2020/07/20掲載
「タキイ最前線」の通巻50号を記念し、実施しました読者アンケート調査。おかげさまで家庭菜園を楽しまれている方1450名、営利農家の方629名と、多くの読者さまからお声をいただきました。ご協力、大変ありがとうございました!
さて、先日発行した第50号では、2月末時点での集計結果を「速報版」としてお伝えいたしましたが、この度、ついに最終結果の発表となります。中間結果では好きな野菜、栽培したい野菜ともに「トマト」が断トツのトップでしたが、この独走状態はどうなったでしょうか? あなたの選んだ野菜は上位にランクインしているでしょうか? それでは以下で結果を弊社の「タキットくん」が発表いたします!
「トマト」
家庭菜園389名/営利農家142名
「タマネギ」
家庭菜園125名
「キャベツ」
営利農家48名
「ナス」
家庭菜園118名
「キュウリ」
営利農家46名
「キャベツ」
家庭菜園94名
「ナス」
営利農家45名
「キュウリ」
家庭菜園89名
「カボチャ」
営利農家42名
栄光あるトップに輝いたのは、やっぱりトマト! 第2位を大きく引き離して、文句なしの第1位だね!
第2位と第3位は、僅差のデッドヒート。速報版では第3位だった、タマネギ(家庭菜園)、キャベツ(営利農家)が、ナス、キュウリを鼻差でかわしたね。家庭菜園、営利農家で順位は少し違うけど「トマト」「キュウリ」「ナス」「キャベツ」などの定番野菜の人気ぶりが改めて分かった感じかな。
そして、「その野菜が好きな一番の理由はなんですか」への回答は、速報版から引き続き「おいしいから」がトップ(家庭菜園671名、営利農家298人)。第2位も両者とも「自分で作ったものだから」(家庭菜園266名、営利農家115名)という答えだったよ。職業と趣味という違いはあっても、野菜に対する気持ちは同じだね!
「トマト」
家庭菜園456名/営利農家138名
「ナス」
家庭菜園113名
「ネギ」
営利農家48名
「タマネギ」
家庭菜園94名
「ナス」
営利農家44名
「キュウリ」
家庭菜園92名
「キャベツ」
営利農家43名
「カボチャ」
家庭菜園89名
「キュウリ」「ホウレンソウ」
営利農家39名
ここでも、トマトが圧倒的人気! 「好きな野菜」と同じく、定番野菜が上位に挙がる中、営利農家では「好きな野菜」第6位のネギが、第2位に入っているところが特徴的だね。ネギは価格も安定しているし、何より日本料理の薬味としてかかせない野菜だから、その需要の高さが反映されているのかもね。
「桃太郎トマト」シリーズ
家庭菜園333名/営利農家128名
「フルティカ」中玉トマト
家庭菜園160名/営利農家53名
ミニトマト「千果」シリーズ
家庭菜園156名
「夏すずみ」キュウリ
営利農家50名
「夏すずみ」キュウリ
営利農家155名
ミニトマト「千果」シリーズ
家庭菜園39名
「耐病総太り」ダイコン
家庭菜園92名
「ホワイトスター」ネギ
営利農家37名
なんと家庭菜園部門では、ベスト3がすべてトマトシリーズ! トマトの人気にはまいっちゃうけど、ほかの野菜も要注目。営利農家で第3位の「夏すずみ」キュウリは来年で発売30周年、家庭菜園の第5位「耐病総太り」ダイコンは、なんと1974年発売のロングセラー商品なんだ。やっぱりいいものは長く愛されるってことだね。ご愛顧いただいているみなさまに感謝!
家庭菜園ユーザーの"こだわり"トップは「タネから育てる」! さすがは最前線ユーザーだね! 家庭菜園ならではのこだわりポイントの一つ「無農薬栽培」が第2位。
一方、営利農家では「食味をよくする」が第1位。第2位に「無農薬栽培、有機栽培などの特別栽培」が続いていることからも、品質重視の姿勢がうかがえるね。
一方、悩みは両者とも「病害虫防除(病害対策)」が第1位。家庭菜園ユーザーも営利農家も、無農薬志向の方が多いみたいだけど、その反面、病害虫対策は一番の課題だよね……。
職業としてやっている以上、病害虫や天候不順だけでなく多種多様な課題を抱えるのが営利農家の大変なところ。販売価格の低迷を背景に、コスト削減や新規作物の導入を検討している方が多いのかも。「後継者などの人材育成」も喫緊の課題だね……。
でも、苦労がある一方で、野菜作りには喜びや魅力もいっぱい!
家庭菜園ユーザーへの質問「野菜作りをしていて一番の喜びはなんですか」では「育てる喜び」(423名)を「収穫するとき」(492名)が上回りトップ。第3位は「家族や友人に喜んでもらえたときやほめてもらったとき」(310名)だったよ。丹精込めた野菜を「おいしい!」とほめてもらったら嬉しいよね。
一方、営利農家に「あなたが農業の魅力として一番に感じていることはありますか」とたずねた結果、もっとも声が挙がったのは「自然相手の仕事」(191名)。そして第2位は「仕事の裁量の自由度の高さ」(129名)。自然はやっぱり厳しい相手だけど、それに試行錯誤で挑んでいくのが農業の醍醐味でもあるよね。
家庭菜園ユーザーの回答は「社会人の間」が圧倒的。「60歳を超えてから」という方も多かったよ。どんな年齢からでも始められるのが、家庭菜園の魅力だよね!
