
感染したウイルスの種類によって症状が異なり、(1)新葉に淡い黄色の輪郭のぼやけた斑紋が多くできて、いわゆるモザイク症状を呈し、果実では、果梗に近い部分に軽いモザイクが現れたり、(2)・(3)新葉の縁の刻みが粗くなったり、葉脈に沿って帯状の退色斑や緑色帯ができ、果実では、こぶ状の凹凸ができたりするが、その識別は容易でない。発生の仕組みと防ぎ方は共通する点が多いので、必ずしも厳密な病原ウイルスの識別を要しない。

病原:ウイルス (1)キュウリモザイクウイルス(CMV) (2)カボチャモザイクウイルス(WMV) (3)ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV) の単独または重複感染による。
感染植物を吸汁した、モモアカアブラムシ・ワタアブラムシの吸汁により伝染する。
キュウリモザイクウイルスの宿主範囲は非常に広い。カボチャモザイクウイルスとズッキーニ黄斑モザイクウイルスの宿主範囲はウリ科植物以外にエンドウ・ソラマメのみである。
虫媒伝染以外に、整枝・摘芯・収穫などの管理作業にともなう接触伝染やハサミなどによる汁液伝染が重要な伝染経路である。いずれのウイルスも種子伝染や土壌伝染はしない。

発病株は直ちに除去して処分する。キュウリ圃場の周辺はできるだけ除草に努め、宿主になる作物を栽培しないようにする。
シルバーマルチやシルバーテープを張り、寒冷紗で被覆して、ウイルスを保毒したアブラムシの飛来を防ぐほか、殺虫剤による防除を行う(アブラムシの項参照)。
データ作成年月日:2016/1/29
▼▼▼ ご注意 ▼▼▼
文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。
農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。
農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。
本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。
病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。
|

写真1

▲ZYMVによる葉のモザイク
写真2

▲ZYMVによる葉脈間の退緑
写真3

▲ZYMVによる果実の奇形
写真4

▲ZYMVによる急性萎凋 |