栽培技術
2022/2/21掲載
栽培技術
2022/2/21掲載
日本甜菜製糖(株)の「ペーパーポット」とは、特殊加工の紙で作られた折りたたみ式の育苗鉢です。各種野菜、材木などに広く使われています。
今回は「ペーパーポット」「チェーンポット」の種類と使用方法をご紹介いたします。
日本甜菜製糖株式会社 野口 広
「ペーパーポット」は、日本甜菜製糖(株)が開発した、特殊加工された紙製の移植作物用集合鉢です。鉢(セル)は、それぞれが水溶性ののりで接合されていて、そのまま育苗鉢となります。
紙製の鉢の特長は、通気性と浸水性にすぐれ、セル間で酸素や水分が均一に供給されるため、健苗育成が可能なことです。育苗中の根巻きがなく、根張りも素直で良好です。
移植の際には1株ずつに分離し、移植後土中の微生物などで分解されるため、そのまま植え付けることができます。根張りの悪い作物や稚苗(若苗)でも、移植時には紙が根を保護し、根傷みが少なく効率のよい定植作業が可能となります。
レタスやキャベツ、ハクサイなどの葉菜用を中心に、各種規格があります。栽培する品目などに合わせてお選びいただけます。
ペーパーポット苗を定植する際は、手植えで行うなら「ハンド移植器」が便利です。また、半自動移植機にも対応しています(詳細は動画参照)。
畝に差し込んで苗をセットし、取っ手を握るだけで定植ができます。マルチの上からも作業可能です。大苗用の大口径タイプもあります。
「チェーンポット」は、紙製の鉢が数珠状(チェーン状)に連結した構造をしており、チェーンポット、ロングピッチチェーンポット、バイピッチチェーンポットの3種類があります。
チェーンポット、ロングピッチチェーンポットは、簡易移植器「ひっぱりくん」にて紙のついたまま、決められた株間で移植することができます。バイピッチチェーンポットは、専用のBP苗供給器にて紙をはがしながら裸の苗を、半自動移植機で移植することができ、各種規格があります。
「チェーンポット」への播種は、「ペーパーポット」と同様に手作業で行うか、各種土詰機、播種機を使用します。一連の作業を自動で行える土詰播種一貫機「NFS-450」は、「苗箱供給→土詰め→播種穴あけ→播種→覆土→鎮圧」をすべて自動で行うことができ効率的です。
チェーンポットとロングチェーンポットの定植には専用移植器の「ひっぱりくん」を用います。バイピッチチェーンポットは、専用の苗分離器「BP苗供給器」をマウントした市販の半自動移植機で行います。
チェーンポットとロングピッチチェーンポットの専用の移植器です。「溝きり→土寄せ→鎮圧」を一連に行います。1条タイプと2条タイプがあり、手で引きながら使用します。
後進専用の動力ユニットです。「ひっぱりくん(HP-16)」を接続して使用することで苗を最大7冊乗せることができ、苗運搬・苗箱回収が楽になります。
バイピッチチェーンポット専用の苗分離器になります。市販の半自動移植機に本機をマウントして使用します。苗をセットするとボタン一つで自動的に苗が分離します。
タキイ通信販売での取り扱いはございません。
商品に関するお問い合わせは、日本甜菜製糖株式会社 紙筒事業部まで
http://www.paperpot.jp/
2024年
秋種特集号 vol.58
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春種特集号 vol.57