
本病の症状には、全身感染型と二次感染型という二つの型がある。
全身感染型は、秋に感染した病原菌が冬季間に全身へ蔓延し、春2〜3月になって発病するものである。葉の光沢がなくなり淡黄緑色になり、生育も遅れ、葉は横にやや湾曲する。早春の温暖多湿条件下で、全身に白色のつゆ状または暗紫色のかびを生じる。
二次感染型は、春・秋に発生し、葉・果梗に長卵形ないし楕円形の黄色がかった大型斑点を形成し、多湿時には斑点状に白または暗紫色のかびを生じる。被害葉の多くは病斑部で折れて枯死する。

病原:糸状菌(かび) ペロノスポラ デストラクター
病原菌は純寄生菌で人工培養はできない。土壌中で10年以上も休眠状態で生存する。10〜11月に降雨などにより葉上にはね上げ伝染し発病する。一部は秋のうちに枯死する。春の二次伝染の多くは、全身感染株に形成される胞子による。ネギやワケギにも越年感染苗があり、これらからも伝染する。
気温15℃で多雨の時に多発し、特に4月中旬から5月上旬に曇雨天が続くと多発する。

排水の悪い圃場では高畝栽培とするなど、圃場が過湿にならないようにする。健全な苗を植え付ける。発病圃場で連作すると被害が増加する。
防除薬剤として、ランマンフロアブル、レーバスフロアブル、ホライズンドライフロアブル、べトファイター顆粒水和剤、ザンプロDMフロアブル、カンパネラ水和剤などを散布する。薬剤防除は、多発すると効果が得られないことがあるので発病初期に散布する。
データ作成年月日:2016/1/29
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写真1(SK)

▲葉に楕円形から不整型の黄色病斑を形成し、病斑部から折れて垂れ下がる
写真2(SK)

▲典型的な病斑の拡大
写真3

▲多湿時は病班上にかびを形成 |