カメムシ・アブラムシの仲間。成虫・幼虫が食害する。
 エダマメには多くのカメムシがつくが、主なものはホソヘリカメムシ(写真1:成虫)、イチモンジカメムシ(写真2:成虫)、アオクサカメムシ(写真3:幼虫)の3種類である。
 ホソヘリカメムシの成虫は褐色の1.5センチくらいの虫で、細長く、脚が長く、アブのような感じでよく飛ぶ。イチモンジカメムシは薄緑色の1センチくらいの虫で、頭のすぐ後ろに白色または赤色の横帯がある。アオクサカメムシは緑色の1.5センチくらいの虫で、頭の後ろの横帯はない。いずれも幼虫は背中に翅がなく、その部分にさまざまな模様がある(写真3)




 花が終わって莢ができるころに汁が吸われ、莢の生長が止まって落下する。このため、莢にまわる栄養分がだぶついて葉だけが青々と茂る。
 豆の肥大が始まってから汁が吸われた場合は、不規則にゆがんだ豆や一部が褐色に変色した豆ができる。




 3種類とも成虫が越冬し、春から秋まで2〜3回発生を繰り返す。7〜9月に多発し、収穫期の遅いエダマメで被害が多い。
 3種類ともマメ科作物のほか、さまざまな作物、雑草の種子の汁を吸って暮らしている。飛ぶ力が強く、遠方からも侵入してくる。
 被害が毎年多い(虫の飛び込みの多い)畑と、そうでない畑がある。また、年によって被害程度が大きく異なる。




 毎年発生が多い畑では、開花期から豆の肥大初期まで、1〜2週間間隔でアクタラ顆粒水溶剤、スタークル顆粒水溶剤、アルバリン顆粒水溶剤、トレボン乳剤、キラップフロアブルなどを散布する。
 サンサンネットなどを被せて成虫の侵入を防ぐ。
<備考>
 5〜6月に、5ミリくらいの暗褐色で四角形の虫が茎にたくさん群がって汁を吸っていることがある。これはマルカメムシ(写真4)で、カメムシの仲間であるが、莢の汁を吸うことはなく、また1株当たり5〜10匹程度なら株の生長を大きく妨げることもない。多発した場合は上記の薬剤を散布する。

注.2003年の改正農薬取締法施行にともなって、豆類(未成熟)(さやいんげん、えだまめ、さやえんどう、実えんどう、未成熟そらまめ、未成熟ささげ、未成熟ふじまめなど)という作物群が登録対象として設定された。一方、いんげんまめ、だいず、えんどうまめ、そらまめ、豆類(種実)のみに登録されている薬剤はこれらの豆類(未成熟)には使用できなくなった。ここではえだまめまたは豆類(未成熟)に登録のある薬剤を示した。

データ作成年月日:2015/1/30

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 農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。
 農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。
 本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。
 病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。

写真1(YK)


写真2(YK)


写真3(HT)


写真4(YK)


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