多収で軸が折れにくい!タキイホウレンソウが選ばれる4つの理由

2020/07/20更新

  • タフスカイ 春・夏・秋どり
  • 吉兵衛 秋・春どり
  • 福兵衛 秋・春どり
  • 伸兵衛 秋・冬どり

「タフスカイ」「吉兵衛」「福兵衛」「伸兵衛」は
生産者のニーズから生まれた

ホウレンソウ栽培は収穫・調製作業に大きな時間を取られます。農林水産省の調べでもホウレンソウ生産者が収穫・調製や包装・結束に費やす時間は、栽培作業全体のなんと6〜7割も占めています(第1図)。
出荷調製作業に時間がかかるホウレンソウでは、時間当たりにどれだけの束数ができるかが、出荷量を決める重要な要因となっており、品種には収量性はもちろんのこと、収穫作業性についても高いレベルが求められています。従来は収量性が高い品種は作業性が劣り、作業性が高い品種は収量性が劣る傾向がありましたが、タキイでは、収量性と作業性を高いレベルで両立した品種を目標に育成を進めてきました。

第1図 ホウレンソウの作業別時間構成

第1図 ホウレンソウの作業別時間構成

タキイホウレンソウが選ばれる4つの理由

  • 葉柄が太く、葉のボリュームがあり、多収!
  • 立性で葉柄が折れにくく、作業性が抜群!
  • 根が強いため、湿害に強い!
  • 病気に強く、作りやすい!

❶葉柄が太く、葉のボリュームがある⇒多収

葉柄は太く、葉身のボリュームがあり、収量性がすぐれています。生育は旺盛なため適切な播種期で栽培すれば収量が期待できます。

吉兵衛
福兵衛

❷立性で葉柄が折れにくい⇒作業効率の向上

作業性がよい品種は葉柄が細く、太い品種は折れやすい傾向がありましたが、葉柄を肉厚にすることで葉柄を折れにくくし、多収+作業性を実現しました。

伸兵衛

冬どり露地栽培

福兵衛

葉柄折れにくく、作業性抜群!

❸根が強い⇒耐湿性

「伸兵衛」「福兵衛」「タフスカイ」は根張りがすぐれており、過湿にも比較的強いため、露地栽培に適しています。

他社品種/伸兵衛

❹病気に強い⇒作りやすい

「伸兵衛」「福兵衛」「タフスカイ」「吉兵衛」はべと病レース1〜12、14〜15に抵抗性をもち、また、「タフスカイ」は高温期に発生しやすい萎凋病に強い耐病性をもっています。

タフスカイ/他社品種

夏どりハウス栽培萎凋病発生圃場

比較でみるシリーズそれぞれの特長

ホウレンソウ生産者の大きな課題であった収量と作業性を同時にかなえ、また病気に強い「タフスカイ」「福兵衛」「伸兵衛」、まさしく生産者の声から生まれたシリーズといえるでしょう。
ここからは、それぞれの特長を各品種と比較しながら見ていきます。各品種の特長をつかんで使い分ければ、品種の切り替えもうまくできるはずです。

タキイ交配 ホウレンソウ タフスカイR 収量性・作業性・耐病性を兼備!すぐれた耐暑性をもつ早生種!

  • 耐暑性にすぐれ、ホウレンソウが苦手とする夏場でも生育がよくそろう。
  • べと病レース1〜12、14〜15に抵抗性をもち、萎凋病にも強い耐病性をもつ。
  • 株張りがよく、収穫・調製作業が容易。
  • 中間地・暖地の秋・春どりのほか、冷涼地の春・夏どりに最適。
タフスカイ

★萎凋病に強く早生で高温での生育停滞が少ない。立性で収穫機での収穫にも適する

「タフスカイ」
「タフスカイ」
「晩抽サマースカイ」
「晩抽サマースカイ」

JAひだ高山管内/7月20日播種/8月19日撮影

★葉数が多く、芯葉の伸び、ボリュームにすぐれる

他社品種/「タフスカイ」
他社品種
「タフスカイ」

★葉ぞろいすぐれる

他社品種/「タフスカイ」
他社品種
「タフスカイ」

静岡県浜松市/8月25日播種/9月29日収穫

栽培ポイント

盛夏まきでは株間を広げる

中間地の8月中下旬まきでは株間を広め(7〜8p)に設定して、株張りを充実させます。

秋どりでは播種時期に注意

9月下旬以降のまきでは生育が停滞する可能性がありますので避けてください。

極晩抽種ではないので、抽苔に注意

5〜7月の播種では抽苔する可能性があるので注意してください。生育中期までは潅水で生育をすすめ、後半は潅水を控え株張りを確保してください。

タキイ交配 ホウレンソウ 吉兵衛R 収量性と作業性を兼備!在圃性のよい秋・春どり中早生種!

