おいしいトマトは熊本県宇城産! JA熊本うき「桃太郎」シリーズ導入の取り組み(編集部)

量販店との取組 JA熊本うきの「桃太郎トマト」が関西スーパー中央店で試食販売

生産地を訪ねて 「桃太郎ホープ」は秀品率がよく食味がいい

量販店との取組
おいしいトマトを届けたい! 産地と量販店との想いがひとつに
JA熊本うきの「桃太郎トマト」が関西スーパー中央店で試食販売

2019年4月6日に、兵庫県伊丹市の関西スーパー中央店にて、JA熊本うきの「桃太郎トマト」の試食販売が行われました。産地の女性生産者2名がマネキンさんとして売り場に立ち、宇城のおいしい「桃太郎トマト」をPR。売り場には子供からお年寄りまで老若男女が立ち寄り、大盛況でした。

JA熊本うきの「桃太郎トマト」
右からJA熊本うき営農販売部園芸販売課亀井係長、トマト専門部会廻田部会長と、試食販売に立たれたJA熊本うきの生産者の平田さんと鍬田さん。(株)関西スーパー中央店 矢野店長、菅崎青果チーフと共に。
右からJA熊本うき営農販売部園芸販売課亀井係長、トマト専門部会廻田部会長と、試食販売に立たれたJA熊本うきの生産者の平田さんと鍬田さん。関西スーパー中央店 矢野店長、菅崎青果チーフと共に。

おいしい大玉トマト
イコール「桃太郎」の結論にたどり着いた関西スーパー

株式会社関西スーパーマーケットは、大阪・兵庫・奈良に65店舗展開する関西の老舗量販店。この度、試食販売が行われた中央店は本社ビルの1階に展開された本店で同社の顔ともいえる店舗です。

「お客様に、『関西スーパーのトマトはおいしい』と思っていただける品ぞろえを目指しています」
関西スーパーの製造加工を行う子会社である株式会社KSP 製造部の稲ア雅也次長は、トマトの品ぞろえに力を入れるなかで「おいしい大玉トマト」に注目されたといいます。

兵庫県伊丹市に本社を構える株式会社関西スーパーマーケット(写真は中央店)。
兵庫県伊丹市に本社を構える株式会社関西スーパーマーケット
(写真は中央店)。

同社では、約3年前から生鮮物のなかでもトマトに力を入れ、中央店の店舗改装をきっかけに専門の棚を設置。トマトの種類の解説、料理レシピを置くなど品ぞろえの充実を図ってきました。

稲ア次長は、おいしい大玉トマトを求めて商品選定をするなかで、昨今の大玉トマトは生産者の高齢化、消費の減少に伴って、産地では収量や育てやすさが重視され、おいしさが二の次になっているのではないか? との見解に至ります。一方で、こだわりをもっておいしいトマトを栽培する産地もあり、それらの多くは「桃太郎」の産地でした。

「おいしいトマトは『桃太郎』」との観点から、関西スーパー全店で「桃太郎トマト」を扱うことを目標に、全国の「桃太郎」産地からトマトを仕入れ周年販売できる体制づくりを始められました。そのなかで、仲卸である大阪中央青果(株)さんから紹介されたのが、「おいしい桃太郎」に産地全体でこだわり生産されているJA熊本うきさんです。

中央店のトマト専門棚。トマトの品ぞろえが充実している。
中央店のトマト専門棚。トマトの品ぞろえが充実している。
中央店のトマト専門棚。

産地の力をアップしておいしい「桃太郎」を作りこなすJA熊本うき

「大産地に対抗するためには、おいしさを無視した生産では生き残れないとの想いから部会を上げて『桃太郎』の導入を決めました」

食味にこだわり全量「桃太郎」の導入に取り組まれているのが、JA熊本うきトマト専門部会の廻田誠部会長です。

熊本県は全国でも有数のトマトの主力産地ですが、JA熊本うきは、大産地である八代地区や玉名地区に挟まれた中規模産地。廻田部会長は大産地と同じような戦略では産地として生き残っていくことができないと試行錯誤を巡らせました。

試食の準備万全の平田さんと鍬田さん。応援に駆け付けたJA熊本経済連大阪事務所園芸担当の佐藤さんと共に。
試食の準備万全の平田さんと鍬田さん。応援に駆け付けたJA熊本経済連大阪事務所園芸担当の佐藤さんと共に。

県内他産地では、「桃太郎」から一部品種を切り替えるなど、おいしさから作りやすさにシフトする流れがあるなかで、廻田部会長は食味にこだわることで産地として差別化を図るため「桃太郎」系品種の全面導入に踏み切ります。

2018年産は「桃太郎」の品種の中でも、抑制作には「桃太郎ピース」、促成作は「桃太郎ホープ」を導入、半促成作では一部他社品種を栽培していますが、本作より「桃太郎ネクスト」の試作を開始しました。作型別で品種統一を図ることで、着色、食味のばらつきをなくし品質重視への出荷へと切り替えを始めています。「ネクスト」の試作がうまくいけば、2019年産からすべて「桃太郎」系で統一した出荷を行える予定です。
「当地は30〜40代の若手生産者も多く、「桃太郎」系の導入には彼らも積極的に賛成してくれました。作りやすい品種ではないが、タキイさんの協力も得て作りこなしていきたい」

