異常気象に強い品種選定と栽培技術 果菜編

台木を活用したキュウリ、メロンの不良環境対策

2020年2月20日更新

不良環境にも負けない! タキイ台木でキュウリ、メロンの生育を助ける。

猛暑や豪雨など、異常気象がもはや毎年起きてしまう昨今、栽培の工夫に加え、品種選びも重要になってきています。トマト、キュウリ、メロン、スイカなどの果菜類は、土壌病害を回避する目的などで台木に接ぎ木する栽培方法が普及しています。台木が担う「根っこ」は、作物が生育するのに不可欠な、水分や養分、ミネラルを吸収する大切な器官で、より充実した「根っこ」を形成する台木品種ほど、不良環境で有利に生育できると考えられます。

タキイは、「根っこ」の形態や量に着目した台木の品種改良を進め、昨今の異常気象に立ち向かう一助となる品種をリリースしています。

キュウリ用台木

高温期の栽培には「スターク」

「スターク」を接いだ苗姿

キュウリ用の台木カボチャ「スターク」は太い根が地中に深くに差し込む性質があり、養水分を吸収する役割の細根も地中深くまで多数発生するので、地表近くの環境変化の影響をあまり受けずに養水分を吸収することができます。これらの特長が環境適応性の高さにつながっているのです。(第1図)。また、根量が多いので穂木が強勢となり、総収量や秀品率も向上します(第2図)。

「スターク」はタキイのキュウリ穂木はもちろん、他社の穂木との相性もよく、どんな穂木でも上記同様の効果があります。なお、「スターク」は、高温時により特性が表れるので、夏秋露地作や抑制作での利用を特におすすめします(第3図)。

第1図 根から見る「スターク」の特長 ※イメージ

根から見る「スターク」の特長

第2図 「スターク」の草勢と収量比較

「スターク」に接ぐと初期から草勢強く、多収となる。

「スターク」の草勢
「スターク」の収量比較

第3図 「スターク」と他社台木の栽培比較

「スターク」を使えば、栽培後半まで強勢で猛暑にも有利。

露地栽培 8月下旬
「スターク」と他社台木
トンネル栽培 6月下旬
「スターク」の栽培比較

低温期や雨よけ栽培では「フォルテ」

「フォルテ」を接いだ苗姿

一方、冬春、雨よけなどの作型では「フォルテ」がおすすめです。強力な発根力をもつため、根の伸長が鈍くなりがちな低温時期でも強勢となります。また、根量も非常に多いため(第4図)、急に気温が上がり、草勢が弱りがちな5〜6月でも草勢を維持しやすく、増収効果があります。

「フォルテ」も他社穂木との相性がよく、台木を変えるだけで低温時の草勢強化・維持が図れます(第5図、6図)。

第4図 発根力の比較

「フォルテ」は強力な発根力をもつ

第4図 発根力の比較

第5図 低温時の草勢強化・維持

低温下でも強勢となり、枝発生が安定

第5図 低温時の草勢強化・維持

第6図 「フォルテ」と他社台木の収量比較 

台木を「フォルテ」に変えるだけで増収。
他社穂木とも相性よい。

第6図 「フォルテ」と他社台木の収量比較 

メロン用台木

根量豊富で幅広い環境に適応する「ダブルガードパワー」

メロン台木「ダブルガードパワー」を接いだ苗姿

メロン用台木「ダブルガードパワー」は、太根と細根のバランスがよく、根量が非常に多いことから幅広い土質に適応して生育初期から草勢が安定します(第7図)。すぐれたフザリウム耐病性も併せ持ち、メロン用の台木として総合力の高い使いやすい台木です。

第7図 「ダブルガードパワー」根の比較

「ダブルガードパワー」は、
根量が多く、太根と細根のバランスがよい

第7図 「ダブルガードパワー」根の比較

ご紹介した3品種とも胚軸が太く、接ぎ木の作業性が向上するほか、うどんこ病耐病性があるため、苗生産の現場でも安心してご利用いただけます。

なお、3品種はいずれも強勢台木ですが、減肥せず従来の施肥設計で栽培すると、より特性が表れます。

施設内の暑さ対策では、遮光資材や循環扇の利用を、露地栽培の豪雨対策では、根の活性を維持するため「オキソパワー5」「オキソダッシュ1」などの酸素供給資材や、土の物理性を向上させる「グリーンベラボン」を、不良環境時の栄養補給に「ヨーゲンアクセル」などの葉面散布も活用しながら、不良環境に打ち克ちましょう!

「オキソパワー5」「オキソダッシュ」「グリーンベラボン」「ヨーゲンアクセル」