とれたて野菜キッチン

2025年7月25日掲載

おなじみフードコーディネーター川淵智子さんに、自家菜園で野菜作りに挑戦して作った新鮮な野菜をふんだんに使ったレシピを紹介していただきます。自分で作った野菜と購入した野菜などを組み合わせた「自給自食」をテーマに「野菜作りの楽しさ」+「安全・安心でおいしい野菜料理」をご提案いたします。

調理監修 川淵 智子

テーブルファクトリー主宰。レストランメニューのプロデュースやテーブルデコレーションに関するイベントの企画・運営などを中心にTV、CF、料理本などを手がける。2005年より海外の大学や調理師学校でも日本料理の講義など行い幅広く活動中。

菜園でとれた新鮮な野菜を使ったレシピ

コマツナと砂肝の炒め物

コマツナはカルシウムやカリウムが豊富で、常食したくて栽培しています。味噌汁に煮物、和え物、炒め物といろんな料理にちょっとずつ取り入れていますが、砂肝と炒める時はコマツナだけで真っ向勝負!たんぱく質、鉄分、ビタミンB12、葉酸を多く含む砂肝との取り合わせは超好相性。成長期のお子さん、妊婦さんや、働き盛りからご年配の方にもおすすめです。

千果の韓国水冷麺

材料(2人分)/(1人分163kcal )

コマツナ 200g
砂肝 200g
小さじ1/4
粗挽きコショウ 少々
大さじ1
薄口しょうゆ 小さじ2
米油 大さじ1

作り方

  • 1.コマツナは3cm幅に切る。
  • 2.砂肝は銀膜を薄くそぎ、ぷっくり膨らんでいるところに火が通りやすくするため切れ込みを入れる。
  • 3.に塩とコショウを軽くすり込んでおく。
  • 4.フライパンに米油を熱しを炒め完全に火が通る前に酒を振り入れ、コマツナを加え手早く炒め、仕上げに薄口しょうゆをフライパンの側面から回しかけ香りをつける。

シンプルな味つけです。柚子胡椒などがあれば、砂肝を炒めるときに少量加えるだけで少し大人向けな味になります。

ネギ玉ネギ焼き

ネギといえば薬味や添え野菜に無くてはならないのですが、なかなか主役を張るメニューにはならない野菜。しかしこの料理はネギがないと成り立ちません。露地栽培のネギは葉色が濃く、茎は白くふっくらとして、内側のとろっとした水溶性ペクチンも丸ごと食べるとおいしい。脇役的な野菜のようですが、実はβ―カロテン、ビタミンC、食物繊維も豊富で、免疫力が下がる冬にぜひ食べたいスーパーフード。さらにケルセチン豊富なタマネギ『ケルたま』も一緒に焼いてパワー増強。

千果の冷やしおでん

材料(2人分)/(1人分321kcal )

葉ネギ 6〜8本
タマネギ「ケルたま」 1/2本
パプリカ 1/6個
むき海老 6尾
ランチョンミート 30g
米油 適量
合わせ衣
小麦粉 1カップ
1個
150t
ひとつまみ
顆粒だし 小さじ1/2
つけだれ
ぽん酢、めんつゆ、ソース、辛子、マヨネーズ、などお好みのもの

作り方

  • 1.ネギは斜め細切りにする。
  • 2.タマネギは繊維に対して直角に薄切り、パプリカも細く短く切る。
  • 3.むき海老は背わたをとり、ランチョンミートは3cmほどに細く切る。
  • 4.合わせ衣を作り、を加えさっくり混ぜ合わせる。
  • 5.フライパンに油をひき、の生地を2等分にし薄く広げてそれぞれにをトッピングした面から焼く。をのせた面が焼けたら、ひっくり返し裏面を焼く。
  • 6.両面がきつね色に焼けたら、食べやすい大きさに切り皿に盛る。

合わせ衣は天ぷら粉やお好み焼き粉、チヂミ粉などがあればさらにお手軽。また、ランチョンミートを豚肉やツナ、佃煮、たくあん、キムチ、ちくわなど冷蔵庫にあるもので置き換えて味変も楽しんでください。

