九州で評価を上げるハクサイ「ほまれの極み」〜昨冬天候不順によるハクサイ高騰の中で、威力を発揮〜

2018/07/20掲載

台風を避けて遅まき、遅植えのできる「ほまれの極み」

九州中間地における秋冬どりハクサイの露地栽培は、従来9月中下旬定植、11月〜2月中旬収穫でしたが、定植時期が、秋口の大雨や台風の接近が多い時期と重なるため、生産現場では、年々栽培が難しくなっているとの声が聞かれます。

一旦台風の接近があれば、適期定植した苗は風雨で揺さぶられて傷むことがあり、逆に台風通過を待った場合は老化苗になり定植後活着不良が出て、いずれも小玉や不結球を招きやすくなるからです。

こういった生産現場の声に答えるべく、2016年に発表された「ほまれの極み」は、台風を避けて遅まき、遅植えができ、産地課題を解決する品種として注目が高まっています。

島原地区 児湯地区 大隅地区

端境期の2〜3月に高品質のハクサイで高値がとれる!

九州地区での「ほまれの極み」の適作型は、10月中旬〜11月上旬定植、2月中旬〜3月上旬収穫(早春どり)ですが、この時期はハクサイ出荷の端境期にあたります。

具体的には、宮崎県児湯地区、鹿児島県大隅地区の秋冬どり(11月〜2月上旬収穫)から、長崎県島原地区の春どり(2月下旬〜5月上旬収穫)に繋がる期間となり、2016年度産、2017年度産の青果価格は、高値が付きました。

鹿児島県大隅地区(志布志) <露地秋冬どり栽培>

鹿児島県大隅地区(志布志) <露地秋冬どり栽培>

【耕種概要】
播種:9月25日 / 定植:10月20日 / 露地栽培 / マルチなし /
収穫:3月9日

鹿児島県大隅地区 <露地冬どり栽培>

鹿児島県大隅地区 <露地冬どり栽培>
鹿児島県大隅地区 <露地冬どり栽培>

2016年10月20日播種、2月10日撮影。

長崎県島原地区 春どり

長崎県島原地区 春どり

【耕種概要】
播種:10月4日 / 定植:10月28日 /
露地栽培 / 透明マルチ使用 /
年末年始ベタ掛け / 収穫:2月23日

端境期どりで品質の高いものが収穫でき、2016、2017年産とも高値がついた!

漬物用途にも使え加工業者からも高い評価を得る

ハクサイ需要の大半は漬物用途ですが、「ほまれの極み」は、尻張り・胴張りよく、葉は肉厚で収量性が高いこと、寒傷みが少なく外観が濃緑色で、芯伸びが少ない品質の両面から、加工業者の方からも高評価をいただいています。

宮崎県児湯地区

宮崎県児湯地区

宮崎県川南町(児湯地区)、2017年11月7日播種(2018年3月7日撮影)。

近年の天候不順で特に年内の気温推移が不安定ですが、「ほまれの極み」の適期播種・定植期の厳守と、合わせて厳寒期の不織布被覆の必要性を生産者に再確認していただき、さらなる安定生産に繋げていただきたいと思っています。
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