営利農家は就農40年を超えるベテランのみなさまが多かったよ。一方で5年、10年未満の新ユーザーの方も、本誌を活用してくれているみたいでうれしいね!
家庭菜園ユーザーには、栽培場所と、そこで過ごす時間について聞いてみたよ。身近なところで野菜作りをしている方が多いみたいだね。時間は「半日程度」「半日以上」が全体の約6割。本格的に野菜作りを楽しんでいるね。
一方で、省スペースの「ベランダ栽培」をしている方も39名。ベランダ栽培で難しいのは「日当たりの確保」(8名)、「暑さ対策」「水やり」(7名)などみたい。いろいろ制約も多いけど、工夫を重ねて楽しむのも面白いから、続けて欲しいよね!
営利農家の方には、売り上げを左右するポイントのひとつ「出荷」について聞いたよ。一番多かったのは、直売所出荷。市場出荷や農協への出荷と合わせて、大いに直売所を利用しているみたいだね。
トマト、キュウリなど家庭菜園の定番野菜を抑え、第1位に輝いたのは、なんと「ダイコン」! 「手間がかかりそう」と"作らずぎらい"している方も多いんじゃないかな? コツとして挙がったのは「深く土を耕す」「種まき前に土中の石を取り除く」「中葉が出たら間引いて早く1本にする」「しっかり発芽さえすればあとは虫のみ」などなど。下準備をしっかりすれば、後は意外とあっさり収穫できるかも!? 作ったことがないという方は、ぜひ今秋「耐病総太り」ダイコンでお試しを。ちなみに「紅三太」と「三太郎」も、編集部おすすめの品種だよ!
そのほか「カボチャ」が作りやすい、というのも意外かも? 寄せられた声は「害虫に強い」「放任していてもできた」など。10位以内には入らなかったけど、スイカも35名から支持があったよ。「小玉スイカを植木鉢で作った」という方もいたので、来年挑戦してみてはどうかな。また、数は少なかったけど「ニンニク」「ショウガ」なども複数の方から声が寄せられたよ。栽培スペースも取らなさそうだし、一度試してみてはいかが?
※あくまで編集部の想像です
家庭菜園
年齢64歳女性、滋賀県在住です。3年前の夫の定年退職を機に、自宅近くの畑を借り、夫婦で家庭菜園を始めてみました。初年は害虫や天候不順に見舞われてうまくいかなかったところも多々ありましたが、3年目にしてようやくコツが分かってきた感じ。週に3日は午前中から昼過ぎまでを畑で過ごします。去年は「耐病総太り」ダイコンにチャレンジしてみたんですが、立派なものができてとても驚きました。近所の方に配ったらとても喜ばれたし、自宅でも冬のおでんの具材として大活躍。自家製野菜は無農薬で安心だし、何より苦労して作っただけにおいしさもひとしお。今年は「紅三太」に挑戦してみようと思っていて、今から楽しみです。
営利農家
年齢62歳男性、来年で就農して45年になります。長年の経験を生かした、トマト作りには自信があります。60歳を超えて、直売所出荷を始めました。直売所はお客さんの声がより入ってきやすいからいいですね。結構リピーターも増えています。やっぱり「おいしい」と言ってもらうと嬉しいのは、就農して何年経っても変わりませんね。品質向上にも力が入ります。品種も「タキイ最前線」を参考にしながら、新しいものに挑戦していきたいですね。自然相手というのは、何かと大変だけれど、これからも体力が許す限り、おいしいトマトを作り続けたいですね。
最後に「タキイのタネは気に入っていただいているでしょうか」という質問。これは「最前線」読者の方に聞く必要はなかったかもしれないね。「今後利用したいと思います」という方を含めて、ほぼ99%の方に「YES」との答えをいただいたよ! もちろん「そうでもありません」との意見をいただいた数名の方にも、気に入っていただける「タネ」の情報を伝えていけるようにがんばるので、これからも応援をよろしくお願いします!
さすが、弊社研究農場もあるだけあって、地元「滋賀県」が堂々のトップ! トマト人気を反映してか「桃太郎」トマトの産地、「岡山県」も見事第2位に。「北海道」(4位)は、営利農家の方が多かったよ。関西では「兵庫県」(4位)「大阪府」(6位)が上位だけど、意外に本社のある「京都府」(16位)が少なかったね。地元なので、がんばりますので応援よろしく!
庭やベランダで家庭菜園をしている方には、野菜以外に花も栽培されていますか、と聞いてみたよ。結果6割以上の方が栽培していて、キク、ヒマワリ、バラ、ユリなどが人気みたい。庭の定番花のパンジーやビオラ、チューチップもファンが多いね。
以上、アンケート結果の発表でした。いかがでしたか?
今回いただいたご意見をもとに、よりみなさまに役立つ、誌面作りにまい進していく所存です。
どうか、これからも「タキイのタネ」を何卒よろしくお願いいたします。
2025年
春種特集号 vol.59
2024年
秋種特集号 vol.58