廻田部会長は産地の栽培技術の底上げに精力的に取り組まれています。

「桃太郎」
「桃太郎」売り場の様子

おいしい「桃太郎トマト」を消費者に

おいしさにこだわり「桃太郎」を生産するJA熊本うきと、全国から「桃太郎」を集めて周年栽培に取り組む関西スーパー。「おいしいトマト」で差別化を図りたいという産地と販売店の想いが合致して、この度の試食販売が実現したのです。

「トマトはリコピン豊富で生食でおいしく食べられる。日本ではなじみが少ないですが加熱料理にも向いています。『桃太郎』はバイヤーが自信をもっておすすめできるトマト。産地も各地にあり、年間リレーでお届けできるのもよいですね。」

バイヤーの目線でお話いただいたのは、(株)関西スーパーマーケット営業本部 第1商品グループの木下善博マネジャーです。「桃太郎」はバイヤーから見ても魅力的な商材と評価されています。関西スーパーでは今後も「桃太郎」を扱うことで、他企業との差別化を図っていきます。

JA熊本うきとしても、販売店舗として「桃太郎」の価値を理解してくれる関西スーパーと今後とも取り組みを行いたい考えです。

盛況だった試食販売。JA熊本うきでは今後も生産者自らが現地に赴いての試食販売など販促を行いたい考え。
盛況だった試食販売。JA熊本うきでは今後も生産者自らが現地に赴いての試食販売など販促を行いたい考え。

「おいしいトマトはくまもと宇城産」を合言葉に生産に取り組むJA熊本うき。全国の消費者に「おいしい桃太郎トマト」を届けるため、産地の挑戦はこれからも続いていきます。

生産地を訪ねて
JA熊本うきトマト専門部会 石田真一さん
「桃太郎ホープ」は秀品率がよく食味がいい

定植の大玉トマトをすべて「桃太郎ホープ」へ

味へのこだわりを打ち出しての出荷に舵を切ったJA熊本うきのトマト部会さん。
次は生産者の声をお聞きしました。お伺いしたのはトマト専門部会の役員のおひとり石田真一さん(36歳)の90mハウスです。石田さんは部会の方針に合わせて、今年から9月20日ごろ定植の大玉トマトをすべて「桃太郎ホープ」へ切り替えられました。熊本県内では日本を代表するトマト産地が数あります。中堅産地のうきとしては、食味を武器にしなければ市場の引き取りもなくなるという危機感があったそうです。

冬場に収量が上がる前年までの品種と比較すると、「ホープ」は低温で伸びる力はあるものの7段目あたりの花芽がとんでしまい小玉傾向だったそうです。その分春先は回復してきたためトータルの収量は変わらないということでした。

トマト専門部会役員でもある石田さん。今年から9月定植の長期作を「桃太郎ホープ」に切り替えた。
トマト専門部会役員でもある石田さん。今年から9月定植の長期作を「桃太郎ホープ」に切り替えた。
JA熊本うき 地図
約140aのハウスを経営する石田さん。
約140aのハウスを経営する石田さん。

「「桃太郎」の食味のよさで市場へアピール」

「今年は出荷のだぶつきでトマトの価格が全体に低迷する中、他産地と比べたら価格的にも善戦したと思います」と、春先はまずまずの成績だったようです。
長期の大玉からミニトマト、メロンにつなげていくという石田さん。元来、春のメロンが終わればその施設でトマトを栽培するという地域。春のメロンの価格がいいなかでも、トマトを一定以上は続けたい訳は、「研修生を入れた場合、彼らに周年で仕事があるという意味ではトマトがどうしても欠かせない」と、いうのです。

「桃太郎ホープ」の秀品率は高いと評価。
「桃太郎ホープ」の秀品率は高いと評価。

現在、1町4反のハウスを経営する石田さんの労働力は、家族2人と研修生4人の計6人でまわされています。研修生の確保は欠かせません。そういう意味でもトマトの安定した栽培と品質、価格の安定が求められているのです。8月定植の抑制作は「桃太郎ピース」主体。9月定植の長期作から「桃太郎ホープ」を導入して、栽培をつないで行きます。「桃太郎」の食味のよさで市場での存在感を図っていく部会の思いを聞かせていただきました。石田さんと同じように30〜40歳代のIターン生産者が増えるこの地域で、黄化葉巻病の耐病性を持ちつつ食味と収量を両立した品種が今後も求められています。

ベトナムからの研修生が4名が収穫に入る。
ベトナムからの研修生4名が収穫に入る。皆さんまじめで仕事もていねいだとか。

中堅といっても90名からの部会員を誇るJA熊本うきさんですが、石田さんのような若手生産者も多く、部会全体の自信も持たれています。「以前よりは地域のトマト栽培の全体のレベルは上がってきていると思います」と味や品質レベルを引き上げ、売り先を絞られることなく市場から求められるトマトづくりに再び舵を切ったところです。

色や食味がいい「桃太郎ホープ」。
色や食味がいい「桃太郎ホープ」。
節間は「桃太郎ピース」より長いと石田さん。
節間は「桃太郎ピース」より長いと石田さん。