HOTニュース 180周年記念農場研修会レポート 茨城研究農場編

2016/02/22掲載

現在オランダでは、高軒高高度環境制御ハウスのロックウール養液栽培の夏越し作型で、多収系オランダ品種を用いて、年間70tを越えるトマトの生産が行われています。
国内においては、産官学の連携で2010年ごろより全国6カ所でモデルハウス型植物工場の実証試験が行われ、次世代施設園芸導入加速化支援を受けて全国の10拠点で展開が図られています。
タキイは2012年よりつくば植物工場のコンソーシアムのリーダー企業として研究を進めて来ました。ここでは、冬越しの長段どり栽培と3段密植栽培の2種類の栽培形態に向く品種を選定してきましたが、一定の成果を得て、2015年7月より当社の茨城研究農場内に同様のハウスを建設して、さらに適応した品種の育成を本格化させます。
温暖化の影響でトマトの栽培環境が安定しない昨今、高額投資にはなりますが、高度環境制御で安定したトマトの多収栽培を実現する生産法人や大規模農家が、今後増加してくるものと予想されます。タキイはそんなニーズに応えられるような品種を育成してゆきたいと考えています。当社の施設の詳細についてご説明致します。

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2015年7月に完成した、タキイ茨城研究農場内にある高軒高高度環境制御ハウス。
ハウス内の圃場。ロックウールの養液栽培で長段どり栽培と3段密植栽培が行われている。
ハウス外観。ハウスの素材に使われているのは光散乱型硬質フィルムで、太陽光線の直射光を散乱光に変換することができる。散乱光は葉焼けや芽焼けなどの温度障害を起こしにくく、影をつくらないので植物の下部にも光が当たり、果実の色づきが均一になるという利点もある。