2017/02/20掲載
2016年9月17日〜19日に静岡県牧之原市にて、「第4回 坂口谷川彼岸花とかかし祭り」が開催されました。鮮やかなグリーンの芝の河川敷と、赤や黄色の色とりどりのヒガンバナが咲き乱れるさまが美しく、例年多数の参観者が訪れるイベントです。本年は台風の影響もありましたが3日間で約2,000人の参観者が訪れました。これは平成25年より、地元町内会の地域おこしグループ「花と芝生を守る会」主催で行われているもので、この河川敷の芝にタキイのセンチピードグラス「ティフ・ブレア」が使用されています。
この度は、「花と芝生を守る会」会長の粂田雅史さんに坂口谷川の景観緑化の取り組みについてお聞きしました。
当初は一人で活動を始められた粂田さん、冬の間は河川敷のアシや竹の根を掘り起こし、春から秋にかけては地道に堤防の草刈りを行いました。ところが、堤防、河川敷の土壌は肥沃(ひよく)ですぐにアシなどの雑草が茂ってしまいます。手間をかけずに雑草を抑えられるものはないかと思案していたところ、地元種苗店に紹介されたのが「ティフ・ブレア」でした。平成15年より約2,000u(佐々木橋〜竹橋の間400m)に少しずつ播種を始め、平成21年ごろには美しい芝生が出来上がりました。現在の管理は、土が肥沃なため播種後は無肥料で養生し、適宜に芝刈りをする程度とのことです。「特にほかの管理は必要なく、定期的に芝を刈るだけできれいな状態を保てるので、助かっています」と粂田さんは「ティフ・ブレア」の効果について語られています。
芝生とともに赤黄白のヒガンバナも植えました。河川敷が整備されゴミがなくなり花が咲いて景観が美しくなるにつれ、徐々に人が集まるようになりました。
平成25年には地域の活性化を図るため「第1回 坂口谷川彼岸花とかかし祭り」を開催。以来、毎年期間中に約3,000人の参観者が訪れる地域のイベントとして定着しました。平成26年度には静岡新聞社社長賞、27年度は静岡河川協会会長賞、28年度は静岡県景観優秀賞、国土交通大臣賞並びに静岡県知事賞を受賞し、静岡県の新たな見どころとして知名度を上げています。
また、粂田さんの活動に賛同した10〜13名のボランティアが加わり、今年は今までの2倍の堤防両面の約2kmに芝の面積を広げることができました。
「今後は年々会員を増やして牧之原市の人たちに、こんなにすばらしい所があると地元を誇らしく思ってもらえるような活動を続けていきたいですね」と粂田さん。たった一人でスタートした活動から22年、ますます美しい川辺が広がっていきます。
2024年
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