土壌よりリン酸供給を遮断すると、上位葉の生育が抑制され、小葉化する。下位葉は淡緑化し、葉裏は暗紫色化する。落花し、果実の登熟も遅延する。
写真1
は完全区で大きくしてからリン酸欠如土壌に移して15日目。下位葉の葉裏には、アントシアンの赤紫色が観察される(
写真2
)。この赤紫色は、葉裏でも日光の当たるところが鮮明である。
写真3
は
写真1
の写真より10日後で、上位葉は少し大きくなったが、下位葉は葉脈間や先端部から壊死した。果実の生育は停止している。葉脈のアントシアンの赤紫色はあまり認められず、葉脈間の白化や壊死が中心である(
写真4
)。
施肥にリン酸を省くことは通常しない。従って、リン酸欠乏は一般農家ではまず発生しない。作物の初期生育に、リン酸は特に必要で、土壌中にある程度均一に存在していないと根張りも悪く、初期成育が遅れる。
寒さによって葉裏にアントシアンの赤紫色が出ることも多い。葉裏の赤紫色イコールリン酸欠乏ではない。施肥の有無の確認と土壌分析。近年の土壌にはリン酸は過剰なほど蓄積していることが多い。
リン酸肥料の土壌施用。実際の農家でリン酸不足は滅多にない。趣味の家庭菜園でチッソ施肥だけで栽培したりすると、リン酸欠乏も生じる。リン酸肥料も堆肥など有機物と同時に施用すると作物に吸収されやすい。リン酸は土壌中のアルミニウムや鉄、カルシウムと結合し、不溶性になりやすいためである。
データ作成年月日:2003/02/03
▼▼▼ ご注意 ▼▼▼
生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります。
従って、その対策を講じる場合は、土壌分析を行うなど圃場の土壌条件を把握した上で行うようお願いします。
また、症状が生理障害に類似した病虫害もあり、生理障害との区別が難しい場合があります。詳しくは、農協や公共の指導機関にご相談ください。
写真1
写真2
写真3
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