おでん大根の唐揚げ

お出汁しみしみのダイコンを唐揚げにするととてもおいしい!レシピにするほどではないですが、おでんを作るときはダイコンを多めに仕込むほどです。2〜3日炊き込んだダイコンは絶品。そして揚げたてをいただくのがおすすめ。外はカリッと中はトロトロ。お店のような一品ができますよ。

千恋のゼリー寄せ

材料(2人分)/(1人分202kcal )

おでんのダイコン 200〜240g
おでんの芽キャベツ 2個
片栗粉 大さじ2
揚げ油 適量
お好みで
粉山椒、七味唐辛子 適宜

作り方

  • 1.出汁がしみたダイコン、芽キャベツはキッチンペーパーなどで表面の水気をふき取る。
  • 2.に片栗粉をまぶして、170℃の揚げ油で揚げる。
  • 3.表面がカリッと揚がれば、油を切って盛り付ける。
  • 4.お好みで粉山椒や七味唐辛子などをかける。

ホウレンソウと煮物のオムレツ

冬場は根菜類の煮物が毎日のように食卓に上がりますね。シチューだったり肉じゃがだったりですが、少し残ってしまうのですよね。そんな時にやわらかいホウレンソウ(私が育てているのは「弁天丸」)と卵を使って全く別の、そしておいしいメニューに変身させます。アレンジは無限に、ご家族の好みで味変してください。

千果とエビのクリームパスタ

材料(直径20cmのフライパン1枚分)/
(1人分314kcal )

ホウレンソウ 100g
ジャガイモ(シチューや煮物の残り) 1個
ニンジン(シチューや煮物の残り) 1/2本
シイタケ(シチューや煮物の残り) 3枚
3個
お好みのチーズ
(カマンベール、チェダー、とろけるチーズ、粉チーズ、スモークチーズなど)
50g
煮汁(シチュー等) 70cc
バター 20g
少々
粗挽きコショウ 少々
小さじ

作り方

  • 1.ホウレンソウは生のまま、ザク切りにする。
  • 2.ジャガイモ、ニンジン、シイタケは5mm幅にスライスする。
  • 3.テフロン加工のフライパンに半量のバターと油を入れ、中火で加熱する。
  • 4.バターが溶けだし泡立ってきたら、を加え全体を混ぜ続けてを加えて炒め、煮汁を加える。
  • 5.溶き卵に塩、コショウしてに流し込み、続いてチーズを全体に散らしよく混ぜる。数秒手を加えずそのままにして側面と底面を固める。
  • 6.耐熱ベラ等で側面を外し、フライパンのふたなどを使って天地をひっくり返す。
  • 7.残りのバターをまんべんなく側面から入れてきれいな焼き色をつける。
  • 8.中心部に火が通れば取り出して、食べやすい大きさに切る。

ホウレンソウがない時はキャベツやミズナ、タマネギのスライスなどでも大丈夫。カレーやビーフシチュー、ホワイトシチュー、おでん、カムジャタンなど、煮物の具材を使っての時短でもあり始末料理でもあり、お弁当のおかずにもなるとても便利なメニューです。

聖護院ダイコンの漬物

千恋のショウガ焼き

材料(作りやすい分量)/
(総カロリー446kcal/総重量960g)

<白い部分の漬物>
聖護院ダイコン(白い部分) 500g
大さじ1
砂糖 小さじ1
刻み昆布(乾燥) 10g
みりん 50cc
<葉の漬物>
聖護院ダイコン(葉) 300g
塩(1) 大さじ1/2
塩(2) 小さじ1
刻み昆布(乾燥) 10g
みりん 50cc

作り方

<白い部分>
  • 1.聖護院ダイコンは葉を切り落とす。白い部分は天地を切り落とし、縦8等分(大きい場合は12等分)に切って皮をむく。切り分けたものを5mm幅に切る。
  • 2.大きめのボウルに1を入れ塩をまぶし軽くもむ。1〜2kgほどの重しをすると早く水が出る。(重しはペットボトルやヤカンなどを利用し、聖護院ダイコンと間に板などを挟み全体に圧をかける)
  • 3.20〜40分くらいを目安に2からうっすらと水が出たら、ていねいに水気を切り、保存容器か保存袋に入れ、刻み昆布と砂糖、みりんを加え全体に混ぜて冷蔵庫で2日ほど熟成させる。
<葉>
  • 4.葉はよく洗った後、5mm〜1cm幅のザク切りにし、大きめのボウルに入れ塩(1)をよくまぶし手もみした後、1〜2kgほどの重しをする。
  • 5.20〜30分を目安に緑色の汁がボールの底に出ていたら汁を捨て、水でさっと洗い流した後よく水気を切る。
  • 6.に塩(2)と刻み昆布とみりんをよく合わせ、保存容器か保存袋に入れ冷蔵庫で熟成させる。2日ほどしてまた水分が出てきたら食べごろ。

