土肥ポン太のポンポンベジタブルナビ土肥ポン太のポンポンベジタブルナビ

お笑い芸人でありながら、青果店を経営し、2016年からは自ら畑を耕して野菜づくりを始めた土肥ポン太さん。
今回は、新婚ほやほやの奥様の多希子さんと一緒にタキイの果菜類について、担当者に各品種の魅力をインタビュー。
野菜についてはガチのレポートをご紹介。

Profile 土肥ポン太さん

よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪所属。若手芸人時代の八百屋でのアルバイトを経て、2004年に八百屋として独立後、「株式会社ポン太青果」を設立。現在は大阪府能勢町で農業に取り組んでいる。"野菜芸人"としてブレイクし、毎日放送「せやねん〜菜食生活・土肥ベジ太ブル」などで活躍中。野菜を見る目と知識は確か。著書に「土肥ベジタブル 野菜の教科書」。2017年に結婚し、夫婦で農作業に励んでいる(写真左が奥様の多希子さん)。 

2018/02/20掲載

今回レポートするこの春おすすめの野菜はこちら今回レポートするこの春おすすめの野菜はこちら

  • 大玉トマト
  • 中玉トマト
  • ミニトマト
  • ピーマン
  • ナス
  • キュウリ
  • カボチャ
  • スイカ
  • スイートコーン

桃太郎ワンダー大玉トマト桃太郎ワンダー

初代から受け継がれる良食味。新品種は夏バテに強いタフなやつ!初代から受け継がれる良食味新品種は夏バテに強いタフなやつ!

担当の「桃太郎ワンダー」を育種した横川から育成の狙いなどの説明を受けるポン太さん夫妻。↑担当の「桃太郎ワンダー」を育種した横川から育成の狙いなどの説明を受けるポン太さん夫妻。

タキイの代表選手といえば、やっぱりトマトの「桃太郎」。値札に「桃太郎」って書いていたら奥様方は飛びついて買ってくれるぐらい、誰もが知っているトマトの名ブランドやと思います。初代の「桃太郎」に作りやすさや耐病性など、さまざまな点で改良を重ね、現在は22種類の「桃太郎」シリーズがあるのだとか。

新品種の「桃太郎ワンダー」が画期的なのは、夏バテしにくいこと。トマトは暑さに弱く管理が大変なんです。裂果に強いのもトマト農家さんにはうれしいポイントですね。

そして、なっている実はもれなく形がきれい!絵で描いたような丸さ。みんなが悩んでいる「夏バテ」「裂果」の穴を埋め、さらに形もいいなんて言うことないじゃないですか(笑)。味は、ほどよい酸味のあるトマトらしい感じがしました。この時、初代の「桃太郎」も食べさせてもらったんですけど、やっぱりうまいんですよ。間違いない味です。開発者の方も、初代の味のレベルが高いから、なんとかそれをなくさないようにされているようで…初代の偉大さを改めて感じました。

桃太郎ゴールド大玉トマト桃太郎ゴールド

色の濃さも、甘さも、貯蔵性もすべてケルセチンで決まる!シスリコピンたっぷりの橙黄色
見た目はまるで「柿」!

「桃太郎ゴールド」の味見をして思わず笑みがこぼれるポン太さん。↑「桃太郎ゴールド」の味見をして思わず笑みがこぼれるポン太さん。

「桃太郎」シリーズの中でも異彩を
放つ品種といえば、橙黄色の「桃太郎
ゴールド」。

この色は、赤いトマトに含まれるリコピンよりも体内に吸収されやすいという「シスリコピン」からなる色だそう。タキイの機能性成分を含みおいしさを追求した野菜「ファイトリッチ」シリーズの1つでもある、優秀なトマトなんです。

ほんまに見た目は、色も大きさも「柿」に近いですね。食べてみると、水分が多くてやわらかい。甘いんですけど主張しすぎず、サラダに入れても邪魔しない感じです。

売るなら赤とオレンジが一緒になったセット売りがいいですね。見ばえがいいと売れやすい。流行りのインスタ映えするぐらい2色のバランスがいいと思うので、若い主婦受けをねらうならおすすめですよ(笑)

フルティカ中玉トマトフルティカ

トマト初心者におすすめ!何度も食べたくなる甘さトマト初心者におすすめ!何度も食べたくなる甘さ

「中玉」というちょうどいいサイズ感がしっくり手になじむ。↑「中玉」というちょうどいいサイズ感がしっくり手になじむ。

この「フルティカ」というトマトは、家庭菜園でも人気がある品種。水分を極力与えず糖度をぐっと上げる「絞り栽培」という方法で育てられることも多いそうです。普通に栽培してもフルーティなので農家だけでなく家庭菜園でもすごく人気がある、注目のトマトですね。

ぼく的には名前がかわいらしいと思うし、とにかく甘い!酸味感がまったくないんです。これはトマトが苦手なお子様や女性に好まれる味ですね。トマト初心者でも入りやすいと思いますよ。甘い甘いと言っていますが、嫌味のない甘さで、後味はすっきりします。だから何度でも食べたくなってしまう。嫁も甘いトマトが大好きで、夫婦でたくさん試食させてもらいました。