  • 秋〜年内どり、春どり栽培に適した在圃型品種。
  • べと病レース1〜12、14〜15に抵抗性をもつ。
  • じっくり生育する中早生種。
  • 葉枚数が多く株張りがすぐれる。
  • 播種期幅が広く栽培容易。
吉兵衛

★タキイのべと病抵抗性シリーズの中で最も葉枚数が多く株張りがすぐれる

「吉兵衛」/他社品種
「吉兵衛」(27cm150g)
他社品種(26cm135g)
品種比較

栽培ポイント

播種適期を守る

春の上昇気温下では生育が早くなる傾向があり、良品出荷のためにも播種適期に沿った栽培をおすすめします。また、低温下の生育は緩慢になるため、厳寒期どりの栽培は避けてください。

総合的なべと病対策

べと病はレース分化の起こりやすい病害です。総合的な防除を併用し、登録農薬による予防的な防除を心掛けてください。

タキイ交配 ホウレンソウ 福兵衛R 収量性と作業性を兼備!べと病に強い秋・春どり早生種!

  • 生育旺盛な秋・春どりの早生種で、秋から春まで播種期幅が広く、冬どり栽培も可能。厳寒期は株張りよくじっくり生育する。
  • べと病レース1〜12、14〜15に抵抗性をもつ。
  • 葉柄が太く株張りのよい多収種で、収穫・調製作業が容易。
福兵衛

★太軸で株張りよく、軸はしなやかで、早生多収で作業性が高い

秋どり
「福兵衛」
「福兵衛」
他社品種
他社品種
品種比較

福岡県久留米市/露地栽培/10月10日播種/11月26日収穫

春どり
「福兵衛」
「福兵衛」
他社品種@
他社品種@
他社品種A
他社品種A
品種比較

茨城県/3月1日播種/4月19日調査

栽培ポイント

播種時期に注意

一般地の秋どりでは10月以降の播種がおすすめです。
9月まきでは葉色が淡くなり、株張りが不足するため避けてください。

晩抽種ではないので、春は抽苔に注意します。

秋どり種としては比較的抽苔が安定していますが、3月まきでは抽苔する可能性があるので避けてください。

タキイ交配 ホウレンソウ 伸兵衛R 収量性と作業性を兼備!べと病に強い秋・冬どり早生種!

  • 低温伸長性があり、低温期の収穫に適した秋冬どりの早生種。べと病レース1〜12、14〜15に抵抗性をもつ。
  • 葉肉が厚く、株張りのよい多収種。
  • 立性で葉柄が折れにくく、収穫・調製作業が容易。
  • 葉色は濃緑色でつやがあり、荷姿が美しい。
伸兵衛

★低温伸長性・耐寒性にすぐれる。軸の破裂が少ない。

冬どり
「伸兵衛」/他社品種
「伸兵衛」
他社品種
品種比較

茨城県/露地栽培/12月中旬どり

栽培ポイント

9月の播種では葉柄が細くなる傾向があり、10月中旬以降の播種がおすすめです。
草姿立性で伸長性にすぐれるため、やや広めの株間で株張りを充実させます。

品種選びのポイント

「タフスカイ」「福兵衛」「伸兵衛」は「多収+高作業性」にすぐれる早生種で、秋から春まで幅広く栽培が可能です。
最後に3品種選択のポイントを簡単にまとめておきます。

  • 「福兵衛」は作型幅が広く、年内どり〜早春どりに最適し、厳寒期の栽培ではややじっくりした生育になりますが、収量性が抜群です。
  • 厳寒期に伸びのよい品種が欲しい方には低温伸長性にすぐれる「伸兵衛」をおすすめします。
  • 「吉兵衛」は適度な伸長性をもち、秋冬品種への切り替え時期で収量が安定する品種です。
  • 「タフスカイ」は高温期に問題となる萎凋病に強く、耐暑性と耐湿性にすぐれます。
伸兵衛/福兵衛
徳島県/露地栽培/10月下旬播種/1月下旬収穫
タフスカイ
福岡県/露地栽培/9月25日播種/11月7日収穫

3品種の適作型と特性

中間地・暖地 適作型と特性
冷涼地 適作型と特性
品種比較

タキイホウレンソウ全国各地で栽培好調!

幅広い適応性があり、さまざまな栽培環境で高い収量性を発揮!全国の主要産地でタキイホウレンソウを導入いただいております。

中間地・露地栽培

福岡県久留米市

「福兵衛」 栽培状況(1/30)
「福兵衛」 栽培状況(1/30)
「伸兵衛」 栽培状況(1/29)
「伸兵衛」 栽培状況(1/29)

年内どり・春どりは「福兵衛」の高作業性・収量性
冬どりは「伸兵衛」の伸長性が好評です。

中間地・ハウス栽培

茨城県鉾田市

「伸兵衛」9/25播種 11/7収穫
「伸兵衛」9/25播種 11/7収穫
「伸兵衛」9/25播種 11/7収穫

生育が早く、株張りのよい「伸兵衛」が大好評!

群馬県太田市

「吉兵衛」11/26撮影
「吉兵衛」11/26撮影
「吉兵衛」11/26撮影

秋冬ハウス栽培では「吉兵衛」で高収量

中間地・トンネルマルチ栽培

埼玉県川越市

「福兵衛」1/12収穫
「福兵衛」1/12収穫
「福兵衛」1/12収穫

マルチ・トンネルの密植栽培でも株張り株ぞろいがすぐれます!

冷涼地・露地栽培

群馬県昭和村

「タフスカイ」 4/7播種 5/14収穫
「タフスカイ」 4/7播種 5/14収穫
「タフスカイ」 4/7播種 5/14収穫

冷涼地の露地栽培でも耐湿性が強くそろい性にすぐれます!