聖護院ダイコンの漬物と焼き魚弁当

材料(1人分)/(1人分796kcal )

聖護院ダイコンの漬物 大さじ3〜4
ごま油 小さじ1/3
薄口しょうゆ 小さじ1/4
ご飯 180g
焼き魚 適量
ラディッシュ 1個
白ごま 適量

作り方

<実>
  • 1.聖護院ダイコンの漬物はごま油と薄口しょうゆで味付けする。
  • 2.弁当箱にご飯を敷き、をのせ、ごまをふり、焼き魚を両端に盛り、飾り切りしたラディッシュを添える。

このお漬物は、油との相性がとてもいいのです。じゃこと油で炒めてふりかけにしたりします。お弁当なので、冷めても美味しい(脂の融点が低い)魚との組み合わせは栄養的にもたんぱく質やDHAもありいいと思います。
たくさん仕込んだ時は、半量は最後に甘酢(またはすし酢)などを少し加えると、ピクルスのようになります。少し酸味が入るとお肉との相性がよく、ビビンバやポテトサラダに混ぜると味に幅が出てきますよ。

水菜のハリハリ小鍋

最近の昭和ブームは、食べ物にも来てますね。子どもの頃水菜は「揚げと炊いたん」が家庭の定番でしたが、大阪のおじいちゃんが来た時は鯨肉と水菜を炊いていた記臆があります。水菜と鯨はおばんざいでいう出会いもん(引き立て合う食材の組み合わせ)の一つですね。

千恋と糸こんにゃくの炒め物

材料(2人分)/(1人分233kcal )

ミズナ 200g
タマネギ 1玉
鯨肉(かのこの部位) 60g
豆腐 200g
ニンジン 30g
合わせだし
300cc
すき焼きのタレ 100cc

作り方

  • 1.ミズナは3cm幅に切り、タマネギは縦1/2に切ったあと繊維に直角に5mm幅に切る。ニンジンは彩りに薄切りにして、型で抜く。
  • 2.豆腐は食べやすい大きさに切る。
  • 3.小鍋にと合わせだしを入れに火かけ、煮立ってきたら鯨肉を入れる。

鯨肉に火が通ったら早めにいただくか火を弱める。ミズナも煮すぎないのがポイント。すき焼きのタレがない時は砂糖、しょうゆ、酒(各同量)をよく合わせたもので代用できます。作り置きしたい場合は、しょうゆの半量の水も加えてひと煮立ちさせ、冷めたら保存びんに移します。

菜の花と牡蠣のアヒージョ

すっかり市民権を得たスペイン料理の「アヒージョ」、人気ですね。日本でどんどん進化しています。私も冬の野菜と食材で色々試しましたが、ちょっと苦味のある菜の花がおすすめ。

千恋のピビン麺

材料(2人分)/(1人分348kcal )

ナノハナ 100g
牡蠣 10粒
パプリカ 1/2個
マッシュルーム 50g
ニンニク 1片
鷹の爪 1本
小さじ1/2
オリーブ油 150cc

作り方

  • 1.ナノハナは5cm長さに揃え、長い葉は巻きつけておく。
  • 2.パプリカ、ニンニクは細切り、マッシュルームは1/4等分に切っておく。
  • 3.牡蠣は塩(分量外)で下洗いをして水気を切っておく。
  • 4.小さいフライパンに塩とオリーブ油を入れ、を入れ弱火で煮る。
  • 5.煮立ってきたらを加えて火が通ればでき上がり。

最後にオリーブ油が残りますが、再度アヒージョ油として使えます。空き瓶(ジャム瓶など)に保存して、パスタに使ったり、鰯などを煮てオイルサーディンにも使えます。

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