TY千果、オレンジ千果ミニトマトTY千果、オレンジ千果

機能性と味のいい「千果」の仲間たち機能性と味のいい「千果」の仲間たち

鈴なりになった「オレンジ千果」。↑鈴なりになった「オレンジ千果」。
「TY千果」のヘタをつまんで強度を確認中。↑「TY千果」のヘタをつまんで強度を確認中。

タキイの大玉トマトといえば「桃太郎」であるように、「千果」といえば、味のいいミニトマトの代名詞といわれています。僕も八百屋時代、「千果」はよく取り扱っていました。「千果」の新品種「TY千果」は、従来のミニトマトの割れやすさを防ぎ、病気にも強くなったこと、そして、ヘタがとれにくくなったことが大きな改良点です。

八百屋じゃないとわからないかもしれませんが、ミニトマトのヘタがあるないでは、大きく値段が変わってくるぐらい、ヘタがあることが大切なんです。流通段階での取れやすさも考慮したうえでこの開発をされたのかと思うと、タキイさんにはほんまに頭が上がりません。実際にヘタをひっぱってみたんですが、こんなにしっかりついているのはなかなかないですよ。小さな進化ですがたいへん感動しました。

そして、同じく「千果」シリーズの一つである「オレンジ千果」は、ニンジンに含まれるβ-カロテンが入った機能性の高いミニトマトです。ニンジンと同じ成分があるといっても、ニンジン臭さなどは一切しない、甘くて食べやすい品種です。

大玉、中玉、ミニで一番売れるのはやっぱりミニですね。お弁当にも使えることや、大きいものだと旦那や子どもが苦手という方も結構いましたので。こんな2種があれば、ミニトマトの売れ行きアップも期待できそうです!

ピー太郎、エースピーマンピー太郎、エース

今の流行りは肉厚!甘さを感じるピーマンが人気今の流行りは肉厚!甘さを感じるピーマンが人気

バラエティに富んだタキイのピーマンと一緒にハイチーズ!↑バラエティに富んだタキイのピーマンと一緒にハイチーズ!

今から5〜6年前、野菜界がどよめいた…といえば、「ピー太郎」ですね。ピーマン嫌いの子どもでも食べられるように、品種改良して肉厚で苦くないピーマンを作ったというのは、本当に驚きでした。これが、タキイの海外の研究農場で偶然出てきた"辛くないハラペーニョ"から作られたという話も今回初めて知りました。子どもが人生で最初に食べるピーマンは絶対「ピー太郎」がいいと思います。一発目で「苦っ!」となったら二度と食べなくなりますから(笑)。苦くないだけじゃなく、カロテンも豊富に含まれているという成分面でもピカイチの品種ですね。

そして、今ひそかなブームになっていると教えていただいたのが「エース」という品種です。見た目は普通のピーマンと変わらないんですが、実は肉厚なんですよ。これは売るのが面白いですね!普通のピーマンと思って買った人が絶対リピートするやつです。「こないだ買ったピーマン、甘かってんけど」「え?そう?」なんて会話があったりして。色がついていると甘いのはなんとなくわかりますが、この色で「実は甘い」っていうのは…タキイさん、わかってはるわ。ほんまにいろんな品種を発明しすぎです。もう勘弁してくださいよ(笑) 

PC筑陽ナスPC筑陽

お酢をかけたら色鮮やかに!食卓を華やかにする次世代野菜ナスの未来がひろがる驚きの大発明!

ナス担当の河西と「PC筑陽」を持って笑顔のポン太夫妻。

ナス農家さんにはめちゃくちゃうれしい発明となるナス「PC筑陽」。何がすごいかというと、受粉しなくても勝手に肥大し実をつける「単為結果」という現象が起きるんです。これができることで、着果を促すためのホルモン処理などで費やしていたナス農家さんの全労働時間の約3分の1が短縮されるそうです。突然変異から生まれた奇跡を、きちんと研究を重ねて商品化されたことは本当に世紀の大発明といっても過言ではないと思います。

果肉がやわらかめだそうで、焼きナスにするとすごくおいしいと思います。今では野菜芸人のぼくですが、実は昔ナスが苦手でした。大人になって初めて焼きナスを食べた時から、ナスの虜になり今ではどんな食べ方も大好きです。食べ方も大事ですね。

ナスはメインになれる野菜ではないんですけど、「PC筑陽」のような品種ができたことによって、作り手も増えるでしょうし、それによってより家庭に近づき、食べる人が増えるという流れになるでしょ。そんな未来も近いのではないかと思います。

夏すずみ、シャキットキュウリ夏すずみ、シャキット

店頭で売れやすいサイズ感と食感がグッド!店頭で売れやすいサイズ感と食感がグッド!

