるようならしおれをとる程度の手潅水を行います(0.3〜0.5L/1株)。
(2) ホルモン処理
・トマトトーン100倍で、3花開花した花房を処理し、確実に着果させます。
・日をあけて重複処理をすると、空洞果の発生を助長するので注意します。

(ホルモン処理適期の花房)
 
(摘果の適期)
(3) 芽かき
・適切な栄養生長をしていれば、わき芽は小さいうちに除去するのが基本です。
もしも忙しくて、芽かき作業が遅れている場合は、先に1段花房直下の大きな側枝を除去します。その後、ほかのわき芽をとるようにします。
・草勢が強い場合は、1段花房直下の側枝1本を残して、養水分を2本に分散して逃げ場をつくり、草勢が落ち着いてから主枝1本にします。
・定植後に活着不良を起こしている場合は、すべての側枝除去を遅らして、根の発生を促します。
(4) 摘果
・適切な生育を示している場合は、果実が500円玉〜ゴルフボール大の時に3果にし、1〜2段は3果/果房、それ以降は4果/果房が基本です。
・強勢の場合は、ゴルフボール〜卵大になるまで待ってから、3果にします。強勢であるからといって、4〜5果着果させていると中段以降の樹ができません。
・弱勢の場合は、やや早目の500円玉大の時に行います。よほど弱い場合は1〜2果にして草勢の回復を図ります。
(5) 葉面散布

・草勢管理の微調整は葉面散布剤で行います
・強勢の場合は、チッソ成分の含まれていない剤(ヨーゲンハイパワー)で1〜2度散布します。
・弱勢の場合は、チッソ成分入りの剤(ヨーゲン強力2号、ヨーゲンリッチ)で1〜2度散布します。よほど弱い場合は、動噴で薄めの液肥(400〜500倍程度)を株ごとに施します。

夏秋雨よけトマトの栽培管理(栽培初期)
(2)3〜4段開花期の栄養生長から生殖生長に切り替わる時の追肥
●草勢の切り替わり時期の判断が重要になります。
(1) 追肥開始時期の見極め
・天気のよい朝9〜10時ごろの成長点(先端から20cmほど)の状態で判断します。
・成長点付近の本葉が内側に巻き込まなくなり、主茎が細くなりかけている状態が、その切り替わり時期です。
・その時期が分からない場合は、やや多目の潅水を施し(試し水)、2日後に草勢が強くなってこなければ、急いで追肥を始める必要があります。
(2) 追肥の量
・液肥の場合、チッソ成分量で1kg/10a、潅水量は1L/1株程度です。
・固形肥料の場合、チッソ成分量で2〜3kg/10aです。
(3) 茎の太さ
・この時期で、茎の直径が約1.5cm(人差し指程度)が適当です。
・下から上まで同じ茎の太さが理想でしょう。
【初期順調に生育している状態】
(2段開花時期)
  (3段開花時期)