品種ピックアップ
産地ルポ
栽培技術
Web連載
2016/07/20掲載
「TYトマトはおいしくない」というイメージを覆すべく誕生した「桃太郎ピース」。トマト黄化葉巻病耐病性(Ty-3a)や収量性はもちろん、味のよさから好評をいただいています。そして今年度、新たな桃太郎シリーズのトマト黄化葉巻病耐病性品種として「TTM-105」(限定販売)が加わります。「TTM-105」は低温伸長性にすぐれ糖酸比のバランスがよい促成用品種です。 また、夏秋タイプとしてきれいな腰高球で裂果が極めて少ない限定試作品の「TTM-111」トマトも注目を集めました。
メロンの品種開発は良食味とネット形状の安定化はもちろん、従来品種にない高付加価値の付与を目標にしてきました。中でも積極的に取り組んだテーマは「肉厚」。2016年新発売の「レノンハート」は種の部分が小さく、皮際まで食べられ、まさに「肉厚」です。また、えそ斑点病に耐病性があり、低温肥大性にすぐれ早い作型から収量が期待できます。限定販売品種の「TMA-104」との作型組み合せで、リレー出荷が可能です。
キュウリの注目品種は限定販売の「TCH-093」。従来のうどんこ病、べと病に加え、新たに褐斑病に耐病性があり、ウィルスに対してはズッキーニモザイクウイルス、パパイヤリングスポットウイルスに耐病性をもつ複合耐病性品種です。
ナス、トマトなどの施設野菜栽培では、ホルモン処理やマルハナバチ類などの受粉を助ける昆虫の放飼などによる着果促進作業が安定生産のために必要です。しかし、「とげなし筑陽」タイプの「TNA−114(PC筑陽)」と、「千両」タイプの「TNA−112(PC千両)」は高い単為結果性(受粉しなくても果実が着果・肥大する性質)をもつ品種なので、ナスの省力安定生産に大きく役立つ品種です。
タキイ種苗創業180周年を記念に、京都ゆかりの野菜を厳選し、2016年春より通販にて6品種を先行販売、秋に9品種を追加し、2017年には2品種を随時加えて17品種の全国販売を予定しています。
圃場では「もぎ茄子」や「大芹川茄子」、「桂瓜」「聖護院胡瓜」などが実際に栽培されていて、初めてこれらを見る方々は興味深げに写真を撮られていました。
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