品種ピックアップ
2024/7/22掲載

レタス「Dブロウ」
農林水産省品種登録出願中(品種名:TEXLE17617)
晩秋〜年内どり・春どりで
玉の肥大と形状が安定するサリナス種!

レタス「ギガブロウ」
農林水産省品種登録出願中(品種名:TLE585)
品種ピックアップ
2024/7/22掲載
レタス「Dブロウ」
農林水産省品種登録出願中(品種名:TEXLE17617)
レタス「ギガブロウ」
農林水産省品種登録出願中(品種名:TLE585)
肥大と形状が安定する
年内〜冬どりの新ラインアップ登場!
レタスの生育は天候の影響を受けやすく、低温や干ばつでは肥大不足や結球不良になり、反対に高温や多雨では過剰肥大や形状の乱れが発生して出荷量や品質の変動が激しくなりやすい品目です。特に低温期に栽培する産地では、肥料や資材など栽培経費の高騰やトンネルなどの被覆管理の労力が課題となっており、より肥大力が安定して耐寒性があり、形状の乱れが発生しにくい品種に対する需要が高まっています。
そのような中、育成チームでは肥大力の安定性と形状の安定性を高いレベルで両立し、天候の影響を受けにくく生産コストの低減を図れる品種の育成を各作型で進めています。この度、晩秋〜年内どりと春どりに適する「Dブロウ」と、厳寒期どりに適する「ギガブロウ」の2品種を発表いたします。
これら2品種と従来品種を組み合わせることによって、晩秋〜春どりで玉肥大と形状安定性のバランスがよい玉レタスを連続的に出荷できます。品種特性や栽培ポイントを参考にぜひ導入を検討いただきたいと思います。
編集部
それぞれ同時期に使用される従来品種に比べて草勢が強く、玉肥大にもすぐれます。
両品種ともに玉肥大がすぐれる一方で玉形状はへん円〜豊円球で安定し、尻形状もすぐれるため秀品率が高く、玉肥大と形状安定性が高いレベルで両立する品種です。
特に「ギガブロウ」は低温下の厳寒期どりでも玉肥大にすぐれ、トンネルやベタがけなど被覆管理の省力化を図れます。
低温期に発生しやすいべと病に比較的強く、安心して栽培できます。しかし、レタスべと病には多くのレースが存在し、一部の産地においてはこれら2品種でも少し罹病する事例が出ています。栽培期間には菌核病や灰色かび病などの病害が発生することも懸念されるので、各病害に適用のある薬剤を予防的に散布してください。
また、一部地域で発生する土壌伝染性病害のビッグベイン病に対しては両品種ともに耐病性はありませんので、非発生圃場での栽培を基本としてください。
冷涼地の8月中旬→10月下旬〜11月上旬どり、3月〜4月上旬まき→5月下旬〜6月中旬どり。
中間地の9月上旬まき→11月中旬〜12月上旬どり、12月中旬〜1月下旬まき→4月初旬〜5月上旬どり。
暖地は9月上中旬まき→11月下旬〜12月中旬どり、12月中旬〜1月下旬まき→4月どりになります。
暖地の10月まき→2月中旬〜3月中旬どりになります。
結球スピードは比較的早く、結球性が安定します。玉ぞろいがすぐれるため収穫時の作業性がよく、計画的な出荷が可能です。
結球スピードが早い一方で、過熟による重量超過や葉先枯れなどの生理障害が発生するおそれがあります。計画的な播種と定植を行い、玉がかたくなる前に適期での収穫を心掛けてください。
葉色は濃緑で葉肉が厚く結球スピードが比較的遅いので、耐寒性と在圃性がすぐれ、厳寒期に寒さ傷みの少ない高品質なレタスを出荷できます。
草勢が特に強いため、従来の厳寒期どり品種よりも1〜2週間程度被覆のタイミングを遅らせてください。
沿岸部など凍霜害が少ない地域では、トンネル栽培に代わってベタがけ栽培も可能ですので、各地域の栽培に合わせて被覆管理の調整を行ってください。
暖地の晩秋(11月下旬)〜春どり(4月下旬)栽培では収穫期順に、Dブロウ⇒ J ブレス⇒Fブロウ(またはギガブロウ)⇒ Jブレス⇒Dブロウ、と使い分けることで、大玉で秀品率の高いレタスを連続的に出荷できます。「ギガブロウ」は厳寒期どりで特に玉肥大を重視する場合や、被覆管理を省力化したい場合にお使いください。
「Dブロウ」「ギガブロウ」ともに肥大性がすぐれる反面、適作型よりも高温条件になると過剰肥大につながるおそれがありますので、適期栽培と適正な施肥量を順守ください。
2025年
春種特集号 vol.59
2024年
秋種特集号 vol.58