群馬県JA前橋市 タマネギ5月上旬の一番出荷を狙える極早生種「スパート」でさらなる産地拡大を目指す!タキイ種苗(株)関東支店

2018/07/20掲載

左からヒザワ種苗(株)営業部樋澤俊明さん、農事組合法人二之宮代表理事岡賢一さんと、担当JAのJA前橋市荒砥支所 吉田雅史さん(営農経済課)。
清里支所 社会法人ゆずりは会の「スパート」圃場(撮影4月27日)。

大消費地への供給基地としての役割を担う近郷産地

JA前橋市は関東平野の最北端にある群馬県の中央に位置し、管内北部の後背地に連なる赤城山、西部には榛名山があり、夏季の雷雨、冬季の季節風など気象変化に富んでいますが、年間雨量の比較的少ない内陸性気候の地域です。

管内の園芸生産販売高は年間で60億円、主な特産物は、キュウリ、トマト、エダマメ、ホウレンソウ、ブロッコリー、ネギ、ナス、タマネギなど。前橋市内をはじめ東京、横浜、東北方面などの大消費地への供給基地としての機能を発揮しています。

清里支所管内
GWに向けての早出し出荷に大きな期待!

清里支所「スパート」圃場。播種9月中旬、定植11月7日。黒マルチ4条、条間24cm×株間12cm。収穫は5月上旬予定(撮影4月27日)。
「スパート」。葉の傷み少なく、甲高球でそろい極良、肥大も良好。

JA前橋市清里支所管内では生産者30名、栽培面積約10haで5月中下旬どりのタマネギ栽培に取り組まれています。この清里支所管内でエダマメ3ha、ホウレンソウ1haなどを生産されている社会福祉法人ゆずりは会障害福祉サービス事業所ゆずりはさんでは、支所管内最大面積の3haでタマネギ栽培にも取り組まれています。品種は早生の「スパート」を導入。9月中旬播種、11月7日定植で4月末〜5月上旬収穫の作型です。

管理者の小出明広さんは、「『スパート』は他社の早生品種よりも肥大がよく10日早く収穫できるので4月末〜5月上旬どりが可能」とのことで、早出しのタマネギとして使っていただいています。

早どりと肥大のよさ以外にも葉がしっかりしていて寒さ傷みが少なく病気にも強い。玉は甲高球でL〜2L級に肥大してよくそろい、反収6tはとれると収量面でも評価いただいています。ゴールデンウィークに向けてJAや近隣の直売所に10kgネット詰めとして出荷予定(取材は4月27日)で、一番出し出荷できる極早生のタマネギとして「スパート」に大きな期待を寄せられていました。

荒砥支所管内
高品質で栽培しやすい極早生種として増反を見込む

荒砥支所管内では1法人3生産者で栽培面積約10ha、極早生種「スパート」をスタートに「ターボ」(中生種)などリレー栽培されています。

管内の生産法人である農事組合法人二之宮さんはコメ69ha、ムギ65haを主力に、野菜栽培にも取り組まれ長ネギ4ha、「上州ねぎ」0.5ha、キャベツ2.5haなどの作付けがあり、タマネギ4ha栽培のうち約40a「スパート」を導入されています。

農事組合法人二之宮 岡賢一代表理事。

作型は9月中旬播種、11月中旬定植の5月10日より収穫です。
「スパート」の倒伏開始は4月下旬ごろで他社の早生品種より1週間程度早く収穫でき、玉は豊円に近い甲高球でLを中心にそろいよく品質も申し分ないとこのことです。5月上旬出荷を狙える作りやすい極早生種として来期は増反を見込まれるなど、清里支所同様、こちらでも高い評価をいただいています。

農事組合法人二之宮「スパート」圃場。定植11月中旬、収穫5月10日より。黒マルチ4条、条間24cm×株間12cm。(撮影5月10日)
他社品種より1週間程度早く収穫で甲高球で揃いがよく、極早生種として評価良好な「スパート」。来期は増反の意向。
6月4日訪問時のタマネギ圃場様子。大規模は機械収種を行っている。