「ごっついイボやなぁ」と、「シャキット」に興味津々のポン太さん。

ぼくも自分の畑でキュウリを作ったことがありますが、キュウリにはうどんこ病やべと病など避けて通れない病害があるんです。ところが「夏すずみ」は、まるで魔法にかかったように病気にかかりにくい!発売当時はセンセーショナルな品種として、家庭菜園でもキュウリに挑戦しやすくなったという、キュウリ界の革命児ともいえる品種です。

そこから、さらに別のタイプのキュウリを提案しようと開発されたのが「シャキット」。四葉(すうよう)系キュウリは長さが特徴なのですが、長すぎると袋に入れにくい、使いきれないという理由で正直店頭では売れにくいんです。だけど、「シャキット」はちょうどよい長さなので、主婦の方も使いやすいと思います。僕はこのごっついイボも好きやなぁ。

そして見た目だけじゃなく食感もいい。水分が少なめでサクサクとしています。奥さんがよくピクルスを作ってくれるのですが、「シャキット」を入れたら食感の違いが出ておもしろそう。今度試してみます!

ロロン、えびすカボチャロロン、えびす

定番品種から変わりダネまで広がるカボチャの種類定番品種から変わりダネまで広がるカボチャの種類

カボチャ担当の新から「ロロン」の説明を受けるポン太夫妻。

「とにかく味で勝負するために」と開発されたカボチャの「ロロン」は、栗のようななめらかな舌触りが売りの品種。そして何よりも特徴的なのはラグビーボール形の形状。八百屋目線で言わせてもらうと、正直この形は飲食店業者が好む感じで、一般のお客さんには売りにくいんですよね…。でも買って食べてもらわないとその味のよさが伝わらないから、僕やったら4分の1の切り売りにします。味がいいということは、果肉の色もきれいな色をしているに違いないし、中身を見せた方が奥様方も買いたくなると思います。カボチャの切り方のコツは、皮の筋に包丁を入れること。一発切れ目を入れたらあとは手で割れますから。だまされたと思ってやってみてください!

タキイさんの代表品種「えびす」カボチャは八百屋時代、ぼくもよく売りました。軽トラ1台分ぐらいの利益を生んでくれた、まさに名前の通り「えべっさん」な品種です(笑)。1964年の東京オリンピック開催時にデビューし長年愛されているという、カボチャの定番品種ですね。「えびす」が甘くておいしいのは、グルタミン酸といううまみ成分が含まれているからだとか。「あそこのカボチャはひと味違う」と、リピートしてもらえることも多かったです。

紅まくらスイカ紅まくら

夏の名物スイカになること間違いなし!夏の名物スイカになること間違いなし!

「ええ音してるわ」と、ポン太さんの「紅まくら」への期待がふくらむ。

カボチャに続き、これまた変わった形の野菜が登場。「紅まくら」という品種のスイカは、まさに枕のような楕円形をしています。初めて見ましたが、斬新で印象に残りますね。今回は熟期を迎えていなくて食べられませんでしたが、聞くと糖度計の数値よりも格段に甘く感じられるぐらい、味もいいみたいです。冷やして食べたら最高ちゃいますか!

空洞が少なく育てやすい品種ということで、ぼくも叩いてみましたが、よお張ったいい音がしました。これは包丁を入れただけでシャーッと甘い果汁が出てくるやつですね。すごく立派です。

店に置いていたら話題にもなりますし、一回買ってもらったら「今年もあの楕円形のスイカ買いに行こか」って、毎年の楽しみにしてもらえるスイカになるのではないでしょうか。楕円形なので出荷しにくいと伺いましたが、普通の真ん丸のスイカよりも冷蔵庫には入れやすそうですね。そういう利便性と甘さで勝負していけると思います!

キャンベラ90EXスイートコーンキャンベラ90EX

夏のデザートにぴったりのボリュームと甘さ夏のデザートにぴったりのボリュームと甘さ

もぎたての生の「キャンベラ90EX」を思いっきりほおばるポン太さん。

スイートコーンの「キャンベラ90EX」、まずはその大きさにびっくり。草丈がめちゃくちゃ高いんです!聞くと約2mあるそう。これだけ背が高いと倒れないか心配にもなりますが、根張りが強くてがっしりした草勢なので、作り手側としては安心です。そして、そこにできる穂もかなりボリューミー。八百屋に買いに来るお客さんは、やっぱり穂は大きければ大きいほど喜びはりますからね。皮もしっかりついているので、店頭に出すには申し分ないです。

何よりも驚いたのは、この大きさでしっかり甘さがあるということ。もうほんまにフルーツ並みですね。生でこんなにも味がしっかりしてるから、主婦からすれば調理しやんでも使える一番いい食材やと思います。冷蔵庫に入れて冷やして、食後のデザートに出してもいいんじゃないでしょうか。ただ、担当の新さん曰く、スイートコーンは生で食べすぎるとお腹を壊すこともあるので、食べる量には注意が必要ですね。

レポートを終えてレポートを終えて

トマトもナスもピーマンも、タキイの野菜は常に進化されていますね。研究農場に訪れると、「野菜っておもしろいな」と、いつも思います。それに、担当の方がそれぞれ農家さんや消費者のことを考えながら、楽しんで品種改良をされている姿を見て、こちらも本当にありがたく感じます。今回もまた勉強になりました!売り手として、作り手として、僕も進化していけるように頑張ります。

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