農業・園芸研究家
町田信夫(まちだ のぶお)
昭和47年より群馬県高冷地の野菜担当普及員を7年、その後キャベツを中心とする園芸試験場高冷地試験地で試験研究に従事し、普及、農家指導などを実践。さらに中山間地域(標高100〜900m)の利根沼田普及、富岡地区農業指導センター、中山間地園芸研究センターを経て退職。現在、長野県の自宅で各種野菜や果樹を栽培出荷する。
定年退職後に野菜栽培を始められる方は多くいらっしゃいます。直売所へ出荷することを目的とした野菜品目の紹介や栽培技術に加え、悠々自適に菜園ライフを実践されている方々の実例にも触れて、趣味で始めた野菜作りを年金以外の実益にするためのノウハウを詳しくご紹介します。
※文中で紹介の資材などはタキイでは取扱いのないものもございます。(編集部)
2020/07/20掲載
農業・園芸研究家
昭和47年より群馬県高冷地の野菜担当普及員を7年、その後キャベツを中心とする園芸試験場高冷地試験地で試験研究に従事し、普及、農家指導などを実践。さらに中山間地域(標高100〜900m)の利根沼田普及、富岡地区農業指導センター、中山間地園芸研究センターを経て退職。現在、長野県の自宅で各種野菜や果樹を栽培出荷する。
野菜収穫後は、鮮度や品質低下・栄養成分の変化が起こるため、作物ごとに異なった対策が必要となります。今回は、直売所へ出荷するために気を付けたい野菜の保存法や野菜の劣化対策を紹介します。
町田の目線で直売所出荷のポイントをまとめてみました。
@バーティシリウム菌による土壌病害は、いったん発生させてしまうと薬剤を使ったとしても根絶が難しい病害です。
Aバーティシリウム菌は、ナス科(ナス、トマト、ピーマン)・マメ科・アブラナ科(ハクサイ、キャベツ)・ウリ科・アブラナ科雑草(ナズナ、タネツケバナ)などを侵します。発生すると土壌中で10年間にわたり菌(微少菌核)が生存するため、輪作が難しくなります。特にナスは影響を受けやすい作物です。
Bナスの防除のためには、接ぎ木、土壌消毒、栽培中の薬剤土壌潅注、収穫後早めに株を処理するなどし、微少菌核を軽減させます。
C菌密度減少効果のある、えん麦野生種(ニューオーツ、ヘイオーツ)を作付けします。
Dできるだけナス科・マメ科の連作を避け、病原菌の菌密度を増加させないようにします。
我が家では、自家菜園(20a)に食用と試験用の野菜を作っています。近所におすそ分け(長野県では、家庭菜園で作った野菜を近所に分ける習慣がある)した中で、評価の高かった野菜を紹介します。
直売所への野菜栽培出荷は、仕事と思わず趣味でやっている感覚で農業をすることが、長続きさせるコツです。私も、ナガノパープルやシャインマスカットの短梢ブドウを仕事と思わず楽しむようにして栽培管理し、出荷しています。
最後に、皆さんが土に親しみ、健康で趣味と実益を兼ねた、
農業ができることを祈念し、筆をおきます。
(町田信夫)
悠々自適の菜園ライフ 〜リタイア後の野菜栽培プラン〜は今回が最終回となります。
長い間ご愛読いただき、ありがとうございました。(編集部)
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