品種ピックアップ

品種ピックアップ

2026/7/21掲載

タキイ交配ナス「PC千両EX」
低温期・高温期にかかわらず高い着果性を発揮!
果実品質のよい千両タイプの単為結果種!

ナス「PC千両EX」

「PC千両EX」の特長
  • 安定した高い単為結果性
  • 曲がり果や奇形果が少ない高い秀品性
  • 高い初期収量が望める
  • 緻密な肉質で品質がよい

ハウスにおけるナス栽培では、着果促進剤の施用や交配用のハチによる虫媒受粉による「着果処理」が広く行われていました。しかし、着果処理は手間のかかる重労働であることから、これに代わる新たな技術の開発がナス産地にとって重要な課題となっていました。そのような状況の中、近年注目を集めているのが、着果処理を必要としない「単為結果性」をもつナス品種です。

タキイ種苗では、単為結果ナスのシリーズ化を目指して品種開発を進めており、長ナスタイプでは九州を中心に使われる「PC筑陽」、長卵形タイプでは高知県向けの「PCお竜」や、関東を中心に産地が広がるハウス夏秋栽培に向く「PC鶴丸」と、現在までに3品種を発表してきました。これらの品種を導入した産地では省力性とともに、低温期、高温期にかかわらず高い着果性を発揮することが評価されており、普及が急速に進んでいます。

今回、単為結果ナス「PCシリーズ」の4番目として新発表する「PC千両EX」は、長卵形タイプを栽培する産地で50年以上主力となっていたロングセラー品種の「千両」に単為結果性を付与した品種です。
着果処理なしでも安定的に着果し収穫できることが最大の魅力で、従来の「千両」と同様、煮物をはじめ揚げ物や漬物など幅広い用途に向く果実品質のよさも特長のひとつです。2023年から愛知県や岡山県のハウス促成栽培にて試作を実施しており、その高い単為結果力と果実品質のよさで評価を受けています。

タキイ研究農場 河西 孝昭

品種特性

高い単為結果性(関連特許出願済)

高温期や厳寒期といった厳しい環境下であっても、安定的に高い単為結果性を発揮することができます。促成栽培においては、栽培初期にハウス内が高温となる環境であっても、冬場から春先にかけての日射量が不安定な時期であっても、着果力が劣ることなく単為結果性が発揮されます。

高い秀品性

果形は首太でボリューム感のある長卵形で、曲がり果や奇形果の発生が少なく時期を問わず高い秀品率を維持します。また、果実は濃黒紫色でつやがあり、色ぼけ果の発生が少ないことも特長です。

初期収量が高い

生育初期から花の回転がよく、開花したほぼすべての花に着果するため、高い初期収量が望めます。特にハウス促成栽培においては、収穫開始から12月末までの年内総収量が安定しやすくなります。

果肉は緻密で品質がよい

果実は歯切れがよい薄めの果皮をもつ一方で、果肉は緻密でしっかりとしており、非単為結果種の「千両」と同様、炒め物や天ぷら、煮物、焼きナス、漬物など幅広い用途に適します。

適作型

適作型

栽培ポイント

高い単為結果性をもつ「PC千両EX」は、開花した花がほぼすべて着果肥大することから、従来の非単為結果品種に比べて着果負担がかかりやすく、長期間にわたって草勢を維持しながら栽培するためには、根張りを強く健全に保ち、いつでも十分な量の水や肥料を吸収できるようにしておくことが最大のポイントです。この点に着目して、栽培要点を説明します。

圃場の準備

生育初期からしっかりとした根張りを促すためには、根が張りやすい圃場を準備することが大切です。圃場作りの際はできるだけ深耕して十分に堆肥を施し、保水性を高めておきます。

接ぎ木栽培

接ぎ木は、土壌病害の回避と草勢維持の手段として有効です。「PC千両EX」の着果力を最大限に生かして良品多収をねらうために、接ぎ木栽培を励行しましょう。台木品種には栽培初期から発根がよく、青枯病耐病性をもつ「台太郎」などがおすすめです。

適期定植と樹作り優先の管理

老化苗を避けて適期苗定植を心掛けます。12pポットの場合、1番花の蕾が膨らむまでには定植しましょう。老化苗は定植後の発根が遅れて生育バランスを崩しやすくなります。定植後しばらくの間は、根張りと樹作りを優先させるような栽培管理に努めます。活着不良や草勢低下を招いた場合は、摘花(摘果)を行い過度な着果負担を減らしましょう。

肥培管理

追肥は収穫開始前後から開始し、以後は定期的に行います。草勢や収量に応じて、従来の非単為結果品種よりも追肥の間隔を狭めることで上作につながります。低温期や根傷みで追肥の効果があまり望めない場合は、葉面散布や発根促進剤の施用も効果的です。

低温期の温度管理

ハウス促成栽培など収穫が厳寒期にかかる作型では、最低夜温を12〜13℃に維持し、夜温が過度に低くならないよう注意しましょう。多くの果実が着果している場合は夜温設定を1〜2℃上昇させ果実肥大を促すことで、できるだけ短期間で収穫できるようにし、株への過度な着果負担をかけないようにしましょう。

施設栽培向けナス特性比較

最前線WEBでご紹介している内容は、記事掲載当時のものであり、現在のものではありません。また、記事中の商品、価格、農林水産省品種登録状況、および農薬等の記述は、その後、更新されている場合があります。農薬については登録内容をご確認のうえ、ご使用ください。

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